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たまて箱
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フロントに、お礼を言って。
愛紗たちは、KKR指宿に、最後のお別れ。」
「名残惜しいなぁ」と、友里絵。
「ほんと」と、由香。
「また来ようね」と、菜由。
「麻里恵さんは、この町にずーっと住んでるのね」と、愛紗。
駅までのマイクロ・バスが、エントランスに着いて。
ツー、と機械音のブザーが鳴って
横の扉が、がば、と開く。
何回見ても不思議に見える、愛紗。
空気ばねでもないのに・・・?と、思う。
「ね、愛紗、支払いは?」と、菜由が小声で。
愛紗は「ああ、おばさんのツケなの。後で払えば。その方が安いから。」
職員扱い=3000円。
一般=7000円。
と言うワケ(笑)。
フロントの人たちが、エントランスまで出て来てくれて
お別れのご挨拶。
「ありがとうございましたー。」と、にこにこ。
友里絵は「なんか、淋しくなっちゃう。」と、はらはら。泣く。
由香「ほれほれ、すぐ泣くなぁ、オマエ」と、友里絵の頭を抱き寄せて。にこにこ。
よしよし。
「かわいいのね」と、菜由。
愛紗も、にこにこ。
・・・・友里絵ちゃんみたいに、素直に泣けたら、いいのにな・・・・。
みんなに可愛がられるんだろうな・・・・。
なんて、思っていたりもした。
マイクロ・バスに乗り込んで、
いろいろ思い出す。
まだ、旅ははじまったばかりなのに、想い出がいっぱい。
そんな、4人だった。
「出発しまーす」運転手さんは、若い人。
KKRの人みたい。
マイクロくらいなら、割と楽に乗れるので。
この車はATなので、尚更楽。
機械式ブザーが、ツー、と
鳴って。
ドアがばたりと閉じる。
友里絵も、落涙しながら笑顔で「さよーならー」と、手を振った。
由香が、友里絵の涙を拭いてあげて。
「いい友達ね」と、菜由。
愛紗も「うん」
フェニックスが立ち並ぶ、KKR指宿のクリーム色の建物が
遠ざかっていくと、愛紗も淋しくなった。
・・・なんだか、いろいろあったな・・・・。
国鉄のこと。
路線バスの緊急避難のこと。
池田湖でのこと。
麻里恵さんのこと。
「これからの旅で、なにがあるんだろう」そんな風に思いながらも
バスは、ゆっくり、指宿駅を目指し
海岸通りをまっすぐ。
T字路を右折して、駅へと一路・・・・。
がらがらがら・・・と言う、ディーゼルエンジンの響きが
前から来るのは、大型バスと違って乗用車っぽい。
そのほかは、路線バスにも似ているな。
そんなふうに思いながら・・・・駅に着く。
大きな足湯に、人影はまばら。
でも、火曜日だと言うのに誰かが居る。
「お湯がもったいないね」と、菜由。
由香「源泉なんじゃない?」
友里絵「かけながしー。」(^^)。
掛け流しって面白い言葉だな、なんて愛紗も思った。
菜由が「列車は、9時だっけ」
愛紗「そう。赤いのね。こんどは特急」
車両はもう、手前のホームに待機している。
向こう側の、普通列車ホームではなく。
単線なので、優等列車は
のんびり。長い時間ホームに置くと
普通列車が出られなくなってしまうから、と言う感じ。
頻繁に発着する普通列車が、中央側の島になっているホームを使う。
そんな仕組み。
改札は、昨日のおじさんではなくて
若い人。
かえってよかったな、と愛紗は思ったりする(^^)。
切符忘れて、友里絵ちゃんに助けてもらったこと、ちょっと恥ずかしいし。
周遊の、「かえり券」なので
これを失くすと、もう帰れない(笑)。
まあ、もう一度買うしかない訳で・・・・。
友里絵は、なんかお菓子をめっけてきて(^^)
「汽車のなかでたーべよ」と。
チョコバナナとか、チップとか。マカロンとか。
「太るぞ」と、由香。
「いーもーん、太ったって。」と、友里絵。
菜由は「まあ、かわいいうちはいいけど」
友里絵「可愛くなくなったら終わりだー。」と。にこにこ。
愛紗は「ずっとかわいいといいね」
友里絵「ほんと」
列車であったおばあちゃんとか・・・かわいいよね、と
そんな風にも愛紗は思った。
「発車まで少しあるね」と、由香。
「ドア開くの、面白いよ」と、愛紗。
「どんな?」と、友里絵。
「煙が出るの」と、愛紗。
由香「へー。玉手箱だから?」
列車名が、たまて箱、と言う面白い名前。
ドアが開く。
しゅー。
と、ドアの上から煙が出て。
「面白いねぇ」と、列車を待っていたおばあちゃんが、にこにこ。
友里絵は「おばあちゃんになっちゃうのかな」
おばあちゃんたちも、にこにこ。
「空いてるね」
「火曜だし」
「平日がいいね、旅は」
めいめいに、いろいろ感じながら・・・旅は続く。
愛紗たちは、KKR指宿に、最後のお別れ。」
「名残惜しいなぁ」と、友里絵。
「ほんと」と、由香。
「また来ようね」と、菜由。
「麻里恵さんは、この町にずーっと住んでるのね」と、愛紗。
駅までのマイクロ・バスが、エントランスに着いて。
ツー、と機械音のブザーが鳴って
横の扉が、がば、と開く。
何回見ても不思議に見える、愛紗。
空気ばねでもないのに・・・?と、思う。
「ね、愛紗、支払いは?」と、菜由が小声で。
愛紗は「ああ、おばさんのツケなの。後で払えば。その方が安いから。」
職員扱い=3000円。
一般=7000円。
と言うワケ(笑)。
フロントの人たちが、エントランスまで出て来てくれて
お別れのご挨拶。
「ありがとうございましたー。」と、にこにこ。
友里絵は「なんか、淋しくなっちゃう。」と、はらはら。泣く。
由香「ほれほれ、すぐ泣くなぁ、オマエ」と、友里絵の頭を抱き寄せて。にこにこ。
よしよし。
「かわいいのね」と、菜由。
愛紗も、にこにこ。
・・・・友里絵ちゃんみたいに、素直に泣けたら、いいのにな・・・・。
みんなに可愛がられるんだろうな・・・・。
なんて、思っていたりもした。
マイクロ・バスに乗り込んで、
いろいろ思い出す。
まだ、旅ははじまったばかりなのに、想い出がいっぱい。
そんな、4人だった。
「出発しまーす」運転手さんは、若い人。
KKRの人みたい。
マイクロくらいなら、割と楽に乗れるので。
この車はATなので、尚更楽。
機械式ブザーが、ツー、と
鳴って。
ドアがばたりと閉じる。
友里絵も、落涙しながら笑顔で「さよーならー」と、手を振った。
由香が、友里絵の涙を拭いてあげて。
「いい友達ね」と、菜由。
愛紗も「うん」
フェニックスが立ち並ぶ、KKR指宿のクリーム色の建物が
遠ざかっていくと、愛紗も淋しくなった。
・・・なんだか、いろいろあったな・・・・。
国鉄のこと。
路線バスの緊急避難のこと。
池田湖でのこと。
麻里恵さんのこと。
「これからの旅で、なにがあるんだろう」そんな風に思いながらも
バスは、ゆっくり、指宿駅を目指し
海岸通りをまっすぐ。
T字路を右折して、駅へと一路・・・・。
がらがらがら・・・と言う、ディーゼルエンジンの響きが
前から来るのは、大型バスと違って乗用車っぽい。
そのほかは、路線バスにも似ているな。
そんなふうに思いながら・・・・駅に着く。
大きな足湯に、人影はまばら。
でも、火曜日だと言うのに誰かが居る。
「お湯がもったいないね」と、菜由。
由香「源泉なんじゃない?」
友里絵「かけながしー。」(^^)。
掛け流しって面白い言葉だな、なんて愛紗も思った。
菜由が「列車は、9時だっけ」
愛紗「そう。赤いのね。こんどは特急」
車両はもう、手前のホームに待機している。
向こう側の、普通列車ホームではなく。
単線なので、優等列車は
のんびり。長い時間ホームに置くと
普通列車が出られなくなってしまうから、と言う感じ。
頻繁に発着する普通列車が、中央側の島になっているホームを使う。
そんな仕組み。
改札は、昨日のおじさんではなくて
若い人。
かえってよかったな、と愛紗は思ったりする(^^)。
切符忘れて、友里絵ちゃんに助けてもらったこと、ちょっと恥ずかしいし。
周遊の、「かえり券」なので
これを失くすと、もう帰れない(笑)。
まあ、もう一度買うしかない訳で・・・・。
友里絵は、なんかお菓子をめっけてきて(^^)
「汽車のなかでたーべよ」と。
チョコバナナとか、チップとか。マカロンとか。
「太るぞ」と、由香。
「いーもーん、太ったって。」と、友里絵。
菜由は「まあ、かわいいうちはいいけど」
友里絵「可愛くなくなったら終わりだー。」と。にこにこ。
愛紗は「ずっとかわいいといいね」
友里絵「ほんと」
列車であったおばあちゃんとか・・・かわいいよね、と
そんな風にも愛紗は思った。
「発車まで少しあるね」と、由香。
「ドア開くの、面白いよ」と、愛紗。
「どんな?」と、友里絵。
「煙が出るの」と、愛紗。
由香「へー。玉手箱だから?」
列車名が、たまて箱、と言う面白い名前。
ドアが開く。
しゅー。
と、ドアの上から煙が出て。
「面白いねぇ」と、列車を待っていたおばあちゃんが、にこにこ。
友里絵は「おばあちゃんになっちゃうのかな」
おばあちゃんたちも、にこにこ。
「空いてるね」
「火曜だし」
「平日がいいね、旅は」
めいめいに、いろいろ感じながら・・・旅は続く。
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