ふたりのMeg

深町珠

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テレフォン

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チーズケーキ。


食べ物を見てるだけでも楽しいし

食べるだけでも元気になる。




後で「太ったかな」なんて思うけど(笑)




ルーフィが一緒じゃないから
人目気にせず懸命に食べる、めぐだった(笑)。


telephone call,


とりあえず、食べて元気は出る。

単純だけど、そんなもの。


坊やのお母さんから、お巡りさんに
捜索願いは出ていないらしかったけれども
届け出る訳にもいかないので

めぐは、少し待つ事にして。




マジシャンとして、スターになる話は
とりあえず保留にして置いて(笑)。



話題にはなったので、それは悪い気は
しなかったけど。



肝心の坊やの手がかりはなかった。






それで、次の日。




もともと、図書館で出会った坊やなので


こちらの世界の図書館に行ってみれば
何か、手がかりになるのかもしれないと



そう推理して。





めぐは、おばあちゃんに相談した。



「こちらの世界にも、やっぱり
同じように図書館があるでしょ?そこに
行けば、何かわかるかも」と。




おばあちゃんは、にこにこしながら。
「そうね。ルーフィさんなら
どんなふうにお考えになるかしら。」と。





昨夜のどたばたで、少し忘れてた淋しさが

おばあちゃんのひとことで、急に
思い出されたみたいで。



めぐは、急にルーフィに会いたくなったけど

でも、なんだかぎこちない。


今までは、一緒に暮らしてたから
会いに行くのに理由なんてなかった、でも
離れて暮らすと、それが
こんなにも不自然なのかな、なんて
めぐは思った。


訳もなく、会いに行くのは変だとか
約束をしないと、会えないとか。




すんごく面倒(笑)だし
約束するのも気が引ける。



だって、Megさんと一緒に暮らしてるんだもの。



犬のぬいぐるみ姿だとしても。(笑)




坊やの事が理由になるし

それに、ルーフィの失われた魔法がどうなったのか、それも

かなり気になった。




そこで。



めぐは、会いに行くのに
いきなり、は
ちょっと気が引けるので


とりあえず、電話を掛けてみようかな、と
思った。


でも.....




ルーフィは、こちらでは
ぬいぐるみになってるので


誰もいない時じゃないと、電話なんて
出られない。




そんなふうに思いながら、コールした。




呼び出す音。



1回、2回、3回......。





待っている間、ハートがなぜか
ドキドキして。



緊張する、ってこういう事かな?って
めぐは、いつもの自分じゃないみたいな
気持ちになって。

5回めの前に、電話を切った。


リゾートホテルのテレフォンボックス。

旧式なそれは、真鍮の輝きも美しい
レトロな受話器や、ダイヤル。

絵画のような存在だったけど


映画みたいに、ステキな彼に
心が通じる、そんな展開にはならなくて。



またも、がっかりのめぐだった(笑)。


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