130 / 328
小野屋ー向之原
しおりを挟む
山間だった線路が、すこしだけ平地になったと思うと
右手に、大きなお米の倉庫がいくつも。
「すごいねー。ぜんぶお米?」と、友里絵はにこにこ。
「そう・・じゃないかしら」と、愛紗。あんまり詳しくはない。
「お米もたくさん採れるんだ」と、由香。
「暖かいから」と、愛紗。
「リッチだね」と、友里絵。
小野屋駅も、建て替えられて綺麗。
「ちょっと前までは、古ーい駅だったの」と。愛紗。「伯母さんが住んでた駅みたいにね
木造で。」
「駅に住んでるって、なんか楽しそう」と、友里絵。
「鉄道ファンはなりたい仕事かな、たぶん。映画にもあったよね、いくつか」
と、由香。
「あ!知ってるー。なんか、JKの幽霊が出るの。TVで見た」と、友里絵。
本当にあった怖い話、の愛読者だけあって(笑)
ホラーっぽいのは好き。
「ああ、あたしも見たな。それ。赤ちゃんの時に死んじゃった子が
成長して出てくる夢、だったんだよね。駅長さんの。
でも、その駅長さんも死に際で。ひょっとするとお迎えに来たのかな、って」と、由香。
愛紗はよくわからない。「いいお話ね」
「いい話なの?」と、友里絵。「怖い話かと」
由香は「怖いって言えば怖いかもね。でさ、駅長さんは最後の旅を自分の駅から
出るんだよね。あのシーンは、なんだか感動したっけ」と、由香。
愛紗は「そうね。鉄道員生涯を全うして・・・。って。」と、ちょっと連想する。
自分は、そういう人生を送りたいのかな。なんて。
「あたしらの会社も、ちょっと似てるよね」と、由香。
友里絵は「うん。タマちゃんも気に入ってて。ほら、あの人って
国鉄に入れなかったから」と。
愛紗は「入れなかったの?」
由香が「それは聞いた事ある。家の事情なんだって。でも、鉄道員になるより
研究者の方がいいよね。」
友里絵は「あたしらはそう思うけどね。本人の気持は別だし」
愛紗は「うん、わたしも。よくわかるな。気持」
由香は「愛紗はさ、かわいいけど、そういうんじゃない自分になりたい」
愛紗は「そうなのかな。そうかも。女じゃなくなりたいっていうか」
友里絵は「じゃーさ、くっつければいいじゃん」
愛紗は「何を?」
友里絵は「ホース」といって、ぎゃはは、と笑う。
由香も笑う。
愛紗は恥かしくなったけど「心が男なのかな」と。
友里絵は「あー、なんかTVであったね、それも。JCなんだけど
心が男で」
由香は「あー、あったあった!。先生がいい人で、頑張ってくれるんだ」
愛紗は「それ、見たことある。結構前だよね」
と、賑やかに話していると、愛紗も落ち込まないで済む。
友達って、やっぱりいい。
そう、愛紗は思った。
列車は、向之原駅に着く。
ほとんど、もう都会みたいな感じ。
友里絵が「あー、なんか御殿場線の駅みたい」
由香が「ほんとだ。山北とか、あのへん」
愛紗も、なんとなくそう思う。
高校があるのか、学生らしい人たちが何人か。
私服なので、大分へ遊びに行くのだろう。
右手に、大きなお米の倉庫がいくつも。
「すごいねー。ぜんぶお米?」と、友里絵はにこにこ。
「そう・・じゃないかしら」と、愛紗。あんまり詳しくはない。
「お米もたくさん採れるんだ」と、由香。
「暖かいから」と、愛紗。
「リッチだね」と、友里絵。
小野屋駅も、建て替えられて綺麗。
「ちょっと前までは、古ーい駅だったの」と。愛紗。「伯母さんが住んでた駅みたいにね
木造で。」
「駅に住んでるって、なんか楽しそう」と、友里絵。
「鉄道ファンはなりたい仕事かな、たぶん。映画にもあったよね、いくつか」
と、由香。
「あ!知ってるー。なんか、JKの幽霊が出るの。TVで見た」と、友里絵。
本当にあった怖い話、の愛読者だけあって(笑)
ホラーっぽいのは好き。
「ああ、あたしも見たな。それ。赤ちゃんの時に死んじゃった子が
成長して出てくる夢、だったんだよね。駅長さんの。
でも、その駅長さんも死に際で。ひょっとするとお迎えに来たのかな、って」と、由香。
愛紗はよくわからない。「いいお話ね」
「いい話なの?」と、友里絵。「怖い話かと」
由香は「怖いって言えば怖いかもね。でさ、駅長さんは最後の旅を自分の駅から
出るんだよね。あのシーンは、なんだか感動したっけ」と、由香。
