284 / 328
高森線
しおりを挟む
立野駅では、高森線ホームが山のほうにあって
ディーゼルカーが待機している。
特急「あそ」は、スイッチバックで
ここからバックして出発するので
前方に見える線路は、高森線だ。
ばたり、と
バスのような折り戸が開いた。
車掌さんが「高森線は先方です」と、手をさしのべて
方向を示す。
「ああ良かった。乗り継ぎがあって」と、菜由。
愛紗は「ほんと。」
由香は「まあ、特急だからあるとは思ったけど」
友里絵は、とっとことっとこ。先に行って「はーやーくーぅ」と、にこにこ。
ホームの先端まで歩いて行くと、スロープになっていて
構内踏み切りがある。と言っても、スイッチバックなので
列車が来る事はないから、安全だ。
そこに改札があり、改札の右に高森線ホームがある。
一応、特急からの乗り継ぎなので
駅員が改札口に居て、特急券を回収している。
愛紗たちは周遊券なので・・・愛紗が4人の周遊券を見せると
駅員が「遠くから、ご苦労様」と、なぜか敬礼。
愛紗も、なんとなく敬礼(^^)。
友里絵も。敬礼。
由香も。菜由も。
「なんか、面白いね。なんだろねこれ」と、友里絵。
由香は「知らない」
友里絵は「あんたが知ってるとは思ってなーい」(^^)。と、高森線ディーゼルカーに向かっ
て駆け出した。
由香は「このー。マテ、これ!」と、追いかけて・・・。
ふるーいディーゼルカーが、がらがらがら・・・・こぽこぽこぽ・・・・。と
停まっている。
・
・
・
熊本駅に到着した回75M「有明」は
ここから75M「有明」になる。
ドアを開ける。
駅のベンチに座っていた旅客が、ぱらぱらと乗り込む。
乗務員室扉を開いて、恵が降りた。
携行品の入っている黒いハードケース、それと
カンテラ、ソフトバッグ。
真由美ちゃんは、後から降りて。
本務車掌が、既に待機。
年配の男性、長閑な雰囲気、笑顔、にこにこ。
四角い顔。日焼けしていて。
敬礼して、ご苦労様。
恵も、同じく、敬礼して、ご苦労様です。
「やあ、真由美ちゃん」と、本務車掌。
時折、乗務で会う人。
列車によっては、車掌が居り
真由美ちゃんたちは、ワゴンだけ。そういう列車もある。
新幹線などがよい例。
真由美ちゃんは、にっこり、ぺこり。「ご苦労様です」
「随行?あ、お休みか」と、本務車掌は、にこにこ。
恵が「新水前寺で偶然会って。連れて来ちゃった」と、にっこり。
本務車掌は「ははは。心配だもんね。可愛い子がひとりだと」
と、笑いながらも車掌室に入り、スイッチ、計器確認。
指差確認。方向幕よし!
ホームに下りて「後部よし!」
じゃ、と
恵は挨拶して、携行品を持って。
「行きましょ」と、真由美ちゃんに。
本務車掌は左手を上げて。
真由美ちゃんも、挨拶して。
「じゃ、行こう?わたし、帰着点呼してくるから
車掌区に一緒に」
真由美ちゃんは「はい」
恵は「あ、でもイヤか、休みの日に仕事場」と、いたずらっぽく笑う。
なんか、高校生みたいにかわいらしい(^^)。
真由美ちゃんは「いえいえ」と。にこにこ。
そんな気持は無かったり。
だいたい、列車そのものが「仕事場」なのだった(^^)。
「お兄ちゃん、きてるかな」と、恵。
「さあ・・・・」と、真由美ちゃん。
・
・
・
その「お兄ちゃん」は・・・。
そろそろ、熊本駅に着く頃だ。
ゆるーい右、大カーブを
減速しながら。
場内、進行!
信号現示確認。
旅客線ではなく、貨物ホームへと進行する。
番線、進行!
番線信号機が、青である事を確認。
先ほどから、MCは0ノッチである。
電力抑速ブレーキが作動中。
旧式の計器板に「電気ブレーキ」と、書かれた白いパネルに
白熱電球の、黄色い明かりが。ぽっ、と点灯。
電力計の下である。
速度、30!
貨物列車なので、なかなか停まらない。
ゆっくり、ゆっくり進行する。
停止位置が見えてきた。
門型の架線吊りから、信号灯が示されている。
先ほど、編成ブレーキを掛けてから、停止前に緩めて。
そうすると、機関車の慣性に引っ張られて
連結器ばねが伸びていく。
編成後ろまで伸び切ったあたりで、電磁直通ブレーキを掛ける。
連結器間隙が、伸びた状態で固定される。
客車列車、特に夜行は
この技術がないと、発進時に揺れが大きく
寝ている乗客が床に落ちたりする。
貨物なら、荷崩れ、荷物の損傷などの原因になるのだ。
静かに停止したところで・・・・。機関車単弁、と言われる
機関車ブレーキを掛ける。
すでに、停止しているので最大位置。
停止位置、よし!
上手く停まった。
そんな、小さな事でも技術を要する機関士の仕事は
誇りを持って望めると、彼は思う。
室内灯をつけ、最終確認。
空気圧、よし!
電力、よし!
電圧、よし!
ディーゼルカーが待機している。
特急「あそ」は、スイッチバックで
ここからバックして出発するので
前方に見える線路は、高森線だ。
ばたり、と
バスのような折り戸が開いた。
車掌さんが「高森線は先方です」と、手をさしのべて
方向を示す。
「ああ良かった。乗り継ぎがあって」と、菜由。
愛紗は「ほんと。」
由香は「まあ、特急だからあるとは思ったけど」
友里絵は、とっとことっとこ。先に行って「はーやーくーぅ」と、にこにこ。
ホームの先端まで歩いて行くと、スロープになっていて
構内踏み切りがある。と言っても、スイッチバックなので
列車が来る事はないから、安全だ。
そこに改札があり、改札の右に高森線ホームがある。
一応、特急からの乗り継ぎなので
駅員が改札口に居て、特急券を回収している。
愛紗たちは周遊券なので・・・愛紗が4人の周遊券を見せると
駅員が「遠くから、ご苦労様」と、なぜか敬礼。
愛紗も、なんとなく敬礼(^^)。
友里絵も。敬礼。
由香も。菜由も。
「なんか、面白いね。なんだろねこれ」と、友里絵。
由香は「知らない」
友里絵は「あんたが知ってるとは思ってなーい」(^^)。と、高森線ディーゼルカーに向かっ
て駆け出した。
由香は「このー。マテ、これ!」と、追いかけて・・・。
ふるーいディーゼルカーが、がらがらがら・・・・こぽこぽこぽ・・・・。と
停まっている。
・
・
・
熊本駅に到着した回75M「有明」は
ここから75M「有明」になる。
ドアを開ける。
駅のベンチに座っていた旅客が、ぱらぱらと乗り込む。
乗務員室扉を開いて、恵が降りた。
携行品の入っている黒いハードケース、それと
カンテラ、ソフトバッグ。
真由美ちゃんは、後から降りて。
本務車掌が、既に待機。
年配の男性、長閑な雰囲気、笑顔、にこにこ。
四角い顔。日焼けしていて。
敬礼して、ご苦労様。
恵も、同じく、敬礼して、ご苦労様です。
「やあ、真由美ちゃん」と、本務車掌。
時折、乗務で会う人。
列車によっては、車掌が居り
真由美ちゃんたちは、ワゴンだけ。そういう列車もある。
新幹線などがよい例。
真由美ちゃんは、にっこり、ぺこり。「ご苦労様です」
「随行?あ、お休みか」と、本務車掌は、にこにこ。
恵が「新水前寺で偶然会って。連れて来ちゃった」と、にっこり。
本務車掌は「ははは。心配だもんね。可愛い子がひとりだと」
と、笑いながらも車掌室に入り、スイッチ、計器確認。
指差確認。方向幕よし!
ホームに下りて「後部よし!」
じゃ、と
恵は挨拶して、携行品を持って。
「行きましょ」と、真由美ちゃんに。
本務車掌は左手を上げて。
真由美ちゃんも、挨拶して。
「じゃ、行こう?わたし、帰着点呼してくるから
車掌区に一緒に」
真由美ちゃんは「はい」
恵は「あ、でもイヤか、休みの日に仕事場」と、いたずらっぽく笑う。
なんか、高校生みたいにかわいらしい(^^)。
真由美ちゃんは「いえいえ」と。にこにこ。
そんな気持は無かったり。
だいたい、列車そのものが「仕事場」なのだった(^^)。
「お兄ちゃん、きてるかな」と、恵。
「さあ・・・・」と、真由美ちゃん。
・
・
・
その「お兄ちゃん」は・・・。
そろそろ、熊本駅に着く頃だ。
ゆるーい右、大カーブを
減速しながら。
場内、進行!
信号現示確認。
旅客線ではなく、貨物ホームへと進行する。
番線、進行!
番線信号機が、青である事を確認。
先ほどから、MCは0ノッチである。
電力抑速ブレーキが作動中。
旧式の計器板に「電気ブレーキ」と、書かれた白いパネルに
白熱電球の、黄色い明かりが。ぽっ、と点灯。
電力計の下である。
速度、30!
貨物列車なので、なかなか停まらない。
ゆっくり、ゆっくり進行する。
停止位置が見えてきた。
門型の架線吊りから、信号灯が示されている。
先ほど、編成ブレーキを掛けてから、停止前に緩めて。
そうすると、機関車の慣性に引っ張られて
連結器ばねが伸びていく。
編成後ろまで伸び切ったあたりで、電磁直通ブレーキを掛ける。
連結器間隙が、伸びた状態で固定される。
客車列車、特に夜行は
この技術がないと、発進時に揺れが大きく
寝ている乗客が床に落ちたりする。
貨物なら、荷崩れ、荷物の損傷などの原因になるのだ。
静かに停止したところで・・・・。機関車単弁、と言われる
機関車ブレーキを掛ける。
すでに、停止しているので最大位置。
停止位置、よし!
上手く停まった。
そんな、小さな事でも技術を要する機関士の仕事は
誇りを持って望めると、彼は思う。
室内灯をつけ、最終確認。
空気圧、よし!
電力、よし!
電圧、よし!
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
DiaryRZV500
深町珠
青春
俺:23歳。CBX750F改で峠を飛ばす人。
Y:27歳。MV750ss、Motoguzzi850,RZ350などを持っていた熱血正義漢。熱血過ぎて社会に馴染めず、浪人中。代々続く水戸藩御見医の家のドラ息子(^^:。
Nし山:当時17歳。RZ250。峠仲間。
などなど。オートバイをめぐる人々のお話。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
タビスルムスメ
深町珠
青春
乗務員の手記を元にした、楽しい作品です。
現在、九州の旅をしています。現地取材を元にしている、ドキュメントふうのところもあります。
旅先で、いろんな人と出会います。
職業柄、鉄道乗務員ともお友達になります。
出会って、別れます。旅ですね。
日生愛紗:21歳。飫肥出身。バスガイド=>運転士。
石川菜由:21歳。鹿児島出身。元バスガイド。
青島由香:20歳。神奈川出身。バスガイド。
藤野友里恵:20歳。神奈川出身。バスガイド。
日光真由美:19歳。人吉在住。国鉄人吉車掌区、車掌補。
荻恵:21歳。熊本在住。国鉄熊本車掌区、車掌。
坂倉真由美:19歳。熊本在住。国鉄熊本車掌区、車掌補。
三芳らら:15歳。立野在住。熊本高校の学生、猫が好き。
鈴木朋恵:19歳。熊本在住。国鉄熊本車掌区、車掌補。
板倉裕子:20歳。熊本在住。国鉄熊本車掌区、車掌。
日高パトリシアかずみ:18歳。大分在住。国鉄大分車掌区、客室乗務員。
坂倉奈緒美:16歳。熊本在住。熊本高校の学生、三芳ららの友達・坂倉真由美の妹。
橋本理沙:25歳。大分在住。国鉄大分機関区、機関士。
三井洋子:21歳。大分在住。国鉄大分車掌区。車掌。
松井文子:18歳。大分在住。国鉄大分車掌区。客室乗務員。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる