ふたりのMeg

深町珠

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リミットちゃん

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リミット


図書館は、静かにしないといけない場所だけど。


でも、めぐの命に関わる事だ。

ルーフィは、場所にあたりをつけると

部屋を、風のように吹き抜けて行った。


その様子に、司書主任さんは驚いた。

けれど、クリスタさんも後を追っているので

その理由を、尋ねる事もできなかった。

ただ、不思議そうに「へそくりでも挟んであったのかな(笑)」

もちろん、図書館の本に
へそくりする人はいない。

大切な証明書とか、カードとか。

思い出のある写真とか。


そんなところかな?と
のんびりと司書主任さんは、想像した。





ルーフィは、地下への階段を下りて。
メタリックな、パーキングのドアを押して


パーキングの、まだ、がらんどうの

コンクリートの床を走り、反対側にある職員用入り口の
クリーム色の扉を押した。

特に、鍵が掛かっているでもない。


その扉の向こう側も、広いスペースになっている。

正面が、返却ポストから
おりてくる図書倉庫。



クリスタさんがついて来て。


その向こう側みたいです、と
廊下の向こうの部屋を示した。




扉の向こうには、果たして古本の
山。


ちょっとした市場のようだ。



「どうやってさがそう・・・。」

と、ルーフィは思い。量子コンピューターの
存在を思い出す。



なんで、最初から気付かなかったのだろう。



そう思ったが、仮に気づいていても
司書主任さんのいるところで、
未来のコンピューターを見せる訳にもいかない。



見せたところで、コンピューターの外観は似たり寄ったりだけど。

20年後に、新発売された時に

見たことのある新製品(笑)

なんてのも、困るかもしれない。



量子コンピューターの電源を入れて。

データを拾う。


「・・・・。」

難しい表情のルーフィに、クリスタさんは声をかける。



「いないですか?」



ルーフィは頷き、「もう、捨てられてしまったのだろうか」と。


いや、そんなはずはない。

さっきまで一緒で、書架に返却したのは

ほんの少し前なのだ。


とりあえず、捨てられていない事は
解って、やや安心。



「・・・・・移動図書館でしょうか。」と
クリスタさん。




「それはなんですか?」と、ルーフィは尋ねる。



「バスに本を積んで、図書館から遠いところへ、本を貸したり、返して貰ったり。・・・。そんなサービスです。」

と、クリスタさん。




捨てられる事はないだろうけれど。
ここに戻ってくるまで、相当あるだろうから・・・・・。




もし、巡回先で貸し出されてしまえば
戻ってくるまでは手が出せない。



「どうしよう・・・・。」と、ルーフィは考えた。




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