タビスルムスメ

深町珠

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ラジオは友達

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愛紗と菜由は、窓際にある、縁側のようなところにある
硝子のテーブルと、スツールに座って。
障子を挟んで、和室があって。

そこに座卓があって。友里恵と由香。

なんとなく、こういう感じになる。

きょうは、真由美ちゃんがいるので+1.

「昨日は、2部屋だったからねー」と、友里恵。

指宿は、特別豪華なスイート・ルームだった。
2LDK、だろうか。

真由美ちゃんは、言問い顔で「昨日は、どちらにお泊りですか?」


由香は、胸張って「KKR指宿」

友里恵は「威張ってどーする」

由香「あたしが威張ることもないか。なはは」


真由美ちゃん「なはは、って。せんださんみたい」

菜由は、あれ?と言う顔で「せんださんって、せんだみつおさん?」
さん、がついてしまった(^^)。かわいい子がいると、つい。上品になる。


真由美ちゃん「はい。」


愛紗は「ああいうの見るの?」

真由美ちゃん「いえ、TVはお部屋にないので。ラジオですね」


友里恵は「愛紗さ、「ああいうの」ってどういうの?」

愛紗はにっこり「うわさのチャンネルとか」


由香「あーなつかしいね、金曜10時」と。


愛紗は「宮崎は土曜深夜」
菜由も「鹿児島もそう」

友里恵は「1週間遅れ」


愛紗「そうだっけ?」

菜由「そこまで知らないけど・・・・。」



友里恵は、そこにある硝子のコップを叩いて」

ちーん☆

「ぽこ」



ちーん☆

「ぽこ」

デストロイヤーの顔真似(^^)

由香「そうそう!ははは」


ちーん☆

「ぽこ」

ちーん☆

「ぽこ」


真由美ちゃんも、面白いけど・・恥ずかしくて笑うに笑えない(^^;

菜由は「なつかしいなぁ。それ。和田アキ子が出てて。ゴッドねえちゃんとか」


愛紗「菜由も言われてたでしょ、弟に」


菜由「そんな事言ったら、ぶっとばす」


友里恵「ほら、やっぱ」


真由美ちゃんは「弟って、なんとなくいいですね」

菜由は「そーぉお?イメージでしょ。少女フレンドみたいな。
と、言いながら
故郷の本屋さんの事を思い出す。
ちょっと、埃っぽいような海辺の町。

路地にある本屋さん。
子供が、小さい自転車で来てたり。

駄菓子屋さんがおとなりだったり。

お店の前に、10円いれてぐるっと回すと
なんか、出てくるカプセルの販売機(?)があったり。


そういうお店に入ると、だいたい・・・最初のところに
まんが雑誌があった。

男の子のマンガが前にあって。
女の子のは、だいたい、棚のほうにあって。
レモンイエローとか、ピンクとか。
そんな色合いだった。


友里恵は「あたしは・・あんまり見なかったなぁ」


由香「そうだよね。少女フレンドって。持ってたらギャグだよ。わはは!」

友里恵「なんでよー。」

由香「あーいうのは、かわいい子が持ってないと」


友里恵「あたしはかわいくないのかよ」


由香「かよ、なんて言う子はかわいくなーい」


友里恵「かよちゃんも?」

由香「屁理屈言うな」


友里恵「屁だってよ。きたねーなあやっぱ。貧民は」

由香「じゃーなんていやいいんだよ」

菜由は「よーしなさいって。せっかく、きょうは真由美ちゃんがお泊りに来てるんだから。
上品にね」

友里恵「そっか。あたしら旅芸人だからなー」

由香「いつから芸人になった」

友里恵「まあ、バスガイドもそろそろ・・・廃業かな」


真由美ちゃんは「転職されるんですか?」


友里恵は「うーん・・・うちらのほうはね・・・ガイドの仕事がだんだん、なくなってきて。」

由香「そうそう。それで、あたしらも21になったらドライバーになろうかなー。なんて思ってたんだ」















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