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「そういえば、Megもそうして
トマト畑におっこちそうになって、僕が助けたんだっけ。」と
ルーフィは、思い出すようにめぐに言う。
よく似てるね、とルーフィは笑い「まあ、同じ人だからね」と
続ける。
・・・・同じひと。
そうなんだ、と
めぐは思う。そして
同じ、ふたりだから、同じルーフィを好きになって。
ルーフィとしては、どちらも選べないのかな?なんて
めぐは、なんとなく想像した。
ふたつの違う世界に住む、めぐとMeg。
ルーフィは、ひとりしかいないのに・・・。
トマト畑を見下ろしながら、めぐは思う。
自分の世界のトマト畑にも、もちろんトマトが実っているけれど
実りの季節が終わる頃、夏も終わっていく。
涼しい風が吹いて。その頃夏休みも終わる。
それまでに、めぐ自身
どこまで解決できるんだろう、などと
思ったりした。
なんとかしなくっちゃ、と
とりあえず、恋の悩みは置いておいて(笑)
めぐは、坊やのお母さんが現れない事、おまわりさんにも
迷子の届けがないこと、などを
どうしたらいいのだろうと
ルーフィの意見を求めた。
ルーフィは少し考え「こちらの世界、とは思ったけれど
この国、とは限らないものね。」と
決定的な事を言った。
時空の歪みがあったとしても、同じ場所につながっているとは
限らない。
それは確かにそうだった。
この国のおまわりさんに届けがなくても・・・他の、国かもしれない。
となりのフランスとか、イギリスとか、ドイツとか、スイスとか。
そこまでは考えていなかった。
「なので、インターネットに載せたのはいいキッカケだね」と
ルーフィは言う。
「なにか、手がかりはないのでしょうか?」と、めぐは
真面目な顔で。
「決め手はないけどね。地域的な違いは人間にはあるから
そういうものを調べていくとか・・・・・。」と、ルーフィは
科学的な推察を述べた。
環境に適応して人は変わっていくので
見た目とか、体の構造とかが
微妙に違う。
「まあ、最近は雑種になってるけど」とも。
「魔法使い同士なら、雰囲気で分かるけど
あの坊やは魔法使いじゃなさそうだし」と、ルーフィ。
いまはルーフィ自身も魔法を失っているので
分かりようもないのだけれども。
魔法使いルーフィの実体
「でも、意外に平然としてるね、坊や。
もしかしたら、お母さんがいないのかも」と
ルーフィ。
めぐは、そこで気づく。
いままで、めぐ自身の感覚で
坊やの気持ち、お母さんの気持ち。
それを思慮していた。
ルーフィは、魔法使いだから?
そんな事を予想できるのか。
それとも....と
めぐは、なんとなく予感がして
ルーフィに尋ねてみた。
「どうして?そう思うの?」口調が砕けて。
泣く、叫ぶような言い方になって。
ルーフィは、それでも軽妙に
しかし、静かな口調で言う。
「僕も、魔法で作られているから。
だから、魔法が全部消えたら、無くなってしまうのさ。お母さんもいないし。」
それで、ルーフィは
坊やを自分の事のように推理した。
人間じゃないので、
生に執着しない。
争う事もない。
めぐや、Megに愛されて。
愛を返せるけれど
人間みたいに、結婚するなんて
できない存在。
めぐは思う。
ルーフィのどこを、わたしは愛しているのだろう。
人間として生きるパートナー?
経済力?
ううん、そんなものじゃ、ない!。
めぐは、そう思う。
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