旅と鉄路

深町珠

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〜24系25形"はくつる"11列車〜 2002/11

発電ブレーキ。

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-------[memo]---------

*発電ブレーキ。

電動車の場合モーターに電力を送る事で駆動力を得るが、反対に
走行中に電力を絶つとモーターの回転により電力が得られる。
モーターが発電器になるのだが、電気抵抗器を接続するとその抵抗値が
モーター回転によって発生する磁力を左右し、磁力の作用がモーター回転を抑制する。
モーターの電気巻線に電力が発生し、電磁石として働くためだがそれを利用した制動装置が
電気ブレーキであり、電気抵抗器によって熱として大気中に放散するものを発電ブレーキ、
電力を架線に返還するものを回生ブレーキという。
なお、電気機関車にも同様なブレーキ機構がある。

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電化以前にニレチをされていた方の談では、この区間の貨物列車運行は困難だったそうで
坂道で停止した後、引き出し発進が出来ず立ち往生したりすると、車掌がレールに
砂撒したそうだ。蒸気機関車が汽笛で合図すると、バケツを持って線路に降り、
手作業で黙々とこれを行い、峠を越えたと言う。
鉄道車両、レールも車輪も金属であるから回転時のレール/車輪間の摩擦力発生が少なく
発進時はこれが問題になるが、惰力走行時はこれが利点にもなる。

前回、1号に掲載した矢立峠のD51の写真などは、そんな雰囲気を少々表現したつもり
だそうで(因みに、撮影者はその国鉄職員で、カメラはヤシカ、レンズはツァイスだそうだ。
自己現像、手焼きプリントである。)




野辺地で制限は解除となり、おそらくは制限一杯の110km/hと思われる速度で
11列車は青森を目指す。
青森到着は遅れがかなり回復し9時15分であった。一時は1時間以上遅れていたのだから
定刻より45分ほどの遅れに回復したのは流石というべきだろう。
朝のがらんとした青森駅ホームで一息ついているという雰囲気の24系25形「はくつる」は
ごくろうさん、と言いたくなるような雰囲気でそこに佇んでいるようでもあった。



乗客はさっ、と降車していったが、筆者は名残惜しくて車内に残っていたら
40代くらいの車掌がにやり、と笑い「車庫に入っちゃうよ」と言うのでデッキから車外に降りた。
今日は奥羽本線の方を回ろうかな、と思いながらとりあえず跨線橋を登って
青森駅の外へ出た。
どのみち、接続列車に予定していた701系快速「つがる」は出発した後だから
485系特急「かもしか」で行こうかな、などと思いながら。






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