バス・ドライバー日記

深町珠

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7261D、大畑、場内進行!

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でも、なんとなく。
友里絵ちゃんや、由香ちゃん。
菜由や、深町さん。
大岡山営業所のひとたちに出会えただけでも良かったな、と愛紗は思う。



列車は、ゆーっくり進みながら、坂道を登っていく。


「登山電車みたい」と、友里絵。
景色がとてもいい。

ふんわりCAさんが、記念撮影パネルを持ってきて「写真、お撮りしましょうか。」



友里絵は「あ、おもしろそう。」

由香は「制服借りれば」(^^)


「子供用だって」と、友里絵。


「子供じゃん」と、由香。

CAさんもにこにこ。「それでは」と・・・・。
車掌室から、自分の上着を帽子を持ってきて
「合うかな?」

CAさんは、友里絵よりちょっとふんわりなので
入りそう。
帽子はぴったり。

「かっこいいねぇ」と、友里絵。

乗車日記念、のパネルを持って。にこにこ。


CAさんも、にこにこ。

友里絵のケータイ、ストラップがいっぱいついてて
ケータイ本体より重い(^^)それで

友里絵の写真を撮ったり。

由香のケータイでも、撮ったり。


友里絵は「一緒に入って?」と、にこにこ。

CAさんは、「え、わたしですか」まんまるな笑顔。ちょっと茶色っぽい髪を
後ろで纏めて。
友里絵より年下みたいな、かわいらしい人。

友里絵と一緒に、記念日パネルを持って。


「はい、バター」と、友里絵が言って


由香「寅さんかいな」(^^)。


菜由が「撮ってあげる、はいんなよ、愛紗も、由香も」

愛紗も一緒に「入るかなー。」

菜由は「後ろに回って~。背が高い人は」
友里絵はシートに座って。CAさんはしゃがんで。
由香は斜め前。愛紗は後ろ。

車窓は、ゆっくりゆっくり緑は流れる・・・・。
空に向かって飛び出しそう。

ぐるりと回って、下り始めた。


「ありがとう」と、友里絵はにこにこ。

「いえいえ」と、CAさんもにこにこ。

本物の制服なので、胸に名札がついていて「日光」と。ある。

「日光さん」と、友里絵。

はい。と、CAさん。


友里絵は「かわいい名前、おひさまみたいね」(^^)。

CAさんは「はい。明るいでしょ?」と。ふんわり、にっこり。



「ほんと。楽しそう」と、由香。


火曜日なので、観光客はあんまりいないから
CAさんものんびり。


愛紗は「車掌さんもなさるんですか?」


日光さんは「はい。」


菜由は「忙しいですね」


日光さん「平日は、そうでもないですね。切符や精算は、端末で出来ますし
難しいものは、駅でお願いしたりします。」


友里絵「あたしたち、バスガイドなの」

日光さん「いいお仕事ですねー。いろんなところに行けて。
列車で行かれないところにも行けて。
観光列車だと、バスツアーがセットのものもあるので。」

友里絵「一緒に行くの?」


日光さん「いえいえ。列車の乗務員は列車に居ます。普通の観光列車は、折り返しです

。宿泊がセットのものは、添乗したりしますけれど。私達は乗りません。」



友里絵「いろいろあるんですね」


日光さん「はい。身近なものから、高級なものまで。さまざまですね」(^^)。

「わたしたちは、普通の列車乗務員と変わらないです。車掌業務のうち、検札とか、室内

の業務はします。
運転士を目指す人は、男子と同じように研修をしてから、車外の業務もします。
普通列車にも乗務します。」



友里絵「いろいろあるんだね」


日光さん「はい。いろいろです」


列車が、坂を下りきって駅に近づく。

日光さん「あ、それではお仕事なので」と・・・・。

友里絵に貸した上着と帽子を持って(^^)。


車掌室へ。




アナウンスをします。


♪チャイム♪

かわいらしい音。



ーーーまもなく、大畑に到着いたします。お出口は左側、5分停車ですーーーー。


と、きれいな声でアナウンス。





「あのお仕事もいいねぇ」と、友里絵。



「うん」と、由香。

関東では、あんな職業はない。
せいぜい、東海道線のグリーン車CAくらいだけれども
普通列車、通勤客。
だから、路線バスみたいなものだ。

観光地を走るのんびり列車のCA兼車掌、なんて言う
楽しそうな仕事はない。

もとより、観光地ではないのだし。


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