バス・ドライバー日記

深町珠

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ヒントでピント

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「ゆりえがヘンなこと言うから、こんにゃくが食えなくなっちゃったじゃんか」と、由香。(^^)。

「今晩出たりして」と、友里絵。「ふっふっふ・・・・。俺はな、刑事・・・。」
と、渋い声で、帽子のつばの手まね。

「それはコジャック」と、由香。

菜由「よく出てくるねー。」

愛紗「再放送やってたね。宮崎でも」


友里絵は、グラスを手で回して、香りを楽しむ振り・・。「いい香りだ」と。さっきの声。


「それはコニャック」と、由香。


友里絵「半分あたりー。さあ、なんでしょう?」


菜由「うーん。声が渋い、お酒? ヒント!」


友里絵「ヒントでピント!、はじまりまーす。」


菜由「それもかなり・・・懐かしいかも」


由香「わかった!」


友里絵「はい、青島さん!」


由香「声だ!」


友里絵「そうそう。おんなじ声」



愛紗「声・・・・?」


友里絵「そうです!日生さん!どうぞ!あなたの人生は上か、下か。
ハイ&ロー!」


菜由「それも懐かしいなぁ。お昼にやってたね。」


由香「鹿児島はそうなのか」


菜由「え、違うの?」



由香「うん。関東は夜」



菜由「そーなんだぁ。しらなんだ。」



友里絵「じゃーもうひとつ、ヒントです!飛行機!」




菜由「あ、わかった!」


友里絵「はい、石川さん!」


菜由「ポルコだ!」


友里絵「はいー!ピンポンぴんポン!おめでとー。白いギターはあなたのもの!」


由香「それ違くないか?司会者は一緒だけど」


友里絵「鋭いつっこみですねー青島さん!」


由香「都知事と同じ、青島です」


友里絵「キターーーーーー!!」


車掌室で、さっきのCAさんが笑っている。白い手袋で。


「はやとの風」は、日豊本線の隼人駅に到着。



「なーんか、人名に見える」友里絵。


「あるねー。九州は特に。青島もそうだし。」と、由香。


友里絵「そう!あの駅に行くと、あんたが出てきそうでキモっ」


由香「来るな!」


友里絵「行くかい!」


菜由「ははは。でもあるよね。伊集院とか」


友里絵「どーも、あの顔が目に浮かぶなぁ」



愛紗「あの、のんびりさんの」


菜由「堀えもんだっけ」


由香「ちがうちがーう。どこが伊集院なの」

菜由「あっそーか。えーと、光!」


友里絵「かーさん、いってきまーす!」と、敬礼。


由香「なんだそれ」


友里絵「ありがとう」


菜由「あれ、ナースじゃなかったっけ?」



友里絵「そう。婦人警官のもあったんだよー。」


菜由「よく知ってるなー。」



友里絵「あたし、ほら、ヒッキーだったから。」



愛紗「そうなの?」


由香「そうそう。学校嫌だからって。ゲームばっかしてた。
お父さんが「そんなもん、行かなくていい」って。
で、専門学校に入ったわけ。」


愛紗「いろいろあったんだね」


友里絵「そう。でもまあ、今は更正して」


由香「ム所帰り」

友里絵「入ってないって」


由香「コンコン」ドア叩くまね。


友里絵「入ってマース」


由香「入ってるじゃん」

友里絵「しまった!バレた」



菜由も大笑い。車掌さんも笑っている。


友里絵「あ、ウケちゃったー。」



菜由「やっぱ芸人になるべきだー。あんたら」



「なゆも来れば?」と、友里絵。


菜由は「あたし?」


由香「トリオの方がいいじゃん」


菜由「だったら、愛紗の方が」


愛紗「あたし、えー?」


友里絵「紅一点か」


由香「あたしらは黒かい」


友里絵「黒二点」


由香「あんたは赤点」


菜由「ははは。」


面白いね、と、愛紗も笑う。



隼人駅を出発したディーゼル・カーは、そこから
ローカル線らしい線路の肥薩線に入る。

力強く、エンジンを響かせて。
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