バス・ドライバー日記

深町珠

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IronMan

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由香は「友里絵さ、さっき「退職するまでにディズニーランドへ行く」って言ってたけど
辞めるつもり?」

と、ちょっとまじめに。

友里絵は「なんだよ、人をどついといて・・・つもりって言うか、いつかはそうなるじゃん。
女だし。いつまではできないもん。それにさーぁ・・・・。
九州に引っ越すんなら、辞めるじゃん」


真由美ちゃんも「そうですね、結婚したら退職・・・するのでしょうね。わたしも。」


菜由は「わたしもそうだったけど(^^)。」


愛紗「ひとりだけ」

友里絵「使用済み」


菜由「使用済」

真由美ちゃんは「使用済みなんて」と、きまり悪そうに笑う。
とっても可愛い。


かたかたん、かたかたん・・・と、下りのディーゼル・カーは
軽快に走る。

クラッチを切ってしまえば、転がるだけだ。
電車よりも軽快。

そして、駅が近づくとクラッチをつないでエンジン・ブレーキから
排気ブレーキ。

ディーゼル・エンジンなので、排気ブレーキを使わないと
ピストンが軽く動いてしまうので。



だんだん、里が近づいてくると
人が増えてきたので・・・・

女子会はここまで(^^)。



♪ぴんぽん♪

ーー次は、終点、人吉ですーーー。

と、優しい女声でアナウンス。



「下りは早いね」と、友里絵。

「ホントだ」と、由香。

「いい路線だったね」と、菜由。

愛紗は「ひと駅づつ、降りてみたいね」


真由美ちゃんは「のんびりできますね。家に居ると、どうしても働いちゃうし」


友里絵「そーだよねぇ。なんか、お母さんがばたばたしてるし。落ち着かない。
愛紗はいいなぁ、ひとり暮らしで」


愛紗は「うん。気楽」

真由美ちゃんは「いいですね、憧れちゃうな」


菜由は「真由美ちゃんは可愛いから、すぐ売れちゃうよ」


友里絵「あたしは可愛くないもーん」


菜由「そんなこと言ってないよ」


みんな、笑う。


すーっ、と。人吉駅の構内に近づいて。

クラッチをつないで。
エンジンの音が、がらがらがら・・・・から、ごーん、と。
すこし減速して、排気ブレーキが掛かると
ぐっ、と減速。

停止直前に、キーっ、と機械ブレーキの音がして。

きゅっ、と停まる。




ドアが、がらり、と開く。



空気が、なんとなく清々しく。


「着いたっと。」と、友里絵。


「お茶しよっか」と、由香。


菜由は「宿は?」



愛紗は「3時からだから、ぶらぶら見物しながら歩いていけば」


まだ2時すぎだ。

友里絵「そだね。ちょっとお茶とか」

改札で、愛紗が4人の周遊券を渡して
それぞれ、改札掛に見せて。

真由美ちゃんは、顔パス(^^)

友里絵は「おー。VIP」


真由美ちゃんは「いえいえ、そんな。小さい駅ですし」




友里絵は「そうそう。新人のうちだと、タダでバスに乗ろうとすると
『あんたダレ』

って言われたりして。」


由香「ははは、ありそう。バスって、一杯居るからねー。私服だとわかんないね。」


真由美ちゃん「何人くらいですか?」


菜由「たしか・・・150人くらい」


愛紗「そんなに?!」



真由美ちゃんはびっくり「あ、交番ですものね」



由香「観光とか、嘱託とか、一杯いるんだって。ダイヤが空かないように。
朝寝坊したりするし。」


真由美ちゃん「あー、ありますね。鉄道でも」


愛紗「あるの?」


真由美ちゃんは、こっくり、こっくり。

「列車は、不寝番が居ますから起こしに行きますね。
乗務員宿泊所に寝ていますし。」



友里絵「なーるほど。ガイドと一緒だ」



真由美ちゃんは「でも、私達は自宅ですから、寝過ごすと終わりですね(^^)。
わたしは無いですけれど・・・。」



友里絵は「そうそう!タマちゃんは寝過ごしゼロだって。鉄人だって言ってたね。
野田さんが」


真由美「鉄人」と、くすくす笑う。


友里絵「28号~♪」

由香は、ははは、と笑って「あまりにも古い」


友里絵「わたーしのぉ~記憶がーたしかならー」


由香「料理の鉄人か」


友里絵は、バットで空振りの仕草。おでこなでて


由香「鉄人、衣笠、彼は、アートネーチャーだ」


友里絵は、駆け出す。「ダッシュ!」

由香「それは鉄腕」

真由美ちゃん「面白いですね」と、ころころ笑う。
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