182 / 361
7236D ,出発、進行! 人吉、定時!
しおりを挟む
「猫ふんじゃった、ね、タマちゃんが軽井沢のホテルで弾いたんだって。」と、友里絵。にこに
こしながら。
由香「それで?」
友里絵「うけたんだけど、次の朝、ピアノにメモが置いてあって・・・。
「猫ふんじゃったは弾かないで下さい」
」
菜由「ははは。」
由香「ホテルじゃなー。」
友里絵「なんでも、皇太子様が・・と言うと、今の天皇陛下かな?が
泊まった場所なんだとか。」
真由美ちゃんは、にっこり「すごいところにお泊まりなんですね。」
友里絵「そういえば、そうかも。いままで気づかなかったけど。」
由香「ホント。そーいうとこに居そうだもんね。」
愛紗は思う。・・・確かに・・・。
実際、どういう人なのかまったく知らないのだった。
先輩の女子ドライバー、美和の話しでは
「すごい大学を出ているんだって」との事であるが・・・
美和の母は大学の職員である。
それで、どこかで調べたのかもしれないけれど
タマちゃん本人は「そんなことないですよー」との事(^^)。
列車の運転士は、ベテランのようで
白髪交じりの短髪、日焼けの顔、眼鏡。
年季の入った制帽を被っている。
発車が近くなり、駅の方から歩いてきた。
真由美ちゃんを見かけて、左手を上げて挨拶。
真由美ちゃんも、お辞儀。
「知ってる人?」と、友里絵。
真由美ちゃんは「はい。よく列車で会います」
運転士は、運転室ドアを開けて
ブレーキ・ハンドルに鍵を挿して。ハンドルを手前に引いた。
常用最大位置である。
そろそろ出発なのだろう。
車内に、録音の女声アナウンスが流れる。
♪ぴんぽん♪ と、チャイムの音。
ーーーこの列車は、湯前ゆきですーーー。
と、のんびりした声。
ローカル線なので、運賃箱と料金表があるのは
バスと同じ。
レールバス、なんて言う言い方もある単行車両。
ギアをつながずに、運転士さんがノッチを進めると
エンジンの回転だけ上がる。
この辺りが、バスによく似ている。
「この路線も、車掌を目指すなら、乗務する事になりますね」と、真由美ちゃん。
菜由は「今は、車掌さんじゃないの?」
「はい、車掌補になります」と、真由美ちゃん。
愛紗は「いろいろあるわね。乗客案内掛とか。」
真由美ちゃんは「はい。だんだん、経験を積んでいって試験を受けます。」
・
・
・
乗務員のみならず、全てが経験を要する職種で
乗客案内掛=>車掌補=>車掌=>専務車掌
と、なるように、いろいろある車掌職でした。
もともと、国鉄と郵便は
過疎地域への雇用促進が主目的だったので
農業や、漁業のような仕事とは違う職種の
地方への展開のため、だったので
こういう仕組みを取っていて。
採算、と言うよりは
お互いの助け合い、と言う意味合いが強いものであった。
簡単に言うと、都会で儲けたお金を分配して地方に分けると言う
税に似たようなもので運営を考えていた。
それは、今でもそうで
例えばJRは、東海道新幹線の利益を他各社に分配している。
他社は、それがないと採算割れになったりもする。
・
・
・
運転士さんがマイクで「湯前ゆき、発車します」と、シンプルなアナウンス。
駅の案内放送は、聞こえなかったようだった。
運転士さんが、ホームの乗降確認をして、ドア・スイッチを下げた。
「面白いね」と、由香。
「ワンマンバスみたい」と、友里絵。
真由美ちゃんは「特急でも一部ありますね。私達が検札はしますが、車掌業務は
しない列車」
菜由「そういうのがあるの」
「はい、2両の、平日の昼間の列車などはそういうものもあります。
ワゴンサービスはあるんですけど」と、真由美ちゃんはにこにこ。
13時15分。列車の発車時刻である。
ドアを閉じた運転士は、出発信号機を確認。
出発、進行!
ギア、変速段に入れて。
ブレーキ・ハンドルを緩める。
ちょっと、車両が動き出す。
ノッチを進める。
がらがらがら・・・と言うエンジン音が少し高くなり
ゆっくりゆっくり。
ディーゼル・カーは
走り出す。
ゆらゆら、と・・・空気バネなので
ふんわり、ふんわり。
こしながら。
由香「それで?」
友里絵「うけたんだけど、次の朝、ピアノにメモが置いてあって・・・。
「猫ふんじゃったは弾かないで下さい」
」
菜由「ははは。」
由香「ホテルじゃなー。」
友里絵「なんでも、皇太子様が・・と言うと、今の天皇陛下かな?が
泊まった場所なんだとか。」
真由美ちゃんは、にっこり「すごいところにお泊まりなんですね。」
友里絵「そういえば、そうかも。いままで気づかなかったけど。」
由香「ホント。そーいうとこに居そうだもんね。」
愛紗は思う。・・・確かに・・・。
実際、どういう人なのかまったく知らないのだった。
先輩の女子ドライバー、美和の話しでは
「すごい大学を出ているんだって」との事であるが・・・
美和の母は大学の職員である。
それで、どこかで調べたのかもしれないけれど
タマちゃん本人は「そんなことないですよー」との事(^^)。
列車の運転士は、ベテランのようで
白髪交じりの短髪、日焼けの顔、眼鏡。
年季の入った制帽を被っている。
発車が近くなり、駅の方から歩いてきた。
真由美ちゃんを見かけて、左手を上げて挨拶。
真由美ちゃんも、お辞儀。
「知ってる人?」と、友里絵。
真由美ちゃんは「はい。よく列車で会います」
運転士は、運転室ドアを開けて
ブレーキ・ハンドルに鍵を挿して。ハンドルを手前に引いた。
常用最大位置である。
そろそろ出発なのだろう。
