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sweet little deville

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そうして、また土曜日。
ルグランは、古ぼけた国産の白い乗用車に
老母を乗せて。

図書館に来る。

なんとなく、今まで。土曜に来て
セシルに会うと。

嬉しいような、恥ずかしいような。
不思議な気持になるので・・・。

会わないようにしていた、ような。
そんなところもあったけど。


ボーイ・ミシェルが「セシルが淋しがっている」などというので
尚更気になってしまう(^^)。


ふつうに、ふつうに。

そう思っても、ぎこちなくなってしまう。
心は青年のルグランである。


本当に青年だったら、どんなにか楽だろうと思う。
普通に恋愛すればいいのだし。


今日も、カウンターにセシル、クリスタさん。なぜか、めぐも居る(^^)。

3人並んでいると、なんとなく・・・セシルのところを避けたくなるルグラン。

そうすると、セシルは手をあげた。

こちらへどうぞ、とでも言っているようにルグランを見るので・・。
ルグランは、なんとなく仕方なく(笑)そちらに行ってしまう。


こんにちは、と・・・にこやかに笑う、セシル。

屈託なく、どこにも、曇りが無い様。

だからと言って、何かを求めるワケでもないのだが。


今日は、貸し出しカードの更新時期で・・・。


「身分証明をお持ちですか?」と、セシル。

きょうは、モノ・クロームの花柄ブラウスと、ロングスカート。
ちょっと大人っぽい。


ルグランの名前を呼んで。嬉しそうに言うので・・・。

ルグランも、なんとなく愛らしく思ってしまう・・・・。

こういう気持って、なんだろうな、と。







セシルは、カウンターの中で
なんとなく和んでいた。

なぜ、そうなるのか解らないけれど
ルグランさんと、図書の貸し借りをしているだけの間。
それが、楽しい、嬉しい。

今日は、少しお話ができた。
名前を呼べて。


それだけのことだけど。

セシルの、ちょっとしたオトメちっくロマンだった。

空想の中で、楽しむ。そんな時間。


だから。

カウンターに来る、ルグランを見かけて
手をあげて。


「こっちへきて」と、言いたいけど、言わない。


そのもどかしさが、なんとなく・・・・ステキ。
セシルの、ちょっとした楽しみだった。











そんな様子を見ている、クリスタさんは天使さんなので・・・。

「セシルちゃん、かわいいわ」と、にこにこ、ふんわり。ふわふわ。


おとなりのカウンターで、のんびり。

ずーっと前、クリスタさんが天使さんになる前・・・。
そんな気持になった事があった。
思い出していて、和んだクリスタさんだった。








めぐは、なぜか3人目のカウンターに居て

セシルとルグランを見ていた。


「セシルは・・でも、天性の魔女ね」と(^^;


自分で気が付いていないけど、ルグランを惑わせている。

「なんだっけ、ふるーい映画の。」

ヘプバーンだったかな。

そんなことを連想した。



「セシルも魔法使いかも」(^^;

なーんて、思う。



小悪魔セシル、か(^^)。
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