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旅鉄8 [日豊本線上り第2列車 寝台特急"富士" 〜関門海峡にEF81は臨む〜 ]
*最高速、電車と客車。
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------memo-----
*最高速、電車と客車。
すでにご存じの通り、ブルー・トレイン、この2列車「富士」の最高速は110km/hであり、
比較対象の電車特急、例えば「ソニック」などは130km/h運転を行っている。
機構的に客車列車では130km/h運転が出来ないと言う訳ではなく、
これは運行規則上の問題であり、「最高速度走行中に、非常ブレーキ使用で600mで
停止しなくてはならない」という規則のためにそうダイアが組まれているというだけの事である。
例えば、諸外国の高速列車には客車列車のものもあるから、客車、という方式が
高速運転に全く向いていないという事ではないと考えられるが
もともとあまり高速運転を考慮していない線区で速度を上げるのは
ブレーキに負担がかかるため、少々危険な事でもある。
ちなみにトンネル内や高架線などではこの「非常ブレーキ、600m」の制限も緩和される。
踏切がない、というのはその理由である。
例で言えば青函トンネル内では485系でも140km/hで走行するし、丹那トンネル内では
115系でも110km/hを越えてしばしば走行する事もある。
能力的には可能なのである。
ただし、前述したが電動機は起動時に最大トルクが発生し、回転数が高くなるにつれ
トルクは減少し、加えて鉄道車両ではモーターの減速比は固定である。
つまり、設計時に設定された速度域を越えた状態では、加速も緩慢になりやすい、
という事である。
これは、最高速付近で走行する場合に、減速を要するポイントがあると
再加速に多くの時間が必要だ、という事である事であるからダイア設定の熟慮が
定時運行には欠かせないという条件を意味する。
かつて、EF65が直流区間でブルートレイン牽引機の主力だった頃、
機関士サイドでは「EF58の方が特急向きだ」などという意見が多かったようだが
その理由はこの減速比の問題によるものだ、と聞く。
勿論、EF65の方がモーターの出力は大きいが、貨物牽引にも使用できるように設計
したため、減速比が大きくなってしまい、低速重視の特性になってしまったという訳だ。
山陽区間では峠越え線区があるから、それへの配慮もあっての事だろうが
このため、平坦区間での常用速度域の加速が緩慢となり、その解決には後のEF66の起用
まで待たなくてはならない事となった。
現在であれば貨物会社が別個であるからして、旅客専用の機関車とする事も可能であったのだろうが..
客車列車の場合、加速、減速の双方に於いて電車よりは不利であるから
無闇に高速化を図らないというダイア設定は正しいことであるし
その意味で、2列車のダイアは良いダイアであると言えるであろう。
補間する意味で、前後を電車特急が雁行しているという施策も正解である。
分散動力方式とよばれる電車、駆動力が分散するし、電気抑速ブレーキの場合も
電動車全体に制動がかかるから車体が安定する。
一般的にみて60km/hを越えると機械ブレーキよりも効きが良いと言われるから
この点も電車が有利である、つまり、強力なブレーキを効かせたとしても
車体が安定しやすいと言う事だから在来線の高速運転には特に向いていると言う事になる。
ただ、寝台列車の居住性、静粛性という点では客車の方に一日の長がある、と言えるが。
*最高速、電車と客車。
すでにご存じの通り、ブルー・トレイン、この2列車「富士」の最高速は110km/hであり、
比較対象の電車特急、例えば「ソニック」などは130km/h運転を行っている。
機構的に客車列車では130km/h運転が出来ないと言う訳ではなく、
これは運行規則上の問題であり、「最高速度走行中に、非常ブレーキ使用で600mで
停止しなくてはならない」という規則のためにそうダイアが組まれているというだけの事である。
例えば、諸外国の高速列車には客車列車のものもあるから、客車、という方式が
高速運転に全く向いていないという事ではないと考えられるが
もともとあまり高速運転を考慮していない線区で速度を上げるのは
ブレーキに負担がかかるため、少々危険な事でもある。
ちなみにトンネル内や高架線などではこの「非常ブレーキ、600m」の制限も緩和される。
踏切がない、というのはその理由である。
例で言えば青函トンネル内では485系でも140km/hで走行するし、丹那トンネル内では
115系でも110km/hを越えてしばしば走行する事もある。
能力的には可能なのである。
ただし、前述したが電動機は起動時に最大トルクが発生し、回転数が高くなるにつれ
トルクは減少し、加えて鉄道車両ではモーターの減速比は固定である。
つまり、設計時に設定された速度域を越えた状態では、加速も緩慢になりやすい、
という事である。
これは、最高速付近で走行する場合に、減速を要するポイントがあると
再加速に多くの時間が必要だ、という事である事であるからダイア設定の熟慮が
定時運行には欠かせないという条件を意味する。
かつて、EF65が直流区間でブルートレイン牽引機の主力だった頃、
機関士サイドでは「EF58の方が特急向きだ」などという意見が多かったようだが
その理由はこの減速比の問題によるものだ、と聞く。
勿論、EF65の方がモーターの出力は大きいが、貨物牽引にも使用できるように設計
したため、減速比が大きくなってしまい、低速重視の特性になってしまったという訳だ。
山陽区間では峠越え線区があるから、それへの配慮もあっての事だろうが
このため、平坦区間での常用速度域の加速が緩慢となり、その解決には後のEF66の起用
まで待たなくてはならない事となった。
現在であれば貨物会社が別個であるからして、旅客専用の機関車とする事も可能であったのだろうが..
客車列車の場合、加速、減速の双方に於いて電車よりは不利であるから
無闇に高速化を図らないというダイア設定は正しいことであるし
その意味で、2列車のダイアは良いダイアであると言えるであろう。
補間する意味で、前後を電車特急が雁行しているという施策も正解である。
分散動力方式とよばれる電車、駆動力が分散するし、電気抑速ブレーキの場合も
電動車全体に制動がかかるから車体が安定する。
一般的にみて60km/hを越えると機械ブレーキよりも効きが良いと言われるから
この点も電車が有利である、つまり、強力なブレーキを効かせたとしても
車体が安定しやすいと言う事だから在来線の高速運転には特に向いていると言う事になる。
ただ、寝台列車の居住性、静粛性という点では客車の方に一日の長がある、と言えるが。
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