愛紗は「そうね。鉄道員生涯を全うして・・・。って。」と、ちょっと連想する。
自分は、そういう人生を送りたいのかな。なんて。
「あたしらの会社も、ちょっと似てるよね」と、由香。
友里絵は「うん。タマちゃんも気に入ってて。ほら、あの人って
国鉄に入れなかったから」と。
愛紗は「入れなかったの?」
由香が「それは聞いた事ある。家の事情なんだって。でも、鉄道員になるより
研究者の方がいいよね。」
友里絵は「あたしらはそう思うけどね。本人の気持は別だし」
愛紗は「うん、わたしも。よくわかるな。気持」
由香は「愛紗はさ、かわいいけど、そういうんじゃない自分になりたい」
愛紗は「そうなのかな。そうかも。女じゃなくなりたいっていうか」
友里絵は「じゃーさ、くっつければいいじゃん」
愛紗は「何を?」
友里絵は「ホース」といって、ぎゃはは、と笑う。
由香も笑う。
愛紗は恥かしくなったけど「心が男なのかな」と。
友里絵は「あー、なんかTVであったね、それも。JCなんだけど
心が男で」
由香は「あー、あったあった!。先生がいい人で、頑張ってくれるんだ」
愛紗は「それ、見たことある。結構前だよね」
と、賑やかに話していると、愛紗も落ち込まないで済む。
友達って、やっぱりいい。
そう、愛紗は思った。
列車は、向之原駅に着く。
ほとんど、もう都会みたいな感じ。
友里絵が「あー、なんか御殿場線の駅みたい」
由香が「ほんとだ。山北とか、あのへん」
愛紗も、なんとなくそう思う。
高校があるのか、学生らしい人たちが何人か。
私服なので、大分へ遊びに行くのだろう。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
光のもとで1
葉野りるは
青春
一年間の療養期間を経て、新たに高校へ通いだした翠葉。
小さいころから学校を休みがちだった翠葉は人と話すことが苦手。
自分の身体にコンプレックスを抱え、人に迷惑をかけることを恐れ、人の中に踏み込んでいくことができない。
そんな翠葉が、一歩一歩ゆっくりと歩きだす。
初めて心から信頼できる友達に出逢い、初めての恋をする――
(全15章の長編小説(挿絵あり)。恋愛風味は第三章から出てきます)
10万文字を1冊として、文庫本40冊ほどの長さです。


愛されない皇子妃、あっさり離宮に引きこもる ~皇都が絶望的だけど、今さら泣きついてきても知りません~
ネコ
恋愛
帝国の第二皇子アシュレイに嫁いだ侯爵令嬢クリスティナ。だがアシュレイは他国の姫と密会を繰り返し、クリスティナを悪女と糾弾して冷遇する。ある日、「彼女を皇妃にするため離縁してくれ」と言われたクリスティナは、あっさりと離宮へ引きこもる道を選ぶ。ところが皇都では不可解な問題が多発し、次第に名ばかり呼ばれるのはクリスティナ。彼女を手放したアシュレイや周囲は、ようやくその存在の大きさに気づくが、今さら彼女は戻ってくれそうもなく……。
エリート警察官の溺愛は甘く切ない
日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。
両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉
人生負け組のスローライフ
雪那 由多
青春
バアちゃんが体調を悪くした!
俺は長男だからバアちゃんの面倒みなくては!!
ある日オヤジの叫びと共に突如引越しが決まって隣の家まで車で十分以上、ライフラインはあれどメインは湧水、ぼっとん便所に鍵のない家。
じゃあバアちゃんを頼むなと言って一人単身赴任で東京に帰るオヤジと新しいパート見つけたから実家から通うけど高校受験をすててまで来た俺に高校生なら一人でも大丈夫よね?と言って育児拒否をするオフクロ。
ほぼ病院生活となったバアちゃんが他界してから築百年以上の古民家で一人引きこもる俺の日常。
――――――――――――――――――――――
第12回ドリーム小説大賞 読者賞を頂きました!
皆様の応援ありがとうございます!
――――――――――――――――――――――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる