タビスルムスメ

深町珠

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高森トンネル

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・・・・バンドをしたのもお兄ちゃんと一緒。
ドラムを叩いていて、ヴォーカルに転向。
カントリーふうの、優しい楽曲を歌って。
ロックふうのレコードを作っても、発表しなかった。


・・・全部、カレンさんの意志じゃないこと。


リチャードお兄さんの意志なのかは解らないけど、ひとりで
好きなようにしたい、そういう気持もあったと思う。

・・・でも、お兄ちゃんが喜んでくれるなら、お父さんが喜んでくれるなら。
お母さんが・・・。


真由美ちゃんは、そんな風に思った。


自身の行く末も、まわりに気を使って
思い通りに出来ない。


「そんなことは、ないようにしたいな」

そう思う真由美ちゃんは、車掌、と言う仕事が

「まわり」ではなく
「安全運行」と言う目的、ちゃんときめられたもの。

その為にある事が、清々しく思えた。

それは、誰かの意志じゃなくて・・・。
「正義」なんだな。

それが、乗務員の仕事に魅かれる理由かもしれない。


・・・なんて、ね。(^^)。

思ったりした。





寝巻きにカーディガンと、かわいいスタイルで
離れに戻ってきた真由美ちゃん。

恵は、にっこり「さあ、寝ましょ」

真由美ちゃん「はい」


明日は、乗務だ・・・・。











かたや、KKR南阿蘇の友里絵たち・・・。

お風呂からあがって、のーんびり。


「あー、よくあったまったねぇ」と、由香。

「温泉、出るんだね」と、友里絵。

「この辺りは阿蘇山の上だから、出るね、どこでも」と、菜由。

愛紗は「九州全部がそうなんだって」



友里絵「全部が火山の上?」と。


由香「どかーん!」


友里絵「バンに近いひるー!」と、羽ばたくマネ、指差して。

菜由「なつかしいね」

愛紗「それはマンガでしょ。」


友里絵「そうそう・・あれって大人のマンガじゃなかったっけ」と、はてな顔。


菜由「クレージー・キャッツか」


由香「それはTV」


菜由「めんごめんご」


愛紗は、なんだかわからない(笑)。 「・・・あ、雨ふってきた」

窓のガラスに水滴・・・。

斜めに。

すぅっ。


すっ・・・。



「雨か・・・たまにはいいね」と、菜由。「洗濯物取り込まなきゃ、なんて・・・。」


由香は「あ!パンツパンツ!」

ランドリーに入れたまんま。


友里絵「オマエのフンドシなんて盗むかよ」と、笑う。


由香「まあ、ドロボーよけ」


菜由「・・・・なるほどコンビニエンス」


愛紗は「セブンイレブンね」



友里絵は、とてとてとて・・・・と。部屋から出て行って。

パンツ持って「あったよー」と。テーブルに投げた。


由香「こんなとこに投げて・・・まあ、女同士だからいいけど」


「おじょーさん、パンツ何色?」と、友里絵はヘン顔で。

由香「フンドシだよ、ばっきゃろー」って、受話器持つアクション。


「ははは、昔あったねそういうの」と、菜由。


愛紗「でも、フンドシって流行るかも・・。かっこいいし」


由香「そう?」と。ドヤ顔(^^)。


菜由は「便利だよね。作れるし。フリーサイズでしょ?太っても着れるし。
体に優しい」

友里絵「とはオバンの意見」と、笑う。

菜由「こりゃ」と友里絵に、紙くずを投げた。


由香「1歳しか違わないじゃん」


愛紗は「明日、雨だと・・・トンネル公園はなしね。結構歩くし」


菜由は「ひとり真面目なツアコン」


友里絵「とーんねるぬけーてー♪」と、ヘンな歌を歌う。


菜由は「抜けてないんだって、あそこ」


友里絵「菜由の?」


菜由「・・・あたしのじゃなくて、高森の」


友里絵「あたしの「あそこ」ってどこですかー」と、楽しそう。口を尖らせて、にこにこ。


菜由は、ぴょんと。
「オマエはー~~」と、友里絵の首を絞める(^^)。


由香「天罰天罰」

愛紗「ははは」と、明るく笑えるようになって・・・。

菜由は、よかったな、と・・・思った。


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