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かわいい子
しおりを挟む司書主任さんが、そこへ。
「・・・・ちいさな子だから。でも、もうミルクじゃないでしょうね。
なにか、消化の良いものでも。」と、坊やを見て、しゃがんで。
頭を撫でて。
「じゃあ、スカイレストランのシェフに聞いてみよ。」と、めぐはにこにこ。
坊やの手を引いて。
・・・・・楽しいけれど、でも、ちいさな子を育てるって
たいへんなのね・・・・。なんて(笑)。
おかあさんになったような気がした。
で。
・・・・・・ルーフィさんは。
旅から旅へ。
時を、空を飛び越える魔法使いルーフィは
どこに住むべき、と言う時空もないから。
どこの時代の人間か、も
わからない。
イギリス生まれは、わかるけど・・・・。
現代じゃないみたい。
と、めぐは
なんとなく、立ち居振る舞いや
ことばの感じ、ものの考え方から
ルーフィの出自を想像した。
そういうものは、生活から影響されるからだ。
どうして、ルーフィに惹かれるのか?
その理由が、そんな大いなる父性、みたいなものにあるのかもしれないと
めぐが、感じとっているか?は
わからないけれど
時間の窓
本当に、お母さんは
どこにいるのだろう?
と、めぐとルーフィー、そして
クリスタさんは、坊やが
おいしそうに、ごはんを食べるのを見て、そう思う。
ここは、スカイレストラン。
シェフの計らいで、まだ空いていない展望室で。
のんびりとごはんを、坊やに食べてもらうことにした。
パン・プディングとか
温野菜、オランデーズ・ソース。
そんな、優しいものを軽く。
めぐも、一緒に食べて見ると
これが、美味しい。
同じものを作れそうなものだけど
でも、ちょっと同じものは作れない。
シェフのお料理は、そんな感じ。
オレンジジュースを飲みながら、ルーフィーは思う。
「この子のお母さん、ほんと、どこいっちゃったんだろう。」
ルーフィーは、案じる。
「時間の窓を開いて、見てみようか」
と、ルーフィーは、いつかみたいに
空中に円を描いて。
今朝の出来事を、見てみようとした。
しかし・・・・・。
描いた円には、何も起こらない。
ただ、空を切っただけだ。
「あれ?」
ルーフィーは、魔法陣を確認した。
間違いはない。
「おかしいなあ・・・・・。」
ルーフィー自身、何も気づいていないが
もと天使、クリスタさんの心配するように
ルーフィーは、坊やの前で魔法を使ったので
魔力が、どうにかなってしまったようだ。
「おっかしいなぁ・・・。」と
ルーフィーは首を捻る。
坊やは、その間にも
お昼ごはんを平らげて。
オレンジジュースを飲み干した。
ごちそうさまでした、と言うように
両手を合わせて。
お辞儀をする。
しつけの良い子、クリスチャンだろか。
「あの、ルーフィーさん・・・・・?」
クリスタさんは、心配していた事を
口にした。
「魔法って、人前で使うと・・・・。」
と、言うと、ルーフィーは、それに気づき
「でも、ここは異なる世界だから
大丈夫なはずだけど・・・?」
そこで、ルーフィーは事態に気づく。
「ここは異なる世界だけど・・・。もしかして、この坊やは。
僕らの世界の人なんじゃ・・・?。」
魔法を使うところを
人に見られると、その魔力は効かなくなってくる。
でも、ここはルーフィーがいた世界と
ちがう時空間にあるので
大丈夫だった。
ほんとなら、ルーフィーは
ぬいぐるみ姿になっていないと
いけないのに
こちらの世界では、ふつうの姿で
居られるのも、そのおかげ。
「でも・・・・・。」
この子が、もし
向こうの人だったら。
何の為にここに連れて来られたのだろう。
そんな事をルーフィーは考え、そして
重大な事に気づく。
「魔法がダメだったら、僕は
帰れないんだ・・・・・・。」
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