タビスルムスメ

深町珠

文字の大きさ
上 下
223 / 361

中華三昧

しおりを挟む
「卵が揚げてあるのがユニークぅ」と、友里絵は
お箸でつまんで。

由香は「二つ取るなよ」

友里絵は「わーってるって。」

真由美ちゃんは「お箸で取り易くなってるのかな」
と。割り箸でつまんで。

菜由は「そうかもね」と、白菜を食べながら。
しゃきしゃき。いい音。

愛紗は、春雨をつるつる。

「美人ウエイトレスさんと、お友達なのかな」


友里絵は「違うみたい。でも、お友達は一杯いるみたいよ。
熊本にも。肥後大津にもって。」と、おつゆを、れんげで。

「あ、そうそう。そのウエイトレスさんは、おかーさんが一目ぼれで。」


菜由「へー。お母さんと一緒なんだ」


友里絵は「そう。お母さんが旅好きなんだって。それで、行きたいところに
行ってあげるんだって。」


真由美ちゃんは「優しい方なんですね」



由香は「そうみたいね。お母さんだけじゃなくて、みんなに。」


友里絵は「太平燕ってさ、燕の巣だったのかな、元々」

由香「だーったらさ、相当高級料理だ」と。味わいながら・・と言うか
さらさらと食べている。

「割と濃厚だね」



愛紗は「その割に、さっぱり感」と、きくらげをつまんで。



真由美ちゃんは「燕の巣、取られちゃったらかわいそうですものね」


友里絵は「優しいなぁ。」と、にこにこ。


真由美ちゃんは「えへ」と、にっこり。


そのうちに、小籠包、茹で餃子、麻婆豆腐、春巻と。

いっぱい。


愛紗は「食べ切れるかしら」と、ちょっと不安顔。


由香は「大丈夫大丈夫。友里絵が食うって、余ったら」


友里絵は「ハイ!余ったらね」と、回転台に乗ったお料理を。

小籠包をひょい。「このねー。おつゆがいいのね」と。
中にある、おつゆが出ないようにと。
小さなおわんで食べている。
「こぼれちゃうのね、どうしても」

菜由は「肉まんみたいね」と。

友里絵は「あ、食べてねー。取り皿は人数分あるからー。」と。
こういう中華は、ふつー、そう。


真由美ちゃんは、慣れているのか
ちょこっと食べて。「おつゆ、熱いですから気をつけて下さいね」

由香は「よく来るの?」


真由美ちゃんは「たまーに、かな。お兄ちゃんが熊本でお休みの時に
たまたま私が熊本でA勤務の終わり、なんて時に」


菜由は「優しいお兄ちゃんだね」と、にこにこ。


真由美ちゃんは「はい」と、にっこり。


友里絵は「お兄ちゃんも国鉄だとさ、鉄道電話で話したりして」

真由美ちゃん「それはないですね。携帯電話ありますから」



由香「鉄道電話?」

友里絵「あるじゃん、踏み切りの警報機の横に、黒い箱があって。
「電話」って書いてあって。
開けると、電話が入ってて。」と、春巻きを一つまみ。

ぱりぱり。「うーん、おいひー。あつあつ」


由香は「それで聞こえたの?」と、茹で餃子を取ろうとするけれど
つるつる滑る。
「あ、これ、このやろ」と、お箸で追っかけて。(^^)。


友里絵「あー、もしもしー、あれ?だれもデンワ」と、受話器を持つマネ。

菜由「ははは、言うと思った」


真由美ちゃんは「ハンドル回すと出ると思います」と。太平燕をきれいに食べて。


菜由は「へー、そうなんだ。村の電話みたい」


愛紗「あったね。交換手さんがつないでくれるの。村内だけ。村の外は
頼むのね。「北郷おねがいしまーす」とか」と。
にこにこ。麻婆豆腐を取り分けて。
「冷めないうちに」
と、みんなに。


由香「愛紗は優しいなー。すこし見習え、友里絵!勝手に食い散らかしおって。
懺悔じゃ」と、×印を、両手で。


友里絵「それ、懐かしいね。お湯が落ちてくるの」


真由美ちゃん「あー、見てました。たまーに、たらいが落ちてきて。痛そーって。」
にこにこ。


菜由は「たらいは痛いよねー。いい音しただろね」と。麻婆豆腐を頂きます、と。
小鉢で。


友里絵は「学校の給食で麻婆豆腐、作ったら。
1000丁くらいいるだろね」と。


由香「もっと要るんじゃない」


友里絵は、いたずらっぽく「じゃ、10倍だと幾つ?はい。日生さん!」


愛紗は「え、あたし・・・?一万丁」


友里絵は「一_万丁」?


由香は「アホ」と、友里絵をしばく。

真由美ちゃんもくすくす。
何がネタなんだか、分かっていない(^^)。


そうそう、地方によって呼び名も違うから。


菜由は「お兄ちゃん、今日の勤務解放は鹿児島?」

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

あの夏の歌を、もう一度

浅羽ふゆ
青春
 中学二年生の朝丘蛍は、ある日父親から転勤でこの町を引っ越さなければ鳴らない事を告げられる。  引っ越し先は「ど」が付く程田舎の村で、家は平屋。  何故か意気揚々と荷物を開ける父をよそに蛍は何とも言えない居心地の悪さを感じていた。  一学年一クラスという小さな学校だったが、転校初日からやたらと絡んで来る隣の席のカズや、その幼なじみのユキを初め、過干渉なクラスメイトのおかげで変に外れる事無く、すんなり馴染む事が出来た。  そうして都会と田舎の違いにカルチャーショックを受けながらも何とか毎日を過ごしていた蛍は八月の終わりに村を上げてのお祭りがある事。そして、蛍の学年はそこで伝統の合唱を披露する事を知る。  クラスで唯一ピアノを弾ける蛍は伴奏に抜擢され、カズは指揮者に抜擢されるがーーーー?  ―ーーー失ったものをとりもどすための夏が、今はじまる。

神様、僕は恋をしました

みつ光男
青春
これは神様、きっと恋愛の神様が仕組んだ試練だ 神様、僕は恋をしてしまったじゃないか… 音楽のこと以外興味がない冴えない高校2年生、高科翔成 当然ながら恋愛に関してもさほど興味はないが ある日突然目の前に現れた美人店員“ながのさん”によって その退屈な毎日が一変する。 初めて誰かを好きになる気持ちを教えてくれた“ながのさん” 彼女と少しずつ縮まる距離、 彼は自分の想いを伝えることが出来るのだろうか?

ぶどうの恋は実らない。

徳田杏
青春
武道遥(ぶどう はるか)は、幼少期の深いトラウマから女性恐怖症を抱えており、目を合わせることも、触れることもできない。 高校1年生の頃、彼は青果花高校に通信教育で通いながら、孤独な日々を送っていた。 しかし、ある日、青果花高校に通う予定の中学生・麻平桃(あさひら もも)と偶然出会う。 桃は、遥にとって特別な存在となる。彼女の存在が、遥の心に少しずつ変化をもたらしていく。 桃の後押しと家族の支援を受け、遥は高校2年生の進学のタイミングで、青果花高校に通学することを決意する。 遥が配属された2年1組は、個性豊かな生徒たちが集まる特別なクラスだった。 そこでは、過去に様々な事情を抱えた6人の生徒たちが、互いに支え合いながら青春を取り戻すために努力している。 遥もまた、女性恐怖症を克服しようと決意し、クラスメイトたちと共に成長していく。 悩みや過去を乗り越え、少しずつ心を開きながら、遥は自分自身を再発見していく。 そして、彼が踏み出す新たな一歩が、どんな未来を切り開くのか——。 青春と恋が交錯する中で、遥の物語は、成長と共に進んでいく。

姉の小さな手

風城国子智
青春
現代を舞台にした掌編小説。 大学生の徹は、社会人の姉の小さな手に想いを寄せる。 ※セルバンテス掲載済。

感情喪失少女

紗霧 鈴
青春
幼稚園の時出会った少女“菓子餅夢李(かしもち ゆい)” 皆のアイドル的な存在の夢李。 そんな彼女が僕に話しかける理由とは? 理由も分からぬまま、彼女は小学校から別れてしまう… そんなある日再会したのは中学時代!? 彼女の感情を無くして変わり果てた姿に…!? 「私、理由があって感情なくしてるんだよね」 信じられない言葉に僕は…?

真っ白だった俺を色付けた君は儚い

mock
青春
高校を中退し、コンビニでバイトをする高野浩二。 その日が淡々と過ぎれば…といった感覚で毎日を過ごしていた。 そんなある日、バイト中に客として入ってきた女子高生、小野恭子。 日々の勉強疲れからいけないと思いつつも万引きをしようとしてしまう。 だが、そんな行為を浩二に見つかってしまう。 自堕落に過ごしていた浩二は一丁前に説教をしだすが、話していく内に恭子のことがどこか気になり始めて…。

打ち抜きレッドライン〜平々凡々な僕と噂のビッチゲーマーが大会Lv.99へ挑戦する〜

どっぽは苦手なんだ
青春
近未来、没入型VRゲームが流行する時代。主人公、山田健一は平々凡々な大学生。その日常は活気もなく、バイトと学業が中心だった。そんな彼の生活は、喫煙所で出会った後輩に話しかけられたことで一変する。 学年を飛び越え、様々な男を連れ込むビッチと噂のある女。周囲は冷ややかな視線を向けていたが、実際にはゲームに情熱を注ぐ繊細な少女であることを誰も知らなかった。彼女の願いは名が残る大会で「実績」を残すこと。 この物語は、愛と友情、挫折と成功、努力の結果を描いた青春の物語。彼女の思惑に健一は揺れ動く。

女子に間違えられました、、

夜碧ひな
青春
1:文化祭で女装コンテストに強制的に出場させられた有川 日向。コンテスト終了後、日向を可愛い女子だと間違えた1年先輩の朝日 滉太から告白を受ける。猛アピールをしてくる滉太に仕方なくOKしてしまう日向。 果たして2人の運命とは? 2:そこから数ヶ月。また新たなスタートをきった日向たち。が、そこに新たな人物が!? そして周りの人物達が引き起こすハチャメチャストーリーとは! ちょっと不思議なヒューマンラブコメディー。 ※この物語はフィクション作品です。個名、団体などは現実世界において一切関係ありません。

処理中です...