タビスルムスメ

深町珠

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しぇーくすぴあー

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友里絵は、バッグの中から出したパリジャンを4つに分けて。

「ジャムと、マーガリンはおこのみで」

ブルーベリー、イチゴ、マーガリン、オレンジマーマレード。


由香「なんでオレンジだけマーマレードって言うんだろ」


友里絵「知らない」


由香「アンタが知ってるとは思わないけどさ」


友里絵「ま、いっか。じゃー、たべよー。」


菜由「こういうのが思い出になるんだよねー、あとで。」


友里絵「うう、あいつのパンの方が大きかった」

由香「そっちの思い出かい」


菜由「兄弟がいるとね。」


友里絵「そう!あたしたちは、これで義兄弟!~♪」

と、兄弟仁義を歌う友里絵。



由香「一宿一飯の恩義にござんす」


友里絵「へい。がってんでぇ!。♪ちゃんちゃんちゃーんちゃーん♪しゅっしゅっ!」

と、投げ銭の真似。



菜由「銭形の親分。なーつかしー。おじーちゃんが見てたな」


愛紗「水戸黄門と」


友里絵「なに?肛門とな?」


愛紗「そんなこと言ってないって」と、慌てる。


由香「まあ、いいのか。医学用語だし。」



友里絵「どっかの小学校に貼ってあったなぁ。
「こうもんであそばない」


由香「食いながらするなよ、そーいう話」


友里絵「めんごめんご」


菜由「でも、おもしろいね」


友里絵「最初に言ったの、愛紗だよー。」


愛紗「あ、たしはそんなこと、いってない」と、手を振って。




友里絵「そういいながらも少女は、背徳の誘いに
心の芯が燃え上がるのであった。
白い肌が薄桃色に染まり・・・ああ、わたしに火をつけたなら。
最後まで」



由香「そこまで来ると芸術だな」


菜由「小説家になろう!」


由香「H専門な」


友里絵「火をつけた、あなたの責任、最後まで」




由香「なーんか、オマエが言うといやらしい」


友里絵「消防標語だよーん」




菜由「見たことあるね。詰め所に貼ってあった。」


愛紗「なるほど・・・・。」



菜由「ナットクするなって」


愛紗「ははは」




「よし!これであたしらは、穴兄弟!」と、友里絵。


「バカ、違うだろ」と、由香。


友里絵は「あっそーか。棒姉妹」


菜由も、笑うに笑えない。


でも・・・あの車掌さんは車掌室で、くすくす(^^)

オトナじゃん。(笑)。





「でもさ、タマちゃんが愛紗のお父さんだったら、ドラマだね」と、友里絵。


由香「禁断の愛か」



「ああ、かわいい愛紗、君を僕は・・・。」と、友里絵。左を向いて深町のマネ。

「いけないわ、わたしたち、ああ、あなたはどうしてわたしの父だった」と、右向いて
愛紗のマネ。


菜由「落語家かいな」

由香「落伍者だよ」

愛紗も、面白いのでつい、笑ってしまう。



友里絵「笑ってる場合でーすよ」



由香「なんかそんな番組もあったなぁ」


パンを食べながら、もうすぐ・・・終点。

車掌さんが女の人なので、アナウンスもライブ。


ーーまもなく、終点、吉松です・・・・・
どなたさまも、お忘れ物、落し物ございませんよう
お願いいたしますーーーー。


オルゴールが鳴る。


「かわいいオルゴール」と、愛紗。

「どなたさまったって、わたしらしか居ないみたいだけど」と、菜由。


「他の車両には、いるんじゃない?」と、由香。


菜由「あ、そっか」


愛紗「阿蘇は明日」


友里絵「おもしろいねー。愛紗も。」


愛紗「へへ」
すこーしづつ、気持がほぐれてきた愛紗。


友里絵と一緒だと、考えてる暇がない(^^)ので
かえっていいのだ。


考えたって仕方ない。



「乗り継ぎ何分?」と、菜由。


愛紗は「えーと、次が30分。その次が一時間半」


由香「じゃあ、次で言った方がいいね」

とか言いながら、下車。


ドアのところで、さっきの車掌さん。にこにこ。

「楽しかったわ」と。


友里絵「あ、ありがとー。うれP」

由香「ふっるー。」

車掌さんは、白い手袋で口もとを押さえ「かわいいのね、とっても」

友里絵「はい!みんなそういいまーす」


由香「自分で言うな!」


車掌さん、笑顔。髪は綺麗に纏められていて。アップ。
帽子は、女子用の丸いもの。

スーツも黒。

きっちりメークしてるから、大人に見えるけど・・・。
笑顔は、友里絵たちと同じくらいの感じ。





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