車内に、録音の女声アナウンスが流れる。
♪ぴんぽん♪ と、チャイムの音。
ーーーこの列車は、湯前ゆきですーーー。
と、のんびりした声。
ローカル線なので、運賃箱と料金表があるのは
バスと同じ。
レールバス、なんて言う言い方もある単行車両。
ギアをつながずに、運転士さんがノッチを進めると
エンジンの回転だけ上がる。
この辺りが、バスによく似ている。
「この路線も、車掌を目指すなら、乗務する事になりますね」と、真由美ちゃん。
菜由は「今は、車掌さんじゃないの?」
「はい、車掌補になります」と、真由美ちゃん。
愛紗は「いろいろあるわね。乗客案内掛とか。」
真由美ちゃんは「はい。だんだん、経験を積んでいって試験を受けます。」
・
・
・
乗務員のみならず、全てが経験を要する職種で
乗客案内掛=>車掌補=>車掌=>専務車掌
と、なるように、いろいろある車掌職でした。
もともと、国鉄と郵便は
過疎地域への雇用促進が主目的だったので
農業や、漁業のような仕事とは違う職種の
地方への展開のため、だったので
こういう仕組みを取っていて。
採算、と言うよりは
お互いの助け合い、と言う意味合いが強いものであった。
簡単に言うと、都会で儲けたお金を分配して地方に分けると言う
税に似たようなもので運営を考えていた。
それは、今でもそうで
例えばJRは、東海道新幹線の利益を他各社に分配している。
他社は、それがないと採算割れになったりもする。
・
・
・
運転士さんがマイクで「湯前ゆき、発車します」と、シンプルなアナウンス。
駅の案内放送は、聞こえなかったようだった。
運転士さんが、ホームの乗降確認をして、ドア・スイッチを下げた。
「面白いね」と、由香。
「ワンマンバスみたい」と、友里絵。
真由美ちゃんは「特急でも一部ありますね。私達が検札はしますが、車掌業務は
しない列車」
菜由「そういうのがあるの」
「はい、2両の、平日の昼間の列車などはそういうものもあります。
ワゴンサービスはあるんですけど」と、真由美ちゃんはにこにこ。
13時15分。列車の発車時刻である。
ドアを閉じた運転士は、出発信号機を確認。
出発、進行!
ギア、変速段に入れて。
ブレーキ・ハンドルを緩める。
ちょっと、車両が動き出す。
ノッチを進める。
がらがらがら・・・と言うエンジン音が少し高くなり
ゆっくりゆっくり。
ディーゼル・カーは
走り出す。
ゆらゆら、と・・・空気バネなので
ふんわり、ふんわり。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
男子高校生の休み時間
こへへい
青春
休み時間は10分。僅かな時間であっても、授業という試練の間隙に繰り広げられる会話は、他愛もなければ生産性もない。ただの無価値な会話である。小耳に挟む程度がちょうどいい、どうでもいいお話です。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ほのぼの高校11HR-24HR
深町珠
青春
1977年、田舎の高校であった出来事を基にしたお話です。オートバイと、音楽、オーディオ、友達、恋愛、楽しい、優しい時間でした。
主人公は貧乏人高校生。
バイト先や、学校でいろんな人と触れ合いながら、生きていきます。
けど、昭和なので
のどかでした。
オートバイ、恋愛、バンド。いろいろです。
物理部のアオハル!!〜栄光と永幸の輝き〜
saiha
青春
近年、高校総体、甲子園と運動系の部活が学生を代表する花形とされている。そんな中、普通の青春を捨て、爪楊枝一本に命をかける集団、物理部。これは、普通ではいられない彼らの爆笑アオハル物語。
黄昏は悲しき堕天使達のシュプール
Mr.M
青春
『ほろ苦い青春と淡い初恋の思い出は・・
黄昏色に染まる校庭で沈みゆく太陽と共に
儚くも露と消えていく』
ある朝、
目を覚ますとそこは二十年前の世界だった。
小学校六年生に戻った俺を取り巻く
懐かしい顔ぶれ。
優しい先生。
いじめっ子のグループ。
クラスで一番美しい少女。
そして。
密かに想い続けていた初恋の少女。
この世界は嘘と欺瞞に満ちている。
愛を語るには幼過ぎる少女達と
愛を語るには汚れ過ぎた大人。
少女は天使の様な微笑みで嘘を吐き、
大人は平然と他人を騙す。
ある時、
俺は隣のクラスの一人の少女の名前を思い出した。
そしてそれは大きな謎と後悔を俺に残した。
夕日に少女の涙が落ちる時、
俺は彼女達の笑顔と
失われた真実を
取り戻すことができるのだろうか。
花
TEN-ent
青春
女子高生5人が
多くの苦難やイジメを受けながらも
ガールズバンドで成功していく物語
登場人物
ハナ 主人公
レイナ ハナの親友
エリ ハナの妹
しーちゃん 留学生
ミユ 同級生
マキ
あるグループの曲にリスペクトを込め作成
野球の王子様3 VS習志野・練習試合
ちんぽまんこのお年頃
青春
聖ミカエル青春学園野球部は習志野に遠征。昨年度の県内覇者との練習試合に臨むはずが、次々と予定外の展開に。相手方のマネージャーが嫌味な奴で・・・・愛菜と取っ組み合い?試合出来るの?
家政婦さんは同級生のメイド女子高生
coche
青春
祖母から習った家事で主婦力抜群の女子高生、彩香(さいか)。高校入学と同時に小説家の家で家政婦のアルバイトを始めた。実はその家は・・・彩香たちの成長を描く青春ラブコメです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる