ふたりのMeg

深町珠

文字の大きさ
上 下
63 / 502

映画作家さん

しおりを挟む
映写技師さんは、クリスタさんと、めぐ、と見て



「よく似てらっしゃいますね。あの、お茶でもいかがでしょうか。」とか(笑)。


それまで、めぐの事を
図書館で時々、見かけてたのに。

そんな事を言った事はなかったから


彼の目的は、クリスタさんだろうか(笑)。

わかりやすい人である。



「あ、あの・・・・」と
クリスタさんは返答に困る。

天使さんだから、欲はない。
青年と付き合うつもりは全くない(笑)。
もちろん、元悪魔くん、いまはにゃご、を
ずっと見守るためである。


それが、天使さんの愛なのだ。


でも。


めぐは、いい子だけど

こんなにあからさまに、女の子を誘う
映写技師さんに、ちょっと・・・・(笑)。

ふたりだと誘いやすい、それもあるだろうけれども


クリスタさんは地上の天使さんだから
人間にとっては魅力的。でも
それは罪つくりである。

永遠に成就しない恋、なのだから。


ひょっとすると、にゃご、みたいに
転生すれば恋は叶うかもしれないが・・・・・。




好き嫌い


わりと、男の子の方が
女の子の好き嫌いを
恋愛について、言ったりする。

面白い傾向で
霊長類、つまり
人間のお友達くらいは
そういう雄が主体で

他の動物は、概ね
雌が選択権を持っているけれど
でも、来る雄の中から選択する。


つまり、人間は
それだけ、選択について
自由だ。





めぐはルーフィが好きなので
別段、映写技師さんが
クリスタさんに興味を持っても
なんとも思わない。



過去のいきさつについて、知らないのだから
当然である。


でも、そのいきさつを知っている

ルーフィとわたし、Megは、釈然としない(笑)。



「天使を誘惑するなんて。」

と、わたしが言うと、ルーフィは

「フレンチポップスのタイトルみたいだね」と笑う。


「冗談じゃないわよ、まったく。
こないだ、めぐを誘っておきながら。」




「それは、ほら、神様のせいで
無かったことになってるから」と
ルーフィ。



「それにしたって、軽いよ」と、わたし。


「だって、めぐちゃん自体が変わってしまってるんだもの。
最初から、あの、元気いっぱいの
台風娘なんだから。」と、ルーフィ。


「人柄は同じじゃない」
と、わたしは(怒)。




「ま、恋心なんて不条理なものさ」と
ルーフィは、シャンソンみたいに。
イヴ・モンタンの真似っぽく(笑)。



お気楽魔法使いめ(笑)。




映写技師さんは、映画鑑賞会を
開くつもりで、司書主任さんを
訪ねてきたらしい。


そのあたりは、めぐの最初の人生と
おんなじだ。


「どうしてなんだろう?」とわたしはつぶやく。



「まあ、同じ人間の考える事って
そんなには変わらないから。
魔物が関係ない映写技師さんは
ふつうに映画を作ってる。でも
めぐちゃんは、魔物に関わったから
見た目の雰囲気が少し変わった。
そのぐらいの事かな。クリスタさんが
ここに来るのは偶然だけどね。」と、ルーフィ。



「神様は、天使さんが人間界に
いる事をお許しになってるのかしら」
と、ふとわたしは思う。


「さあ」と、ルーフィ。

そして

「許さない、とすれば
何か起こるかもしれないね。」と。







まあ、そのあたりは
例えば、映写技師さんも
この世界に魔物が居なかったせいで
大胆になっているのかもしれなかった。


魔物が居た頃は、ひとの心にも魔物が棲んでいたから
女の子でさえ、自分を偽って高く売ろう、そんな世界だった。

女の子雑誌の恋愛コーナーを見ると


「お金持ちでイケメンの彼をゲットする方法」(笑)

とか、つまりは人騙し(笑)の手法ばかりが書かれていたりした。



まあ、悪い大人が書いてたんだけど。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

大自然の魔法師アシュト、廃れた領地でスローライフ

さとう
ファンタジー
書籍1~8巻好評発売中!  コミカライズ連載中! コミックス1~3巻発売決定! ビッグバロッグ王国・大貴族エストレイヤ家次男の少年アシュト。 魔法適正『植物』という微妙でハズレな魔法属性で将軍一家に相応しくないとされ、両親から見放されてしまう。 そして、優秀な将軍の兄、将来を期待された魔法師の妹と比較され、将来を誓い合った幼馴染は兄の婚約者になってしまい……アシュトはもう家にいることができず、十八歳で未開の大地オーベルシュタインの領主になる。 一人、森で暮らそうとするアシュトの元に、希少な種族たちが次々と集まり、やがて大きな村となり……ハズレ属性と思われた『植物』魔法は、未開の地での生活には欠かせない魔法だった! これは、植物魔法師アシュトが、未開の地オーベルシュタインで仲間たちと共に過ごすスローライフ物語。

追放令嬢の叛逆譚〜魔王の力をこの手に〜

ノウミ
ファンタジー
かつて繁栄を誇る国の貴族令嬢、エレナは、母親の嫉妬により屋敷の奥深くに幽閉されていた。異母妹であるソフィアは、母親の寵愛を一身に受け、エレナを蔑む日々が続いていた。父親は戦争の最前線に送られ、家にはほとんど戻らなかったが、エレナを愛していたことをエレナは知らなかった。 ある日、エレナの父親が一時的に帰還し、国を挙げての宴が開かれる。各国の要人が集まる中、エレナは自国の王子リュシアンに見初められる。だが、これを快く思わないソフィアと母親は密かに計画を立て、エレナを陥れようとする。 リュシアンとの婚約が決まった矢先、ソフィアの策略によりエレナは冤罪をかぶせられ、婚約破棄と同時に罪人として国を追われることに。父親は娘の無実を信じ、エレナを助けるために逃亡を図るが、その道中で父親は追っ手に殺され、エレナは死の森へと逃げ込む。 この森はかつて魔王が討伐された場所とされていたが、実際には魔王は封印されていただけだった。魔王の力に触れたエレナは、その力を手に入れることとなる。かつての優しい令嬢は消え、復讐のために国を興す決意をする。 一方、エレナのかつての国は腐敗が進み、隣国への侵略を正当化し、勇者の名のもとに他国から資源を奪い続けていた。魔王の力を手にしたエレナは、その野望に終止符を打つべく、かつて自分を追い詰めた家族と国への復讐のため、新たな国を興し、反旗を翻す。 果たしてエレナは、魔王の力を持つ者として世界を覆すのか、それともかつての優しさを取り戻すことができるのか。 ※下記サイトにても同時掲載中です ・小説家になろう ・カクヨム

外れスキルで始める、田舎で垂れ流しスローライフ!

Mr.Six
ファンタジー
「外れスキル」と嘲笑され、故郷を追放された青年リクト。彼の唯一のスキル「垂れ流し」は、使うと勝手に物が溢れ出すという奇妙な能力だった。辿り着いたのは、人里離れた小さな村。荒れた畑、壊れかけの家々、そしてどこか元気のない村人たち。 役立たずと思われていたスキルが、いつしか村を救う奇跡を起こす。流れ出る謎の作物や道具が村を潤し、彼の不器用ながらも心優しい行動が人々の心を繋いでいく。畑を耕し、収穫を喜び、仲間と笑い合う日々の中で、リクトは「無価値なスキル」の本当の価値に気付いていく。 笑いと癒し、そして小さな奇跡が詰まった、異世界スローライフ物語!

【完結】傷モノ令嬢は冷徹辺境伯に溺愛される

中山紡希
恋愛
父の再婚後、絶世の美女と名高きアイリーンは意地悪な継母と義妹に虐げられる日々を送っていた。 実は、彼女の目元にはある事件をキッカケに痛々しい傷ができてしまった。 それ以来「傷モノ」として扱われ、屋敷に軟禁されて過ごしてきた。 ある日、ひょんなことから仮面舞踏会に参加することに。 目元の傷を隠して参加するアイリーンだが、義妹のソニアによって仮面が剥がされてしまう。 すると、なぜか冷徹辺境伯と呼ばれているエドガーが跪まずき、アイリーンに「結婚してください」と求婚する。 抜群の容姿の良さで社交界で人気のあるエドガーだが、実はある重要な秘密を抱えていて……? 傷モノになったアイリーンが冷徹辺境伯のエドガーに たっぷり愛され甘やかされるお話。 このお話は書き終えていますので、最後までお楽しみ頂けます。 修正をしながら順次更新していきます。 また、この作品は全年齢ですが、私の他の作品はRシーンありのものがあります。 もし御覧頂けた際にはご注意ください。 ※注意※他サイトにも別名義で投稿しています。

子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!

八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。 『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。 魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。 しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も… そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。 しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。 …はたして主人公の運命やいかに…

悪女として処刑されたはずが、処刑前に戻っていたので処刑を回避するために頑張ります!

ゆずこしょう
恋愛
「フランチェスカ。お前を処刑する。精々あの世で悔いるが良い。」 特に何かした記憶は無いのにいつの間にか悪女としてのレッテルを貼られ処刑されたフランチェスカ・アマレッティ侯爵令嬢(18) 最後に見た光景は自分の婚約者であったはずのオルテンシア・パネットーネ王太子(23)と親友だったはずのカルミア・パンナコッタ(19)が寄り添っている姿だった。 そしてカルミアの口が動く。 「サヨナラ。かわいそうなフランチェスカ。」 オルテンシア王太子に見えないように笑った顔はまさしく悪女のようだった。 「生まれ変わるなら、自由気ままな猫になりたいわ。」 この物語は猫になりたいと願ったフランチェスカが本当に猫になって戻ってきてしまった物語である。

母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)

いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。 全く親父の奴!勝手に消えやがって! 親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。 俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。 母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。 なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな? なら、出ていくよ! 俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ! これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。 カクヨム様にて先行掲載中です。 不定期更新です。

転生したらチートすぎて逆に怖い

至宝里清
ファンタジー
前世は苦労性のお姉ちゃん 愛されることを望んでいた… 神様のミスで刺されて転生! 運命の番と出会って…? 貰った能力は努力次第でスーパーチート! 番と幸せになるために無双します! 溺愛する家族もだいすき! 恋愛です! 無事1章完結しました!

処理中です...