289 / 361
夢見る天使さん
しおりを挟む
でも・・・まゆまゆの空想する「未来のお婿さん」と言うか
ボーイ・フレンドも、よくイメージできない。
「なんでだろ?」と、思いながらも・・・。
列車は進む(^^)。
鹿児島本線、下り。
夕方の熊本駅を、急行「球磨川4号」は、走って行く・・・。
ダイヤ通りなら、6時過ぎには人吉に着くだろう。
「裕子さんは、人吉から折り返しですか?」
と、まゆまゆ。
裕子は「そう。これの折り返し」
殆どカラに近い、上りだが。
そういう乗務は、楽だ(^^)。
「運転に行くんですか?」
と、まゆまゆ。なんとなく。
裕子は「そう。だって、車掌よりいいよー。客扱いしなくていいし。
鉄道だから事故はまあないし」
と、平然と言う。
まゆまゆは「そうかな・・・」と思うけど
そうかもしれない、なんて思ったりもした。
お兄ちゃんみたいになれるかもしれない。
そんな思いも少しは、あったかも(^^)。
・
・
・
特急「ゆふDX」は、大分駅を定刻に発車。
5番線ホームには、先刻着いた赤い客車列車。
ディーゼル機関車が引いていて。
来るときに乗った、と友里絵が言って、喜んでいた。
愛紗にとっては懐かしい、客車列車だけど
神奈川ではまあ、見ることはない。
寝台特急は通るけど、普通列車で客車、と言うのは。
とても珍しかった。
すれ違うように6番線から。
右手には、留置線。沢山の電車や客車が一杯。
その中には、これから東京へ行くブルー・トレイン「富士」の付属編成もあった。
鹿児島からくる本編成7両の後ろに、この7両を連結するのだった。
☆のマークの個室寝台。
愛紗は「ああ、帰る時が近づいたんだな」と・・・・旅愁に駆られる。
不思議なもので、まだ2日もあるのに。
2泊三日の旅なら、これから始まるくらいのスケジュール。
帰る旅って、どうして淋しいんだろな。
そんなことを思いながら。スレートの機関庫の横を通り過ぎた。
DE10や、ED76が姿を見せている。
工事用のディーゼルカーが、黄色く塗られて留置されている。
右カーブを、ゆっくり揺れながら「ゆふDX」は、私鉄のような狭い線路脇を
すり抜けるように走っていく。
制限45!
と、運転士は二階の、見晴らしのよい運転台で、標識を指差し確認している。
友里絵が「さかまゆちゃんの妹もバレー部なんだって」と、パティに。
パティは「うん、知ってるよー。」と、にこにこ「国鉄に入ったらバレー部だな」
さかまゆちゃんは「奈緒美は来ないでしょう。国鉄向きじゃないもの」と。
ともちゃん「賢い子だもんね。大学行くんじゃない?」
友里絵「じゃ、大卒=>国鉄で、バレー部のエースふたり!」
菜由「アタック25!」
由香「それはクイズだよーん」
ハハハ、とみんな笑って。
愛紗が「ナンバー1でしょ」
友里絵が「**X攻撃!」
由香「**を付けるなって」
友里絵「ハハハ。」
菜由「それは、違う番組だってば」
さかまゆちゃん「いなずまサーブ!!!って、わたしも中学の時に
やりました。」
友里絵は「うん、上手かったもの、さっき」
ともちゃん「ホントにいなづまになるの?」
さかまゆちゃん「なんないなんない」と、首振って。
「ゆふDX」は、少しづつ市街地を離れて。
賀来、なんていう駅を通り過ぎる。
大きな博物館のような建物が見えて。
パティは、静かにおねむ・・・・。
友里絵は「あ、寝てる」
白い肌、ブロンドの髪、ふわふわ。
長いまつげ。
すっきりした、おはな。
きゅっとした唇。
思わず、唇を寄せたくなる。
由香は「天使みたい」
友里絵は笑いそうになっちゃうけど、天使さんが起きちゃうので・・・
「しー。」
菜由は「朝、早いからなぁ・・・。」
・
・
・
少し暗くなってきて・・・
「うー、さぶっ」と、恵は自室、タワーマンションの7階の部屋で
目が覚めた。
ひなたぼっこしてて、寝てしまったのだった(^^)。
♪これじゃ体にいいわけないよ♪(^^;とか歌いながら。
「なんか食うかな」と、冷蔵庫を見たり。
「・・・・・X。」
便所に駆け込んだ。
・・・・じょぼじょぼ、じょぼっ。(^^;
気楽である。
