バス・ドライバー日記

深町珠

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日光さん

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大畑駅は、行き止まり。
向きを変えながら、少しづつ坂を登っていくので
行き違いのために、駅が作られる。

以前は蒸気機関車だったので、そんな工夫が必要だったけれど
今はディーゼルエンジンなので、それほどの苦労もない。

でも、線路を作り変える程のこともない。
今では海岸線を通る方が簡単だから。

元々、山奥を通る理由は
戦争をする時に、海から攻められないため、だったと言う。

そのおかげで、山奥に街が出来て
人が住む。

温泉や、観光にと
適当な場所になるわけだ。




さっきのCA、日光さんは車掌業務もしている。
到着した列車の乗務員室から、ホームを見て

「安全、よし!」白い手袋で確認。

信号確認はしなくても良いが、確認している。


凛々しい表情。



友里絵は手マネをして「安全、なんでもよーし。信号、どうでもよーし」


由香は「アホ。ぶっとばされるぞ」


友里絵は「誰に?」


由香「教官」


友里絵「教官!わたしはドジでのろまで間抜けなカメです」


菜由「なつかしいな、それ」

愛紗「なーんか、再放送でやってたね」


由香「まー、友里絵は確かに・・・カメかも」

友里絵「カメ頭」

由香「漢字で書くなよ」


友里絵「へへへ」


由香「welcomeを、ウェルカメって読んでたもんな、オマエ。英語の時間に」


友里絵「そーも読めるじゃん」


菜由「まあ、そうだけど」


愛紗「英語もそうね。読みってわからないもの」


菜由「そうだよね。Isyaも、あいーしゃ、だもんね。人によるけど」

愛紗「そうは言わないね、日本じゃ」


友里絵「アイーンみたい」

由香「バカ」

友里絵「ははは」

由香「アメリカでアイーンを知ってる人っていないでしょ」


友里絵「そかもね」


菜由「名前も流行だもんね」


愛紗「昔は子とか、夫、とか」


由香「定型だったね」

友里絵「満子とか」


由香「・・・おい。」


友里絵「ミツコだよ」


菜由「あーどっきりした」

愛紗「・・・・。」


友里絵「なんだと思ったの?」


菜由「・・・・いや・・・。」


友里絵「さて!クイズ、100人に聞きましたー。」


菜由「なつかしいな」


愛紗「4chだっけ」


由香「関東は6」

愛紗「あ、そうなんだ」



友里絵「いま、石川さんはなぜ、どっきりしたのでしょー、はい、日生さん!」


愛紗「あ、え、えーと・・・。」


友里絵「100人に聞きましたー。その答えはーーー!」

由香「いーかげんに、しろ!」空手ちょっぷ!


友里絵「いたーい、なにすんのぉ」



菜由「それもなつかしTV]


賑々しく、列車は
日本三大車窓の中に。

でも、そんなことに気づかず4人は、楽しそう。




「楽しそう」と、日光さんは
友里絵たちの方へ、ちょこちょこと歩いてきて。


友里絵「歩き方、かわいーね」

日光さん「ありがとうございます」
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