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旅立ち
しおりを挟むわたしたちは、とりあえず
時間がなかったので
めぐが、魔法を使えるようになるまで
待たずに(笑)。
とりあえず、出発する事にした。
「じゃ、めぐ、残念だけど。」と
わたしは、もうひとりのわたしに
言葉を掛けた。
すぐにもどってこれるわよ。と
わたしは言ったけど、さて、いつになる事か
本当のところはわからなかった。
向こう側、わたしたちの世界では
ほんの一瞬、つまり
時間軸、空間軸を短く縮小して
そのエネルギーを、4次元的に変換して
時間旅行をした。
なので、向こうにある0次元の点になってる、わたしたちの実体を
3次元に戻す。
いま、ここにいるわたしはエネルギー体なのであるけれど
向こうで、3次元に実体化するだけの
エネルギーがないと、小さくなってしまう。
ルーフィは、とりあえず
ぬいぐるみに宿って、実体化を
避けているので
長く、滞在できている。
それはもちろん、魔法使いとして
わたしたちの世界では、居る事ができないから。
古く、16世紀ヨーロッパで
魔女狩りが起こったりしたように
いまの科学者に見つかったら
「研究のため」と称して
逮捕されちゃうかもしれない(笑)。
それを思うと、めぐが
来れないのは、安全のためには
いい事だ。
ルーフィは別にしても
かわいい女の子だと、注目を
得るのは仕方ないもの。。。
異端者が、好奇の対象になるって
事の表れで
まして、めぐみたいな女の子だったら・・・・
サーカスに売られてしまうかも(笑)。
「お世話になりました」
と、わたしたちは
めぐのおばあちゃん、おとうさん、おかあさんにご挨拶。
それぞれに、別れを惜しみ
残念に思っていたけれど
一番残念に思っていたのは、
やっぱり、めぐ自身だった。
わたしたちが、旅立とうとして
テラスに出て。
おばあちゃんのお土産一杯の
手提げ袋をぶら下げて(笑)。
来るときは手ぶらだったのにな(笑)。
「じゃ、行くよ」
ルーフィは、空間に魔法陣を描いた。
わたしには、光って見えるけれど
それは、ふつうのひとには見えないものらしい。
すう、と
ルーフィ、それとわたしは
その魔法陣を使って。
魔法の絨毯のように、飛翔した。
4次元の移動なので、加速感もまるでなくて
移動している実感もない。
瞬間に、空間自体が移動する感じ。
あの、三角屋根のお家も、草原も。
図書館も。
みんな、小さくなって。
高い空、お星様に手が届きそうなくらいの空。
そこまで昇った。
周りにあるものを、一緒に転送して
しまわないために。
地上のめぐは、その様子を見上げていた。
おとなしく、見守っていたけれども。
心は、叫びをあげていた。
「待って!」
その叫びが、めぐを集中させた。
めぐの周囲の空間が、ゆらり、と
陽炎のように揺らいだ・・・・・。
それからめぐの身に起こった事は、わたし、Megには
よく分かる体験だった。
時間と空間を最初に飛び越える時、とても不安な気持ちになって。
過ぎ去った時、開放感がある。
めぐは、集中力を恋のために欠いていた。
けれど、その恋の為に集中した。
それは、ちょっとルーフィにも思いつかない修行だった(笑)。
女の子の恋する気持は、それほど深いものなのね。
ルーフィは、その、めぐの異変にすぐに気づく。
同じ軌跡で追って来るエネルギー体は、魔法使い同士なら
雰囲気、で分かる。
「めぐちゃん。」と、ルーフィが言うので
わたしも気づいた。
でも....すこし座標がずれているみたい。
わたしたちの後を追っているにしても
宇宙船でも、コンピュータでもない。
渡来鳥のような、感覚と
あとは、魔方陣での座標設定が頼りだけど
わたしが失敗して、めぐの時空へ行ってしまったように
この時のめぐは、魔方陣を使わずに飛び出してしまった。
地図を持たずに航海してしまったのだ。
「どこへ行くんだろう」と、ルーフィは
めぐに話しかけようとしたが
時空間を移動している間は、言葉は通じない。
念じて告げるのだけれども
その方法を、まだ、めぐは覚えていなかった。
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