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メルセデス
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「さて、ごはんも食べたし・・・。」と。
203号室に戻って。ひとやすみの5人。
友里絵は「きょうは、どうするの?」
愛紗は「夕方までに、南阿蘇に行けばいいの。
高森線の終点で、町営バスに接続があるね。16:30かな。
色見環状線」
菜由は「さーすが、ツアコン」と。温かくからかう。
愛紗は「なんとなく、その役なのよね・・・シーガイアは、失敗したけど」
と、失敗をすこし気にするタイプ。
そういう事もあって、時刻表をきっちり調べているけど・・・指宿では
乗車券を置き忘れたりして。
真由美ちゃんは「シーガイアですか?ステキですねー。」と、にこにこ。
友里絵は「ひろーい、ジャングル風呂があって」
と、ひとさしゆびたてて。先生みたいに。
由香「それは箱根だろ」
と、いつものように。
友里絵「そーだっけか。♪裸♪天国♪」と、にこにこ。
菜由「熱海じゃなかったっけ?」
と、窓際から、川を眺めながら。
愛紗「伊東かしら」と、思い出すCM。
友里絵「裸ー天国ーホテルー紅葉。あ、やっぱ違うか」と。
ははは、と、みんな笑顔。
由香「語呂合わせかいな」と。座敷に横座り。
バッグの中身を見ていたり。
友里絵「伊東にいくなら♪ハトヤ♪」これもシーガイアじゃないか、と(^^;
由香「学校の勉強もそのくらい真面目にやればなぁ、いまごろは大学生かも」
と、お母さんみたい。
友里絵「ムリムリ」
由香「解ってるけどさ。あたしと同じ高校だし」
友里絵「ハハハ」
由香「そこも出られんかったと言う・・・。」
友里絵「出なかっただけ」
由香「お化けかいな」
ははは、とみんな、笑顔。
愛紗は「真由美ちゃんは、公立?」
真由美ちゃんは「ハイ。県立です」
友里絵は「そーいう感じするねー。県立の子って・・ちゃんとしてるもん」
真由美ちゃんは「そうですか?」と。ハテナ。
菜由は「私立の子って、どんなの?」
由香・友里絵。互いに相手を指差し「こんなの!」
わはは、と、互いに笑う。
菜由「うーむ。なんとなく解ったような・・・。」
友里絵「そうそう。県立ってだいたい、制服からして紺とかそういう感じの、仕立てのいい生
地で」
由香「言えてるねー。あたしらはさ、チェックのスカートで、安っぽいペラペラので」
菜由は「ハハハ。なんか解る。そういうの」
愛紗「わたしは私立だけど、紺のブレザーだったっけ」
菜由「愛紗はさ・・・ミッションだし」
友里絵「ギアなの?」
由香「歯車に、手を挟まれた」
友里絵「ギア」
はっははは、と、みんな笑う。
由香は「でもさーぁ、友里絵と話してると面白いけど、後で
何してたかって考えると、何にもしてないのね」(^^;
友里絵「そこがいいのよ」
由香「そうか?」
友里絵「所詮この世は一転地六」
菜由「仕掛け人か」
真由美ちゃん「父がよく見てました」
友里絵「勤め人だとね。いろいろ・・・。」
由香「友里絵んとこはいいよね」
菜由「なんだっけ?お父さんの仕事」
友里絵「トラック野郎BJ」
由香「BJだけ余計だよ」
愛紗「あー、あったね。土曜の深夜だったかな」
由香「神奈川は金曜だったような」
友里絵「そうだっけ?」
菜由「そうそう。白バイ野郎の後だったか・・・その辺り。」
真由美ちゃん「かっこいいですね。あの。パンチさん。」
友里絵「パンチ佐藤?」
真由美ちゃんは違う違う、と掌を横に振る。にこにこ。
由香「ピンキラのパンチョさん」
友里絵、違う違う、と手を振る「ョはないよん」
菜由は「ああいうタイプ、好み?」
真由美ちゃん「はい。なんか、さっぱりしてて、明るくて」
友里絵「おにーちゃんに似てたりして」
真由美ちゃんは「いえいえ、兄はあんなに・・・日焼けはしてますけど」
菜由は「かっこいいだろねー。機関士席の窓開けて。白い手袋で、指二本。
本線進行!速度110!
