142 / 502
にゃんこ語
しおりを挟む「さ、じゃ、あたしのおうちへ。」と
路面電車を見送って。
石畳の軌
道敷を渡って。
安全地帯から、歩道に渡って。
路地の、坂道へと登る。
見慣れた坂道が、めぐにはとっても
有り難く思えた。
なんたって、絵本の中に旅してしまったのだから。
路地のお隣りさんや、ご近所さんも
心配してないといいけど。
はじめての外泊だもん(笑)なんて
めぐは、ちょっと、スターみたいな
気持ちで戻ってきたけど。
誰も、気にしてないみたいなので
ちょっとがっかり。
そうそう、にゃごにお礼言わなきゃ。
「あ、そうだ。クリスタさん?にゃごにお願いして下さったんですか?
あたしの捜索(笑)」
クリスタさんは、穏やかにかぶりを振って。
「いいえ・・・・。」と、だけ。
「そっか、にゃごにごちそうしないと。」
と、スキップするみたいに
めぐは、楽しげに、おうちの門を開けて。
「ただいまー。」と。
いつもと同じように、お母さんもお父さんもにこにこ。
おばあちゃんも。
だーれも心配してない事に、ちょっと残念な(笑)気もしたけど
でも、叱られるよりはいいかな。
でも、思い出を振り返っても
あんまり、叱られた記憶ってなかったりする。
いい子だったもん(笑)なんて
自分では思ってたり。
「おかえりめぐ。疲れたでしょ?
お風呂入ったら?」と、お母さん。
「うん。おばあちゃん、にゃごは?」
と、めぐは、夕べ出掛けてからそのままだった事を思い出す。
おばあちゃんは、いつも通りで
「にゃごは、ごはんじゃない?」と
ダイニングルームの角、にゃんこのご飯のところにいるのかしら、と
言った。
「にゃごー、にゃごー。」と
めぐは、とことことダイニングルームへ。
クリスタさんとルーフィも、お母さんに招かれて。
「ただいま、戻りました。」
「すみません、ごやっかいを」
と、それぞれにご挨拶。
お母さんは、とりあえずお風呂でも、と
言ったので
それじゃあまた、ニアミスしちゃうな、とルーフィが言ったので
そうですね、とクリスタさんも
みんなも楽しく笑った。
和やかだった。
にゃごは、極上鯖の缶詰を
おいしそうに食べていた。
めぐは「ただいまー、にゃご。
ありがとね。おかげさまで
帰ってこれたのー。」と言うと
ごはんを食べながら、にゃごは
ふにゃくにゃむにゃふにゃご、と
にゃんこ語で語った(笑)。
0
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説
目覚めれば異世界!ところ変われば!
秋吉美寿
ファンタジー
体育会系、武闘派女子高生の美羽は空手、柔道、弓道の有段者!女子からは頼られ男子たちからは男扱い!そんなたくましくもちょっぴり残念な彼女もじつはキラキラふわふわなお姫様に憧れる隠れ乙女だった。
ある日体調不良から歩道橋の階段を上から下までまっさかさま!
目覚めると自分はふわふわキラキラな憧れのお姫様…なにこれ!なんて素敵な夢かしら!と思っていたが何やらどうも夢ではないようで…。
公爵家の一人娘ルミアーナそれが目覚めた異なる世界でのもう一人の自分。
命を狙われてたり鬼将軍に恋をしたり、王太子に襲われそうになったり、この世界でもやっぱり大人しくなんてしてられそうにありません。
身体を鍛えて自分の身は自分で守ります!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
お花畑な母親が正当な跡取りである兄を差し置いて俺を跡取りにしようとしている。誰か助けて……
karon
ファンタジー
我が家にはおまけがいる。それは俺の兄、しかし兄はすべてに置いて俺に勝っており、俺は凡人以下。兄を差し置いて俺が跡取りになったら俺は詰む。何とかこの状況から逃げ出したい。
悪役令嬢カテリーナでございます。
くみたろう
恋愛
………………まあ、私、悪役令嬢だわ……
気付いたのはワインを頭からかけられた時だった。
どうやら私、ゲームの中の悪役令嬢に生まれ変わったらしい。
40歳未婚の喪女だった私は今や立派な公爵令嬢。ただ、痩せすぎて骨ばっている体がチャームポイントなだけ。
ぶつかるだけでアタックをかます強靭な骨の持ち主、それが私。
40歳喪女を舐めてくれては困りますよ? 私は没落などしませんからね。
義妹が私に毒を盛ったので、飲んだふりをして周りの反応を見て見る事にしました
新野乃花(大舟)
恋愛
義姉であるラナーと義妹であるレベッカは、ラナーの婚約者であるロッドを隔ててぎくしゃくとした関係にあった。というのも、義妹であるレベッカが一方的にラナーの事を敵対視し、関係を悪化させていたのだ。ある日、ラナーの事が気に入らないレベッカは、ラナーに渡すワインの中にちょっとした仕掛けを施した…。その結果、2人を巻き込む関係は思わぬ方向に進んでいくこととなるのだった…。
転生幼女は幸せを得る。
泡沫 呉羽
ファンタジー
私は死んだはずだった。だけど何故か赤ちゃんに!?
今度こそ、幸せになろうと誓ったはずなのに、求められてたのは魔法の素質がある跡取りの男の子だった。私は4歳で家を出され、森に捨てられた!?幸せなんてきっと無いんだ。そんな私に幸せをくれたのは王太子だった−−
前世と今世、合わせて2度目の白い結婚ですもの。場馴れしておりますわ。
ごろごろみかん。
ファンタジー
「これは白い結婚だ」
夫となったばかりの彼がそう言った瞬間、私は前世の記憶を取り戻した──。
元華族の令嬢、高階花恋は前世で白い結婚を言い渡され、失意のうちに死んでしまった。それを、思い出したのだ。前世の記憶を持つ今のカレンは、強かだ。
"カーター家の出戻り娘カレンは、貴族でありながら離婚歴がある。よっぽど性格に難がある、厄介な女に違いない"
「……なーんて言われているのは知っているけど、もういいわ!だって、私のこれからの人生には関係ないもの」
白魔術師カレンとして、お仕事頑張って、愛猫とハッピーライフを楽しみます!
☆恋愛→ファンタジーに変更しました
【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです
yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~
旧タイトルに、もどしました。
日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。
まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。
劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。
日々の衣食住にも困る。
幸せ?生まれてこのかた一度もない。
ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・
目覚めると、真っ白な世界。
目の前には神々しい人。
地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・
短編→長編に変更しました。
R4.6.20 完結しました。
長らくお読みいただき、ありがとうございました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる