バス・ドライバー日記

深町珠

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あいあい

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 2号車は、ビュフェ、みたいなカウンタースタイル。
景色が楽しめるように、窓際のカウンターもあって。
3号車寄りに、スタンプの台があって・・・。

友里絵は「あ!これかー」

さかまゆちゃんは「ハイ」と、にこにこ。4人に乗車証。

由香は「絵葉書かな」


さかまゆちゃん「ハイ。送れますね」

愛紗「スタンプを、綺麗に押すのがまた、技」

菜由「イモ判みたいに」

さかまゆちゃん「なつかしいですね」と、にこにこ。
髪型が、大正モダン・ガールみたい。だけど
幼い女の子がしてると、可愛い感じ。

友里絵は「さかまゆちゃんのちっちゃいころ、可愛かったね、きっと」


さかまゆちゃん「えー、そうですか?」と、びっくり。

「そんなふうに言われたことないですー。」と、可愛い言い方。


由香「昔っから大きいの?」と、由香。


さかまゆちゃんは「ハイ。小学生から大きくて。いつも席は一番後ろ」


友里絵「昼寝に最適」

ふふふ・・・と、さかまゆちゃん。かわいく笑う。


由香「アンタと一緒にすんなって」と。つっついて。


友里絵「そーなんだぁ、あたしは大体前の方だから。寝たくても寝られない」

由香「寝てたじゃん」


さかまゆちゃんも楽しそうに笑う。「同じ学校ですか?みなさん」


友里絵・由香「あたしらはね。神奈川の」

菜由「あたしと愛紗は別。九州組」

友里絵「組かい」

由香「なんか、あちらの組みたい」

友里絵「三年ん~、B組~ぃ!!」

由香「そっちじゃなくて」(^^)


さかまゆちゃん「ホントにお笑いコンビみたいですね」と、にこにこ。




列車がスピードを落とす。と・・・・。


線路に沿ったたんぼ道の彼方から、騎馬兵みたいなインディアンの扮装をした人馬。
ぱかぱか。

3頭。


友里絵「あ!お馬さんー。」


由香「乗馬好きだもんね、友里絵」

ぱっかぱっか。


さかまゆちゃんは、カウンターのところにあるマイクでアナウンス。




ーーー列車強盗、ではありませんのでご安心ください(^-^)。
地元の乗馬クラブの協力、アトラクションですーー。


友里絵「どうせなら撃ちたいなぁ」

菜由「アブねー奴」

由香「ハハハ」


菜由「ゆりゆりちゃんね」


友里絵「え?ゆるゆりみたい」


由香「ハハハ。深夜アニメかい」


友里絵「あんたはゆかゆか・・じゃ、つまんないね。あおゆかだと
なんか虫みたいだしなぁ」


由香「ほっとけ」

菜由「ハハハ」

友里絵「でも、なゆなゆだとなんか、可愛く聞こえるね」


菜由「何が言いたい」


友里絵「別に」


愛紗「あたしは、それだと・・。」

菜由「アイアイじゃ、お猿さんだしなぁ」

友里絵「♪あーいあい、あーいあい♪」

由香「ハハハ、幼稚園から成長しとらん!困った、困った!」


菜由「御前様かいな」



列車が減速し始める。


「駅かな?」と、友里絵。



カウンターの中に居た、もうひとりのCAさん。

すらり、スリム。顔立ちすっきり。
フランスのお人形さんみたいに、白い肌。

黒髪、まっすぐ。マシュルームみたい、ちょっと長めに
面長。ふたえ。
つぶらな瞳。

にっこり。


マイクで、アナウンス。

ー間もなく、阿蘇、阿蘇に着きます。2番乗り場、右側のドアからお降り下さい。
列車は20分ほど停車致します。阿蘇、草千里方面、路線バスは
改札を出まして左側、バスセンターに御座います--

ちょっと、お鼻に掛かる、フランス語みたいな声。


「かわいーな、あの子」と、友里絵。

とことことこ・・・。と。「こんにちはー」


その子「いらっしゃいませ・・さかまゆのお友達?」

友里絵「ハイ。ゆりゆりです」と、言うと

その子は楽しそうに笑った「かわいい!ゆりゆりちゃん!」と、言って
にっこり。

友里絵は、カウンターに乗り出して見た・・・ら。

スカートの横のチャックが開いてる(^^)。
白いレースのパンティが見える。

友里絵は「ねね、チャック開いてる」と、つっつく。

その子は「え!、いやーあー、エッチー!」と、後ずさりして。カウンターに屈んで。

それだと、余計チャックが閉まらない(笑)。


さかまゆちゃんが来て「どしたの?とも?ああ、だーれもいないわよ。
あたしが盾になってあげる」と。
おおきいから(^^)。

ともちゃんは「ありがと」と言って。それでも気にして
床に立てひざして。チャックを閉めた。




「ふう」と、ふつうの顔になる。

「ごめんなさーい」と、にっこり。何も言わないと
お人形さんみたいに、すっきり、凛。


友里絵は「フランス人かと思っちゃった」

名札は

熊本車掌区
  鈴木

とあるので

由香は「日本人だって」と、(^^)。





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