上 下
38 / 38

シンプル・ラブ

しおりを挟む
2年の冬と言うと、そろそろ進学を考える時期・・・だと、最近は言うけれど

1978年は、そうでもなく・・・。

みんなテキトーだった。





中学の頃、CB無線で知り合った、隣町の中学生たちのひとり、洋一は

高校には入ったが、私立のバイク禁止高校だったので

無視して乗って、事故を起こして退学になり

学校が斡旋した工場も辞めて、アルバイト暮らし。



そういうヤツだったが、気のいいヤツで



よく、一緒にバイトした。





洋一が誘うので、一緒にタイヤ屋でバイトした事がある。





そこに、まあ・・・・偏屈なバイク乗りがいて(どこにでもいるが)。



古いCB250EXを乗っていて。



俺がSR400を買いたいと言うと「まだ早いよ、オマエには」なんて

横柄な口を利く。



こういうヤツはだいたい、否定的な感情がある(から、モテナイ^^)。



黒ブチめがね、ニキビ面、髪の毛がぼさぼさ、薄汚いジャンパー、ズボン。

屁理屈が多い。





なので俺が「早いと言うのはどういう根拠ですか」と、聞いたら。





ヤツは「大排気量は重い、パワーがある」と、ヘンなことを言うので





俺は「SRは158kg、27psです。あんたのホンダより軽いし、パワーもない」と

言うと。





ヤツは「50ccからはじめろ」なんて言う。





俺は「50ccは持ってますが」と言うと



ヤツ「じゃ、つぎは90ccだ」







とか言うので「根拠はなんですか」と、マジメに聞くと

答えられない(笑)。







黙っているから「あんたは50ccのつぎに90ccだったのですか」と言うと





そいつは、250を買ったというので





洋一は「おかしーじゃんか」と、笑うので





そいつを怒って、逃げていった(笑)。







洋一は「筋とおんねぇよ、なぁ」と・・・・。





はっきりした、いいヤツだ(^^)。





そこのタイヤ屋では、ちょっとバイトしたけどすぐ辞めた。





そこの社長がまた、いやらしーヤツで。



「こう、入れるとき痛いくらいのほうがいいね」なんて・・・・。

どっかで買ってるんだろう、フィリピンかなんか。





金だしてまで買うかねぇ、と・・・俺も洋一も呆れていた(笑)。



洋一もしゃっきりしてるヤツだから、ガールフレンドは一杯居たし。





哀れ、モテナイおっさん(笑)。妻帯者の癖に、そんなとこ行きやがってと

俺も洋一も蔑んで見ていると・・・。



それが気に入らないらしくて、逆上する。





ので・・・・。



バイト辞める日に、倉庫でぶっ飛ばしてやった(笑)。

給料もらってからね。











洋一はそのあと、GS400Eを買うのだが・・・。

その頃ディスコで知り合った女の子を好きになって。





「一緒に添い寝したんだ。ムラムラ来たからキスしたら

任せてきて」



だから好きになったんだ、と言う・・・。



シンプル・ラブ。





女の子の方も、洋一が好きだったんだろう。







で・・・そういうカップルによくあるように、別れが来て。







俺のところに来て「今夜は付き合え!」と・・・・。





ディスコに行って、酔っ払って踊ったり。





「別れても好きな人ー」なんて歌ったり(笑)。







まあ、どうしようもない真っ直ぐなヤツだ。







たぶん、学歴は高校中退のままなんだろうけど

後々、まともな女と結婚して



家をリフォームして。ふつうのおっさんになった。





面白いヤツである。





GS400Eは、どうしたんだろ(^^)。











CB無線は、1977年頃ソニーが流行らせて。

俺も、洋一も持っていた。

0.5wだけど、そこそこ飛ぶので

楽しいコミュニケーションツールだった。

しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

Lotus7&I

深町珠
青春
主人公:27歳。夜、楽器を演奏したり、車で走る事を生きがいにしている。 ホンダCR-Xに乗り、コーナーリングを無類の楽しみとしていた。後に ロータス・スーパー7レプリカを手に入れる。 しかし、偶然、事件に巻き込まれる。 死んだはずのロータス社創始者、チャプマンの姿を見かけたからだった。 横田:主人公の友人。オートバイが縁。ハーレー・ダビッドソンFX--1200に乗る。

幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。

スタジオ.T
青春
 幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。  そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。    ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。

Y/K Out Side Joker . コート上の海将

高嶋ソック
青春
ある年の全米オープン決勝戦の勝敗が決した。世界中の観戦者が、世界ランク3ケタ台の元日本人が起こした奇跡を目の当たりにし熱狂する。男の名前は影村義孝。ポーランドへ帰化した日本人のテニスプレーヤー。そんな彼の勝利を日本にある小さな中華料理屋でテレビ越しに杏露酒を飲みながら祝福する男がいた。彼が店主と昔の話をしていると、後ろの席から影村の母校の男子テニス部マネージャーと名乗る女子高生に声を掛けられる。影村が所属していた当初の男子テニス部の状況について教えてほしいと言われ、男は昔を語り始める。男子テニス部立直し直後に爆発的な進撃を見せた海生代高校。当時全国にいる天才の1人にして、現ATPプロ日本テニス連盟協会の主力筆頭である竹下と、全国の高校生プレーヤーから“海将”と呼ばれて恐れられた影村の話を...。

13歳女子は男友達のためヌードモデルになる

矢木羽研
青春
写真が趣味の男の子への「プレゼント」として、自らを被写体にする女の子の決意。「脱ぐ」までの過程の描写に力を入れました。裸体描写を含むのでR15にしましたが、性的な接触はありません。

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

私のなかの、なにか

ちがさき紗季
青春
中学三年生の二月のある朝、川奈莉子の両親は消えた。叔母の曜子に引き取られて、大切に育てられるが、心に刻まれた深い傷は癒えない。そればかりか両親失踪事件をあざ笑う同級生によって、ネットに残酷な書きこみが連鎖し、対人恐怖症になって引きこもる。 やがて自分のなかに芽生える〝なにか〟に気づく莉子。かつては気持ちを満たす幸せの象徴だったそれが、不穏な負の象徴に変化しているのを自覚する。同時に両親が大好きだったビートルズの名曲『Something』を聴くことすらできなくなる。 春が訪れる。曜子の勧めで、独自の教育方針の私立高校に入学。修と咲南に出会い、音楽を通じてどこかに生きているはずの両親に想いを届けようと考えはじめる。 大学一年の夏、莉子は修と再会する。特別な歌声と特異の音域を持つ莉子の才能に気づいていた修の熱心な説得により、ふたたび歌うようになる。その後、修はネットの音楽配信サービスに楽曲をアップロードする。間もなく、二人の世界が動きはじめた。 大手レコード会社の新人発掘プロデューサー澤と出会い、修とともにライブに出演する。しかし、両親の失踪以来、莉子のなかに巣食う不穏な〝なにか〟が膨張し、大勢の観客を前にしてパニックに陥り、倒れてしまう。それでも奮起し、ぎりぎりのメンタルで歌いつづけるものの、さらに難題がのしかかる。音楽フェスのオープニングアクトの出演が決定した。直後、おぼろげに悟る両親の死によって希望を失いつつあった莉子は、プレッシャーからついに心が折れ、プロデビューを辞退するも、曜子から耳を疑う内容の電話を受ける。それは、両親が生きている、という信じがたい話だった。 歌えなくなった莉子は、葛藤や混乱と闘いながら――。

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

処理中です...