とか」
愛紗「あたしも、それ憧れたっけ」
友里絵は「それでバスに乗ったの?」
愛紗「わからないけど・・・そうかもしれない。」
・・・ふと、愛紗は思った。
どこか、遠い遠い記憶で。
そういう人を見て、憧れたのかな・・・・。なんて。
真由美ちゃんは「機関士も、今はいませんけど・・・なれるかもしれませんね。
今の時代なら。」
愛紗は空想する。
大きな機関車を操作して、ながーい列車を率いて。
海岸線の線路を走る。そんな自分の姿。
・・・・あんまり、女の子っぽい夢ではなさそうね。
なんて思って。
とっても長い一日だったような火曜日が過ぎ、きょうは水曜日。
「出かけるとなると名残惜しいね」と、菜由は。
着ていた浴衣を畳んで。
友里絵は、そのまま丸めて(^^;
由香は「そーいうところが、やっぱ三流高・・・」と。
友里絵は「アンタも一緒じゃん。」
由香は「まあ、あたしは出たけどね」
友里絵「ででで・・・出たー」
由香「止めろってそういうネタは」
友里絵「貴乃花の勝ちー」
由香「そのネタか」
菜由は「友里絵がいるとさ、淋しくなくなっていいね」
愛紗「ほんと」
友里絵は「へへへ」
由香「ムダに明るいからなぁ」
友里絵「便所の100w」
真由美ちゃんも、くすくす。
菜由「まあ、都会だと明るくてもいいけど」
由香「そうね。ご本尊様が見えないし」
愛紗「ご本尊様って」(^^;
友里絵「メルセデスでしょ?」
由香「メルセデスって?」
友里絵「ベンツボ」
ははは、と、みんな爆笑。
友里絵「さ、汚く決まったところで。お開き!」
一晩お世話になりました、と・・・203号室に頭を下げて。
友里絵「また来るからねー。」
真由美ちゃんは、その言葉に、なーんとなく・・・感じるものがあった。
昨日の夜のこと・・を、思い出して。
203号室に戻って。ひとやすみの5人。
友里絵は「きょうは、どうするの?」
愛紗は「夕方までに、南阿蘇に行けばいいの。
高森線の終点で、町営バスに接続があるね。16:30かな。
色見環状線」
菜由は「さーすが、ツアコン」と。温かくからかう。
愛紗は「なんとなく、その役なのよね・・・シーガイアは、失敗したけど」
と、失敗をすこし気にするタイプ。
そういう事もあって、時刻表をきっちり調べているけど・・・指宿では
乗車券を置き忘れたりして。
真由美ちゃんは「シーガイアですか?ステキですねー。」と、にこにこ。
友里絵は「ひろーい、ジャングル風呂があって」
と、ひとさしゆびたてて。先生みたいに。
由香「それは箱根だろ」
と、いつものように。
友里絵「そーだっけか。♪裸♪天国♪」と、にこにこ。
菜由「熱海じゃなかったっけ?」
と、窓際から、川を眺めながら。
愛紗「伊東かしら」と、思い出すCM。
友里絵「裸ー天国ーホテルー紅葉。あ、やっぱ違うか」と。
ははは、と、みんな笑顔。
由香「語呂合わせかいな」と。座敷に横座り。
バッグの中身を見ていたり。
友里絵「伊東にいくなら♪ハトヤ♪」これもシーガイアじゃないか、と(^^;
由香「学校の勉強もそのくらい真面目にやればなぁ、いまごろは大学生かも」
と、お母さんみたい。
友里絵「ムリムリ」
由香「解ってるけどさ。あたしと同じ高校だし」
友里絵「ハハハ」
由香「そこも出られんかったと言う・・・。」
友里絵「出なかっただけ」
由香「お化けかいな」
ははは、とみんな、笑顔。
愛紗は「真由美ちゃんは、公立?」
真由美ちゃんは「ハイ。県立です」
友里絵は「そーいう感じするねー。県立の子って・・ちゃんとしてるもん」
真由美ちゃんは「そうですか?」と。ハテナ。
菜由は「私立の子って、どんなの?」
由香・友里絵。互いに相手を指差し「こんなの!」
わはは、と、互いに笑う。
菜由「うーむ。なんとなく解ったような・・・。」
友里絵「そうそう。県立ってだいたい、制服からして紺とかそういう感じの、仕立てのいい生
地で」
由香「言えてるねー。あたしらはさ、チェックのスカートで、安っぽいペラペラので」
菜由は「ハハハ。なんか解る。そういうの」
愛紗「わたしは私立だけど、紺のブレザーだったっけ」
菜由「愛紗はさ・・・ミッションだし」
友里絵「ギアなの?」
由香「歯車に、手を挟まれた」
友里絵「ギア」
はっははは、と、みんな笑う。
由香は「でもさーぁ、友里絵と話してると面白いけど、後で
何してたかって考えると、何にもしてないのね」(^^;
友里絵「そこがいいのよ」
由香「そうか?」
友里絵「所詮この世は一転地六」
菜由「仕掛け人か」
真由美ちゃん「父がよく見てました」
友里絵「勤め人だとね。いろいろ・・・。」
由香「友里絵んとこはいいよね」
菜由「なんだっけ?お父さんの仕事」
友里絵「トラック野郎BJ」
由香「BJだけ余計だよ」
愛紗「あー、あったね。土曜の深夜だったかな」
由香「神奈川は金曜だったような」
友里絵「そうだっけ?」
菜由「そうそう。白バイ野郎の後だったか・・・その辺り。」
真由美ちゃん「かっこいいですね。あの。パンチさん。」
友里絵「パンチ佐藤?」
真由美ちゃんは違う違う、と掌を横に振る。にこにこ。
由香「ピンキラのパンチョさん」
友里絵、違う違う、と手を振る「ョはないよん」
菜由は「ああいうタイプ、好み?」
真由美ちゃん「はい。なんか、さっぱりしてて、明るくて」
友里絵「おにーちゃんに似てたりして」
真由美ちゃんは「いえいえ、兄はあんなに・・・日焼けはしてますけど」
菜由は「かっこいいだろねー。機関士席の窓開けて。白い手袋で、指二本。
本線進行!速度110!
とか」
愛紗「あたしも、それ憧れたっけ」
友里絵は「それでバスに乗ったの?」
愛紗「わからないけど・・・そうかもしれない。」
・・・ふと、愛紗は思った。
どこか、遠い遠い記憶で。
そういう人を見て、憧れたのかな・・・・。なんて。
真由美ちゃんは「機関士も、今はいませんけど・・・なれるかもしれませんね。
今の時代なら。」
愛紗は空想する。
大きな機関車を操作して、ながーい列車を率いて。
海岸線の線路を走る。そんな自分の姿。
・・・・あんまり、女の子っぽい夢ではなさそうね。
なんて思って。
とっても長い一日だったような火曜日が過ぎ、きょうは水曜日。
「出かけるとなると名残惜しいね」と、菜由は。
着ていた浴衣を畳んで。
友里絵は、そのまま丸めて(^^;
由香は「そーいうところが、やっぱ三流高・・・」と。
友里絵は「アンタも一緒じゃん。」
由香は「まあ、あたしは出たけどね」
友里絵「ででで・・・出たー」
由香「止めろってそういうネタは」
友里絵「貴乃花の勝ちー」
由香「そのネタか」
菜由は「友里絵がいるとさ、淋しくなくなっていいね」
愛紗「ほんと」
友里絵は「へへへ」
由香「ムダに明るいからなぁ」
友里絵「便所の100w」
真由美ちゃんも、くすくす。
菜由「まあ、都会だと明るくてもいいけど」
由香「そうね。ご本尊様が見えないし」
愛紗「ご本尊様って」(^^;
友里絵「メルセデスでしょ?」
由香「メルセデスって?」
友里絵「ベンツボ」
ははは、と、みんな爆笑。
友里絵「さ、汚く決まったところで。お開き!」
一晩お世話になりました、と・・・203号室に頭を下げて。
友里絵「また来るからねー。」
真由美ちゃんは、その言葉に、なーんとなく・・・感じるものがあった。
昨日の夜のこと・・を、思い出して。
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