「ふー。やっぱいいね、ひとりは」
同棲、なんてメンドいものを
どうしてしたがるのか、理解不能な恵だった。
「結婚もそうだけどサ」
なりたくても、なれない車掌職。
なのだから、そんなメンドクサイものの為に
職を捨てる気にもなれなかった。
「それが本音・・・まあ、歳取って辛くなったら、働かないで食っていける
主婦もいいかもしれないけど・・・」
なんか、そんな日は来ないような気もしている。
それくらい、車掌の仕事は魅力があるのだ。
ボーイ・フレンドも、よくイメージできない。
「なんでだろ?」と、思いながらも・・・。
列車は進む(^^)。
鹿児島本線、下り。
夕方の熊本駅を、急行「球磨川4号」は、走って行く・・・。
ダイヤ通りなら、6時過ぎには人吉に着くだろう。
「裕子さんは、人吉から折り返しですか?」
と、まゆまゆ。
裕子は「そう。これの折り返し」
殆どカラに近い、上りだが。
そういう乗務は、楽だ(^^)。
「運転に行くんですか?」
と、まゆまゆ。なんとなく。
裕子は「そう。だって、車掌よりいいよー。客扱いしなくていいし。
鉄道だから事故はまあないし」
と、平然と言う。
まゆまゆは「そうかな・・・」と思うけど
そうかもしれない、なんて思ったりもした。
お兄ちゃんみたいになれるかもしれない。
そんな思いも少しは、あったかも(^^)。
・
・
・
特急「ゆふDX」は、大分駅を定刻に発車。
5番線ホームには、先刻着いた赤い客車列車。
ディーゼル機関車が引いていて。
来るときに乗った、と友里絵が言って、喜んでいた。
愛紗にとっては懐かしい、客車列車だけど
神奈川ではまあ、見ることはない。
寝台特急は通るけど、普通列車で客車、と言うのは。
とても珍しかった。
すれ違うように6番線から。
右手には、留置線。沢山の電車や客車が一杯。
その中には、これから東京へ行くブルー・トレイン「富士」の付属編成もあった。
鹿児島からくる本編成7両の後ろに、この7両を連結するのだった。
☆のマークの個室寝台。
愛紗は「ああ、帰る時が近づいたんだな」と・・・・旅愁に駆られる。
不思議なもので、まだ2日もあるのに。
2泊三日の旅なら、これから始まるくらいのスケジュール。
帰る旅って、どうして淋しいんだろな。
そんなことを思いながら。スレートの機関庫の横を通り過ぎた。
DE10や、ED76が姿を見せている。
工事用のディーゼルカーが、黄色く塗られて留置されている。
右カーブを、ゆっくり揺れながら「ゆふDX」は、私鉄のような狭い線路脇を
すり抜けるように走っていく。
制限45!
と、運転士は二階の、見晴らしのよい運転台で、標識を指差し確認している。
友里絵が「さかまゆちゃんの妹もバレー部なんだって」と、パティに。
パティは「うん、知ってるよー。」と、にこにこ「国鉄に入ったらバレー部だな」
さかまゆちゃんは「奈緒美は来ないでしょう。国鉄向きじゃないもの」と。
ともちゃん「賢い子だもんね。大学行くんじゃない?」
友里絵「じゃ、大卒=>国鉄で、バレー部のエースふたり!」
菜由「アタック25!」
由香「それはクイズだよーん」
ハハハ、とみんな笑って。
愛紗が「ナンバー1でしょ」
友里絵が「**X攻撃!」
由香「**を付けるなって」
友里絵「ハハハ。」
菜由「それは、違う番組だってば」
さかまゆちゃん「いなずまサーブ!!!って、わたしも中学の時に
やりました。」
友里絵は「うん、上手かったもの、さっき」
ともちゃん「ホントにいなづまになるの?」
さかまゆちゃん「なんないなんない」と、首振って。
「ゆふDX」は、少しづつ市街地を離れて。
賀来、なんていう駅を通り過ぎる。
大きな博物館のような建物が見えて。
パティは、静かにおねむ・・・・。
友里絵は「あ、寝てる」
白い肌、ブロンドの髪、ふわふわ。
長いまつげ。
すっきりした、おはな。
きゅっとした唇。
思わず、唇を寄せたくなる。
由香は「天使みたい」
友里絵は笑いそうになっちゃうけど、天使さんが起きちゃうので・・・
「しー。」
菜由は「朝、早いからなぁ・・・。」
・
・
・
少し暗くなってきて・・・
