167 / 502
かわいい子
しおりを挟む司書主任さんが、そこへ。
「・・・・ちいさな子だから。でも、もうミルクじゃないでしょうね。
なにか、消化の良いものでも。」と、坊やを見て、しゃがんで。
頭を撫でて。
「じゃあ、スカイレストランのシェフに聞いてみよ。」と、めぐはにこにこ。
坊やの手を引いて。
・・・・・楽しいけれど、でも、ちいさな子を育てるって
たいへんなのね・・・・。なんて(笑)。
おかあさんになったような気がした。
で。
・・・・・・ルーフィさんは。
旅から旅へ。
時を、空を飛び越える魔法使いルーフィは
どこに住むべき、と言う時空もないから。
どこの時代の人間か、も
わからない。
イギリス生まれは、わかるけど・・・・。
現代じゃないみたい。
と、めぐは
なんとなく、立ち居振る舞いや
ことばの感じ、ものの考え方から
ルーフィの出自を想像した。
そういうものは、生活から影響されるからだ。
どうして、ルーフィに惹かれるのか?
その理由が、そんな大いなる父性、みたいなものにあるのかもしれないと
めぐが、感じとっているか?は
わからないけれど
時間の窓
本当に、お母さんは
どこにいるのだろう?
と、めぐとルーフィー、そして
クリスタさんは、坊やが
おいしそうに、ごはんを食べるのを見て、そう思う。
ここは、スカイレストラン。
シェフの計らいで、まだ空いていない展望室で。
のんびりとごはんを、坊やに食べてもらうことにした。
パン・プディングとか
温野菜、オランデーズ・ソース。
そんな、優しいものを軽く。
めぐも、一緒に食べて見ると
これが、美味しい。
同じものを作れそうなものだけど
でも、ちょっと同じものは作れない。
シェフのお料理は、そんな感じ。
オレンジジュースを飲みながら、ルーフィーは思う。
「この子のお母さん、ほんと、どこいっちゃったんだろう。」
ルーフィーは、案じる。
「時間の窓を開いて、見てみようか」
と、ルーフィーは、いつかみたいに
空中に円を描いて。
今朝の出来事を、見てみようとした。
しかし・・・・・。
描いた円には、何も起こらない。
ただ、空を切っただけだ。
「あれ?」
ルーフィーは、魔法陣を確認した。
間違いはない。
「おかしいなあ・・・・・。」
ルーフィー自身、何も気づいていないが
もと天使、クリスタさんの心配するように
ルーフィーは、坊やの前で魔法を使ったので
魔力が、どうにかなってしまったようだ。
「おっかしいなぁ・・・。」と
ルーフィーは首を捻る。
坊やは、その間にも
お昼ごはんを平らげて。
オレンジジュースを飲み干した。
ごちそうさまでした、と言うように
両手を合わせて。
お辞儀をする。
しつけの良い子、クリスチャンだろか。
「あの、ルーフィーさん・・・・・?」
クリスタさんは、心配していた事を
口にした。
「魔法って、人前で使うと・・・・。」
と、言うと、ルーフィーは、それに気づき
「でも、ここは異なる世界だから
大丈夫なはずだけど・・・?」
そこで、ルーフィーは事態に気づく。
「ここは異なる世界だけど・・・。もしかして、この坊やは。
僕らの世界の人なんじゃ・・・?。」
魔法を使うところを
人に見られると、その魔力は効かなくなってくる。
でも、ここはルーフィーがいた世界と
ちがう時空間にあるので
大丈夫だった。
ほんとなら、ルーフィーは
ぬいぐるみ姿になっていないと
いけないのに
こちらの世界では、ふつうの姿で
居られるのも、そのおかげ。
「でも・・・・・。」
この子が、もし
向こうの人だったら。
何の為にここに連れて来られたのだろう。
そんな事をルーフィーは考え、そして
重大な事に気づく。
「魔法がダメだったら、僕は
帰れないんだ・・・・・・。」
0
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説

高校からの帰り道、錬金術が使えるようになりました。
マーチ・メイ
ファンタジー
女子校に通う高校2年生の橘優奈は学校からの帰り道、突然『【職業】錬金術師になりました』と声が聞こえた。
空耳かと思い家に入り試しにステータスオープンと唱えるとステータスが表示された。
しばらく高校生活を楽しみつつ家で錬金術を試してみることに 。
すると今度はダンジョンが出現して知らない外国の人の名前が称号欄に現れた。
緩やかに日常に溶け込んでいく黎明期メインのダンジョン物です。
小説家になろう、カクヨムでも掲載しております。

『完結済』ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら
七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中!
※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります!
気付いたら異世界に転生していた主人公。
赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。
「ポーションが不味すぎる」
必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」
と考え、試行錯誤をしていく…
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。

【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!
暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい!
政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。
人生負け組のスローライフ
雪那 由多
青春
バアちゃんが体調を悪くした!
俺は長男だからバアちゃんの面倒みなくては!!
ある日オヤジの叫びと共に突如引越しが決まって隣の家まで車で十分以上、ライフラインはあれどメインは湧水、ぼっとん便所に鍵のない家。
じゃあバアちゃんを頼むなと言って一人単身赴任で東京に帰るオヤジと新しいパート見つけたから実家から通うけど高校受験をすててまで来た俺に高校生なら一人でも大丈夫よね?と言って育児拒否をするオフクロ。
ほぼ病院生活となったバアちゃんが他界してから築百年以上の古民家で一人引きこもる俺の日常。
――――――――――――――――――――――
第12回ドリーム小説大賞 読者賞を頂きました!
皆様の応援ありがとうございます!
――――――――――――――――――――――

俺の娘、チョロインじゃん!
ちゃんこ
ファンタジー
俺、そこそこイケてる男爵(32) 可愛い俺の娘はヒロイン……あれ?
乙女ゲーム? 悪役令嬢? ざまぁ? 何、この情報……?
男爵令嬢が王太子と婚約なんて、あり得なくね?
アホな俺の娘が高位貴族令息たちと仲良しこよしなんて、あり得なくね?
ざまぁされること必至じゃね?
でも、学園入学は来年だ。まだ間に合う。そうだ、隣国に移住しよう……問題ないな、うん!
「おのれぇぇ! 公爵令嬢たる我が娘を断罪するとは! 許さぬぞーっ!」
余裕ぶっこいてたら、おヒゲが素敵な公爵(41)が突進してきた!
え? え? 公爵もゲーム情報キャッチしたの? ぎゃぁぁぁ!
【ヒロインの父親】vs.【悪役令嬢の父親】の戦いが始まる?
【完結】花の国の女王様は、『竜の子』な義弟に恋してる ~小さな思いが実るまでの八年間~
杵島 灯
恋愛
子どもの頃に義弟を好きになったお姫様(後に女王様)の想いが実り、幸せになるまでの物語。
----------
花が咲き誇る小さな国の王女・ジゼルには、十四歳になったある日、弟ができた。
彼の名はライナー、年は十歳。
弟といっても彼は隣の帝国へ嫁いだ叔母の息子、つまり本来はジゼルの従弟だ。
今は亡き叔母と過去に話をしていたジゼルは、ライナーが自分の義弟になったいきさつを理解した。――理解できたはずだ。おそらく。
「安心して、ライナー。これからは私があなたを守ってあげるから」
こうして可愛い義弟と楽しい日々を過ごすジゼルだったが、ある日ライナーに好きな人がいるらしいことを聞いてしまう。
ショックを受けるジゼルは自身がライナーが好きなのだと自覚したが、この恋は実らないものだ。諦めるためにライナーから距離を取り、更には自身の婚約者候補まで探し始めるジゼルは……。
----------
※他サイトでも掲載しております。
表紙イラスト&タイトルロゴ:むなかたきえ様(@kkkie_m)

異世界でネットショッピングをして商いをしました。
ss
ファンタジー
異世界に飛ばされた主人公、アキラが使えたスキルは「ネットショッピング」だった。
それは、地球の物を買えるというスキルだった。アキラはこれを駆使して異世界で荒稼ぎする。
これはそんなアキラの爽快で時には苦難ありの異世界生活の一端である。(ハーレムはないよ)
よければお気に入り、感想よろしくお願いしますm(_ _)m
hotランキング23位(18日11時時点)
本当にありがとうございます
誤字指摘などありがとうございます!スキルの「作者の権限」で直していこうと思いますが、発動条件がたくさんあるので直すのに時間がかかりますので気長にお待ちください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる