ふたりのMeg

深町珠

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天使さんの願い

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みんながしあわせになって
しあわせな気持ちになれる。

それが、天使さん。

「みんなに、しあわせになって
いただきたいのです」


と、天使さん、今は人間の姿をしているけれど。

こころは、天使さんのまま。



「自分はどうするんだ?天から落ちたってことだろ」と、にゃごは
猫の姿のまま。



天使さんは、静かに微笑む。
「わたしは、じゅうぶんしあわせです。



めぐさんが、あなたが。
それでしあわせになってくださるのなら。」



にゃごは、沈黙した。


人間の姿になっても、天使は天使だな。

そんな風に思った。

見た目は、あの、めぐ、って娘に
似てるが(笑)。
ちょっと、浮世離れしてるあたりは
やっぱ天使だな、なんて
にゃごは、自分が
猫の姿をしている元悪魔くんだ、って事を
忘れている(笑)。







そんないきさつを知らない、わたしたちは


ルーフィの屋根裏部屋から降りてきて。

彼女、元天使さんに遭遇。



穏やかに微笑む、元天使さんは
「こんばんは」。

わたしも、ルーフィもどっきり。


「驚いたわー、めぐかと思った。」



「転生なさったのですか?」と、ルーフィ。


天使さんは、いいえ、と
かぶりを振り「天使を辞めた、と
神様にはお伝えしました。
でも、お許しは頂いておりませんから・・・・・天使でもなく、人間でもない、
そんなところでしょうか。


めぐに似ているのは、ずっと、めぐに宿っていたせいもあるかも。


経験してきたことで、人間って変わるものだし。



わたしは、めぐの3年後だけれども
違う世界に生きているから
やっぱり、なんとなく違う。

そんな風に、わたしは、ちょっと
天使さんと、めぐの境遇を羨んだ。

神様が粛清してくださるなんて。



天使さん・・・・あ、そうだ。


「天使さん、お名前はなんておっしゃるの?」と、わたしは
初めてその事に気づいた(笑)


「あ、そうですね・・・・crysta、と
呼んでくださいますか?」

ふんわりとした表情で、そう告げられると


ほんとうは、天使さんって
長ーい名前があるんだろうな、
なんて。

美術館でみた、レンブラントの絵画を


わたしは連想した。




「めぐ」


2階の吹き抜けでお話してたら
お部屋から、めぐが出てきて。

天使さんの姿を見て、また、びっくり。


雰囲気は天使さんだけど、だって
めぐにそっくりだもん(笑)。



「いままで、ごめんなさい・・・・・と言っても、ご存知ないかしら。
わたしは、あなたのrular、です」


めぐは、それにまた驚いて



「ルーラー、って、星占いだと守護星の事だけど・・・あなたが、わたしの守護神さん?」


こないだまで、星占いの本を読んでたから(笑)。


はい、と
天使さんは、にっこり。


ステキだー、って
めぐは、天使さん、いまはクリスタさんに駆け寄って。手を取った。

並んでると、少しだけ
クリスタさんは、めぐよりお姉さんみたい。

髪型もふんわりで、さっぱりショートカットのめぐとは、ちょっと違う。



でも、なんとなく似てる。



「いいなぁ。ステキなルーラーがいて」って、わたしはため息(笑)。



「僕もそう思う」って、ルーフィ(笑)。

わたしにも、いるの?ルーラー、って。




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