タビスルムスメ

深町珠

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この紋所が目に入らぬか!

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ネクターを飲んじゃった恵は、何か、香気を発する飲み物を
取り出して。

すこしづつ、ネクターの缶に入れて、飲み始めた。

「恵、さん・・?」静かになったなー、と思ったら。

その香気は、どうも・・・ウィスキーらしい(^^;


検札がやって来て。でも、顔見知りの車掌なので

「あ、ご苦労様です」と。敬礼だけ。


恵は、いい気持。お鼻も赤い。「うーぃっとぉ。真由美ちゃんも、のむーぅ?ホレ」と。
ポケットびんを取り出した(^^;

真由美ちゃんは「わたしはまだ未成年ですから」と。
恵は、真由美ちゃんの隣に来て「いーじゃない、いっしょにのもー。ねぇねぇ。あたしと。ね?




真由美ちゃんは「こういう癖があったとは・・・・と」ニガわらい。ははは。

廊下を歩いていく、暇そうなおじさんが「おー、きれいなお姉ちゃん、飲むか?一緒に」

と、からかう。
すると、恵は立ち上がって「これが目に入らぬか!」

取り出したのは、葵ならぬ菊のご紋の入った「鉄道巡査証」。

おじさんは、にこにこ笑って「どうも、すんずれいしました」と。敬礼して
とことこ。


恵は「はっはっは!正義は勝つのだ!」



・・・正義か?(^^;



と、また、シートに倒れ掛かるように座って。ネクターの缶に残った
カクテル(?)を、飲み始めた。

真由美ちゃんは「んもー、酔っ払いになるとは・・・。」(^^;


恵は「ん、あんたねー。夜の乗務になればいるよ、酔っ払いなんて!
予行演習、予行演習!」





・・・・そうか?(^^;





・・・・楽しい旅である(笑)。




「まいったなー・・・。」と、真由美ちゃんは
自分より大きい酔っ払い(^^;を
支えて、人吉駅に下りた。

球磨川7号は湯前ゆきなので
さっさと降りないと、出発してしまう。


「あー重たい。こら、恵!起きろ!」と、真由美ちゃんは
結構乱暴(笑)。

ベンチに転がして。

駅員を呼びに行った。

駅の事務室に入ったら

「あれ、真由美ちゃん?どしたの?」と、助役さん。

真由美ちゃんは「あのー、酔っ払いを連れてきて。重いんで運んでくれますか?」


助役さんは「酔っ払い?はいよ」と。

とことことこ・・・と。
地下道を潜って。車椅子を持ってきた(^^)。なるほど便利。


助役さんは、車椅子をからからから・・・。「あれ、この人・・・?」と、
恵を見て。


真由美ちゃんは「えへへ。まあ、今は非番なので」

助役さんは「ははは、あるなぁ・・・ストレス」と。

寝ちゃっている恵を車椅子に乗せて、エレベータへ。


「まったくもー。」と、お酒飲むとこうなるとは・・。

しょうがないから、家に電話して。お父さんに来てもらった(笑)。

ぐでんぐでんで、温泉もないだろうし。



お父さんは「お、美人だねぇ」と、寝てる恵を見て。

真由美ちゃんは「シラフなら・・・。」と。ニガわらい。

重たい恵を、よっこらせ、と。
クルマに乗せて。

ふたりかかりでも結構重い。寝てると。


いろいろな休日であった(笑)。








KKR南阿蘇のフロントで、友里絵は「毎日日曜だね」と、にこにこ。
由香は「いまのうちな」

友里絵は「そー言うことを言うな!」と。はたくまね。


愛紗がチェックインを済ませて。「2階、206」と、レリーフのキーホルダーのついた
シリンダー鍵を見せた。



友里絵は、フロントの脇にあるおみやげコーナーを見て
「綺麗な柄」と。藍染、みたいな生地のエプロンを見つけて。

首に掛けて「あなたー。ごはんよー」


由香は「はいはい」おままごとですかー。

友里絵は「ヌードで掛けたらセクシー」

菜由は「やめろって、こういうトコで言うの」

フロントの女の子たちが、くすくす。


友里絵は「面白かった?じゃねー。」と

とととと・・・と。
エプロンを元のとこに掛けて。

「じゃ、いこっか」。にこにこ。

2階なので、友里絵は階段で上がろうとした。

菜由は、フロントのとなりにあるエレベータを使おうとして。

友里絵は「あれ?・・なーゆー・・・・は。エレベータか」

由香も階段で。
愛紗は、菜由がひとりだと淋しいと思って
エレベータを待った。

とんとんとん、と・・。軽い足とりで階段を昇る。
階段は明るくて、ウォームトーン。クリーム色と、うすい桃色。
かわいらしい。

「ファンシーだぁ」と、友里絵。
由香は「そだね」

にこにこ。階段を昇ってきて。
2階、エレベータ・ホールのまん前は
マッサージ椅子が並んでいて「アダルティーだなぁ」と。由香は(^^;

大きなガラス窓の向こうは、鋸岳だ。


「ホントに鋸みたいだ」と、友里絵。
腰を落として、鋸引くマネ。

由香「腰を揺すると、なんかみたいだ」と。


友里絵は「こう?」と・・・股を開いて前後に(^^;


由香は「やーめろって。そういうの。!」と、言ってたら
エレベータが開いて、菜由と愛紗が下りてきて・・・

「なにやってるの?」と、愛紗。

友里絵は「あ、いやいや、体操」

由香は「ラジオ体操第一ぃ~!」

友里絵は、ぴょんぴょん。

菜由は「なんか、自然になるね、アレ」

友里絵は「はっはっは!オロカモノメ」
両手を腰に当てて、仁王立ち。

由香は「デロリンマンか」
笑う。

菜由「なにそれ?」

愛紗は「さ、お部屋いこっか」
にこにこ。・・・デロリンマンって、なんだろ?


菜由は「デロリンマンってなに?」

友里絵は「デロリーンってしてるんでしょ、マンが」

菜由「・・・・・。」

由香は「・・・あ、いいのか。manだもんな」


友里絵は「はっはっはっ。菜由はデロリンマン?」

菜由は「具合はいいらしいよ」

愛紗「・・・・・。」


友里絵「はっはっは!」

由香「月光仮面かい」

友里絵「そういえば、日光仮面はどうしてるかな?」

由香「それで思い出すかなぁ」



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