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〜24系25形"はくつる"12列車〜 2002/12
[南部をゆく]
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野辺地、三沢、八戸と青森県内、まだ東北新幹線延伸にならない区域を12列車は走行し
岩手県内にさしかかる。
八戸までは「立席特急券」と言う制度で、寝台セットをしていない車両を座席車として利用する
運用がなされている。国鉄時代からこの制度によってB寝台車を座席指定特急として
活用していたが、さて、寝台の乗客にとってはあまり有難くない運用だとの評判でもある。
同じ寝台料金なのにたまたま立席運用の車両の寝台券を入手したら横になることもできないが
他の車両に当たった場合なら同じ料金で寝台にごろり、と横になる事もできるのであるから
確かにこれは少々不公平と言わざるを得ないと思える。
JR側としても、立席運用の車両はなるべく寝台券を売らないようにしていると聞くが
それにしても繁忙期では売らないという訳にも行くまい。
立席特急券を買った側からすれば、L特急が走っていればリクライニング・シートの自由席で
ゆっくり寛げるところをボックス席、寝台の長椅子に「お邪魔します」というのでは
指定席料金が勿体無い、と思っても不自然ではないだろう。
もともと、国鉄時代末期に利用率向上、列車本数の少ない路線の活用化を目的として
運用が始まったこの立席制度だからそろそろ時代にそぐわなくなって来ているという感が強い。
事実、立席制度があるとは言え、それほど多数の乗降を見た記憶は殆ど無く乗客の方も
心得ているのだろうと思う。
八戸を過ぎると、この12列車の立席運用も終わり夜行列車運用らしい落ち着いた雰囲気が
車内にそろそろ漂い始める。
規則では一応寝台利用時間は21時から6時まで、この時間内で寝台を利用出来なかった場合は
寝台料金を返還する、と時刻表のピンクのページには記載されている。
しかし現状、ニュー・ブルー・トレインといわれた24系、14系などの運用の頃からは寝台セット
解体という作業を行わずに基地で寝台をセットし座席車とはせずにそのまま終着駅まで走行
という列車も増えて来たようだ。その代わり、21:00にならなくても寝て良いし、6:00を過ぎても
寝ていて良い、という運用だから昼寝もOK、という列車も多くなっているようである。
それ故、立席特急券による寝台車の座席運用は現状、やや不公平感があると言われる訳だ。
まあ、流石に走行時間が午後に渡って運行する列車ではそのような事は無いようだが
現在、殆どのブルー・トレインが運行区間の短縮などの措置が取られているために
前夜乗車して翌日午後まで乗り続けるというような列車はそれ程多くないが。
[戸]
12列車は八戸を出て、岩手県内の駅を定時通過、定刻到着と見事にダイア通りの運行を
続けている。
しかし、この日の12列車は青森駅での乗車率が高かった為かあまり多数の乗降は見られず
駅に到着してもホームで待っている方は数人程度、といったところ。
淡々と何事もなく、EF81はブルー・トレインを率いている。
八戸、七戸、五戸、三戸、二戸、一戸..と、このあたりの駅は「戸」という文字が付くのが
面白いが由来は古代末期よりの地域呼称であるそうで、「糠部郡」と呼ばれていた地域の
地名として呼ばれたものだと聞く。云われを紐解けば....
馬産地であったこの地域の牧場の「戸」の数、ハウスナンバーの名残りであったのではないか
などと考えられているそうだが、なんとも古式ゆかしい地名であり、歴史の重みを感じさせる
「戸」である。
これを「はちのへ」「ごのへ」と読ませる所もユニークで楽しく、語感としては硬さが無くて良いな、とも思う。
[深夜の新幹線ターミナル....]
盛岡到着も定時、23:42分。
人影も無いプラット・ホームががらんと広く、高架の東北新幹線ホームは電灯も消えてぼんやりと
コンクリートの桁だけが風に吹かれている。
しばしの停車にEF81もモーターを休めている事だろう。ここで小休止といったところか。
牽引機関車は青森から上野まで交換は無しだから結構ハードな運用である。
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