タビスルムスメ

深町珠

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ドシン★

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友里絵は「ほら、釣りでさー、サバ釣りに行って、イナダが釣れるとか。
そういう時外道って言うのね」

楽しそう。

由香「お!漁師!」と、囃す。


愛紗は、お布団敷きながら「うん、あったね。そういうの」
にこにこ。


和室の座卓を壁に立てておいて
「夜中に倒れてゴン!」とかなしよ」と、菜由。

「危ない危ない。そう言って復習しようと」と、友里絵。

「復讐だよ、ホントダメだなぁ国語」と、由香。


「利便時か」と、友里絵。

菜由「それはリベンジ」と、ドヤちゃん顔(^^)。

友里絵「知ってたよ」

愛紗「さ、寝よ寝よ。なんか疲れた」と。
もってきたふんわりパジャマに。

友里絵「それ、かわいいね」と(^^)。


由香「かわいー、って抱きつかないのか」真由美ちゃんの時を思い出して。


友里絵は「だってでっかいもん」と、笑顔で。


愛紗「そう。だから、中学の時も男の子からはモテなくて。
よかったけど。うるさくなくて」


友里絵「あーるねー。怖いよね、アレ」

由香「わかるわかる」

友里絵「由香が守り神だったもんね。感謝感謝」

菜由「友情の証」

友里絵・由香「バローム、クロース!」

と行って、腕を重ねた。

菜由「なつかしいね」弟が見てたっけ。夕方。

友里絵「まあ、由香は怒ると怖いから。魔人バンダーみたいになって」


由香「正義の人。青島刑事」

菜由「出たな」

友里絵「ハマの大魔神」

由香「それは違うだろ。まあ、ハマには近いけどさ。九州より」


「横浜市って広いから。青葉区とか、港北区って
ほとんど田舎だよ。海ないし。」と、友里絵。

由香「ああ、タマちゃん住んでたって言ってたもんね」

菜由「いろんなところに出没してるな」

由香「あなたの街の宣伝部長!出没!」

友里絵・由香「アド町っく天国!」

菜由「決まったね」

愛紗「まだやってるのかな、あれ」

菜由「さあ・・・・。」

友里絵「見たこと無いもんね、TVなんて。ガイドになってから」

由香「あー、思い出しちゃった。帰るとまた、あの生活かー。」


菜由「結婚すれば」


友里絵「でも相手がなー。」と、思案顔。

由香「タマちゃんでいいじゃん・・・・あ!そうだ!真由美ちゃんのお兄ちゃん!」


友里絵「いいねー。かっこいいもんね。あんな旦那さんなら。」

菜由「そうだね。いい感じ。いつも家にいないだろうし。」

愛紗「いつも一緒に居るってのもね・・・」

友里絵「あたしはいいなー。タマちゃんでも、あのお兄ちゃんでも」

由香「いーかげんなヤツ」

友里絵「これでいいのだ」

菜由「バカボンのパパか」

愛紗は「そう!これでいいのだ!」


菜由「妙に強く言うね」


愛紗は「そう。もう。くよくよしないの!あたしは。変わるの」


由香「かーっこいい!」








同じ頃・・・・人吉、日光さんのお家。

恵と真由美ちゃんは、すやすや。

寝つきがいいのも乗務員の条件。


恵は、夢を見た。

ウェディング・ドレスかなー、和式かなー。

「和式なんて、便器じゃないんだから」と、笑って。

そこで目が覚めた。


「あれ?」

見慣れない天井。

・・・・ここはどこ・・?・・・わたしはだれ・・・・?


今度はホントにわからない(笑)。


思い出す・・・・。


えーと・・・・昨日、乗務が終わって・・・・。

あ、そうか、酔っ払って。真由美ちゃんの家に転がり込んだんだった。

それで、思い出して。


真由美ちゃんのお兄ちゃんとの縁談(?)で。
それでウェディングの夢みたりした。


「まあ・・・お化けの夢よりはいいか」

ひっそり、静か。なーんも音がしない。


「・・・・なんか、ホントに出そうだな・・・。」



と、思うと、便所にいきたくなった(笑)。

薄暗いから、まあ、なんとか・・・。

と、思って。

そーっと、お布団を抜け出して。

障子をしずかに、しずかに。


畳みを這って。


障子を閉めて。

廊下で立ち上がろうとして。

浴衣の裾をふんずけて。


ドシン★


・・・廊下の木は硬いなぁ・・・

と、全身で感じた恵であった(笑)。


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