「うー、さぶっ」と、恵は自室、タワーマンションの7階の部屋で
目が覚めた。
ひなたぼっこしてて、寝てしまったのだった(^^)。
♪これじゃ体にいいわけないよ♪(^^;とか歌いながら。
「なんか食うかな」と、冷蔵庫を見たり。
「・・・・・X。」
便所に駆け込んだ。
・・・・じょぼじょぼ、じょぼっ。(^^;
気楽である。
「ふー。やっぱいいね、ひとりは」
同棲、なんてメンドいものを
どうしてしたがるのか、理解不能な恵だった。
「結婚もそうだけどサ」
なりたくても、なれない車掌職。
なのだから、そんなメンドクサイものの為に
職を捨てる気にもなれなかった。
「それが本音・・・まあ、歳取って辛くなったら、働かないで食っていける
主婦もいいかもしれないけど・・・」
なんか、そんな日は来ないような気もしている。
それくらい、車掌の仕事は魅力があるのだ。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
悪意か、善意か、破滅か
野村にれ
恋愛
婚約者が別の令嬢に恋をして、婚約を破棄されたエルム・フォンターナ伯爵令嬢。
婚約者とその想い人が自殺を図ったことで、美談とされて、
悪意に晒されたエルムと、家族も一緒に爵位を返上してアジェル王国を去った。
その後、アジェル王国では、徐々に異変が起こり始める。
私の隣は、心が見えない男の子
舟渡あさひ
青春
人の心を五感で感じ取れる少女、人見一透。
隣の席の男子は九十九くん。一透は彼の心が上手く読み取れない。
二人はこの春から、同じクラスの高校生。
一透は九十九くんの心の様子が気になって、彼の観察を始めることにしました。
きっと彼が、私の求める答えを持っている。そう信じて。
坊主頭の絆:学校を変えた一歩【シリーズ】
S.H.L
青春
高校生のあかりとユイは、学校を襲う謎の病に立ち向かうため、伝説に基づく古い儀式に従い、坊主頭になる決断をします。この一見小さな行動は、学校全体に大きな影響を与え、生徒や教職員の間で新しい絆と理解を生み出します。
物語は、あかりとユイが学校の秘密を解き明かし、新しい伝統を築く過程を追いながら、彼女たちの内面の成長と変革の旅を描きます。彼女たちの行動は、生徒たちにインスピレーションを与え、更には教師にも影響を及ぼし、伝統的な教育コミュニティに新たな風を吹き込みます。
晩夏光、忘却の日々
佐々森りろ
青春
【青春×ボカロPカップ】エントリー作品
夕空が、夜を連れて来るのが早くなった。
耳を塞ぎたくなるほどにうるさかった蝉の鳴く聲が、今はもう、しない。
夏休み直前、彼氏に別れを告げられた杉崎涼風は交通事故に遭う。
目が覚めると、学校の図書室に閉じ込められていた。
自分が生きているのか死んでいるのかも分からずにいると、クラスメイトの西澤大空が涼風の存在に気がついてくれた。
話をするうちにどうせ死んでいるならと、涼風は今まで誰にも見せてこなかった本音を吐き出す。
大空が涼風の事故のことを知ると、涼風は消えてしまった。
次に病院で目が覚めた涼風は、大空との図書室でのことを全く覚えていなかった……
孤独な涼風と諦めない大空の不思議で優しい、晩夏光に忘れた夏を取り戻す青春ラブストーリー☆*:.。.
間隙のヒポクライシス
ぼを
青春
「スキルが発現したら死ぬ」
自分に与えられたスキルと、それによって訪れる確実な死の狭間で揺れ動く高校生たちの切ない生き様を描く、青春SFファンタジー群像劇。「人の死とは、どう定義されるのか」を紐解いていきます。
■こだわりポイント
・全編セリフで構成されていますが、なぜセリフしかないのか、は物語の中で伏線回収されます
・びっくりするような伏線を沢山はりめぐらしております
・普通のラノベや物語小説では到底描かれないような「人の死」の種類を描いています
・様々なスキルや事象を、SFの観点から詳細に説明しています。理解できなくても問題ありませんが、理解できるとより楽しいです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる