124 / 328
旅好きなタマちゃん
しおりを挟む
「でもさーぁ、友里絵って阿蘇とか指宿とか、霧島とか。
良く知ってるね。」と、由香。
「ああ、これ、タマちゃんが行ったんだって。串間も素敵だってさ。
野生のお馬さんが歩いてて」と。友里絵はにこにこ。
「キミの情報はタマちゃん系だな、だいたい」と、由香。
「へへ。バイト仲間だったし。あのお店暇なんだもん。」と、友里絵。
「まー、宮崎はまた今度にして。今回は指宿と熊本、由布院かな。」と、由香。
「そうしようか。」と、友里絵。
「ごめんなさいね。私が」と、愛紗が詫びる。
「いいのいいの。そういう事ないよ。どうせ、全部は回れないし。」と、由香。
「駆け足で回ってもなんかね。ツアーバスみたいだし」と友里絵。
ハハ、とみんな笑う。
普段がそういう旅だから。
休暇はのんびりしたい。
「タマちゃんはどんな旅してたの?」と、由香。
「んー。だいたい、一箇所に3日くらいは居るって。仕事が無い時にね。
タマちゃんが旅行好きなんじゃなくて。お母さんが旅好きなんだって。」と、友里絵。
「いいタマちゃんね」と、伯母さん。
「そうでしょ?」と友里絵、にこにこ。
「キミが喜ぶことか?」と、由香。
友里絵は「なんとなくね。へへ。なんでもね。タマちゃんが言うには・・・
『母は、家に居ると働かなくてはならないと思い込まされて育ったから、
旅に出ないと安心できない』んだと。ウチのお母さんとは違うなー。」
「なんか、わかるな。それ」と、愛紗。
伯母さんも頷く。「そういう人、居るね。」
「なんか、かわいそうだね、それ」と、由香。
「まー、あたしらみたいな不良には無縁な話だ、ハハ」と、友里絵。
「さ、寝ましょ。明日はわたしも駅だし」と、伯母さん。
「何時からですか?」と。由香。
「8時頃でいいの。委託だから。」と、伯母さん。
「ごめんなさい、騒いじゃって。」と、由香。
「いいのよ、楽しかったわ、若返ったみたい。」と。伯母さん。
「じゃ、寝よ!」と、友里絵。
「そだね。明日何時?」と、由香。
「6時くらいに起きればいいけど、習慣で起きちゃうんじゃない?5時くらいには」と
愛紗。
「そうだねー。ハハハ」と、友里絵。
「じゃ、早く寝よ」 もう10時である。
結構喋っていたなぁ----。
愛紗は、二階の自分の部屋に行って。
窓を開けて、少し風を入れて。
久大本線のディーゼル・カーが
かたかた、かたかた・・・と
軽快な音を立てて下っていく。
「これだと、始発には起きられるね」
貨物列車の通らない今の久大本線だから、夜は静かだ。
愛紗の部屋は、和室なので
お布団を敷いて。
着替えて、横になると
「疲れてるなー」と、実感した。
肩や腰のあたりが。
運転実習もあったから、まだ、股が開いたような
ヘンな感覚が残っている(笑)。
普段、股を開く事ってないから。
横になって思う
「深町さんは、それで幸せなんだろうか?」
それは、自分への問いかけでもあったりする。
「自らの幸せって、なんだろう?」
そう思っているうちに、眠りが・・・。
階下では、友里絵と由香が
楽しそうにお布団を敷きながら。
「修学旅行みたいだねー。」
「うんうん。あたしたちって泊まり勤務ないしね。」
その辺りは有馬課長の配慮で、若い未婚ガイドに泊まり勤務は
させなかった。
不祥事があったら大変だし、なによりガイドの人生にも関わる。
そういう事件も、業界では幾つかあったのだ。
不幸なガイドが生まれるのは、有馬にとっても辛い事だから。
有馬は、そういう人間だった。
九州男児である。
良く知ってるね。」と、由香。
「ああ、これ、タマちゃんが行ったんだって。串間も素敵だってさ。
野生のお馬さんが歩いてて」と。友里絵はにこにこ。
「キミの情報はタマちゃん系だな、だいたい」と、由香。
「へへ。バイト仲間だったし。あのお店暇なんだもん。」と、友里絵。
「まー、宮崎はまた今度にして。今回は指宿と熊本、由布院かな。」と、由香。
「そうしようか。」と、友里絵。
「ごめんなさいね。私が」と、愛紗が詫びる。
「いいのいいの。そういう事ないよ。どうせ、全部は回れないし。」と、由香。
「駆け足で回ってもなんかね。ツアーバスみたいだし」と友里絵。
ハハ、とみんな笑う。
普段がそういう旅だから。
休暇はのんびりしたい。
「タマちゃんはどんな旅してたの?」と、由香。
「んー。だいたい、一箇所に3日くらいは居るって。仕事が無い時にね。
タマちゃんが旅行好きなんじゃなくて。お母さんが旅好きなんだって。」と、友里絵。
「いいタマちゃんね」と、伯母さん。
「そうでしょ?」と友里絵、にこにこ。
「キミが喜ぶことか?」と、由香。
友里絵は「なんとなくね。へへ。なんでもね。タマちゃんが言うには・・・
『母は、家に居ると働かなくてはならないと思い込まされて育ったから、
旅に出ないと安心できない』んだと。ウチのお母さんとは違うなー。」
「なんか、わかるな。それ」と、愛紗。
伯母さんも頷く。「そういう人、居るね。」
「なんか、かわいそうだね、それ」と、由香。
「まー、あたしらみたいな不良には無縁な話だ、ハハ」と、友里絵。
「さ、寝ましょ。明日はわたしも駅だし」と、伯母さん。
「何時からですか?」と。由香。
「8時頃でいいの。委託だから。」と、伯母さん。
「ごめんなさい、騒いじゃって。」と、由香。
「いいのよ、楽しかったわ、若返ったみたい。」と。伯母さん。
「じゃ、寝よ!」と、友里絵。
「そだね。明日何時?」と、由香。
「6時くらいに起きればいいけど、習慣で起きちゃうんじゃない?5時くらいには」と
愛紗。
「そうだねー。ハハハ」と、友里絵。
「じゃ、早く寝よ」 もう10時である。
結構喋っていたなぁ----。
愛紗は、二階の自分の部屋に行って。
窓を開けて、少し風を入れて。
久大本線のディーゼル・カーが
かたかた、かたかた・・・と
軽快な音を立てて下っていく。
「これだと、始発には起きられるね」
貨物列車の通らない今の久大本線だから、夜は静かだ。
愛紗の部屋は、和室なので
お布団を敷いて。
着替えて、横になると
「疲れてるなー」と、実感した。
肩や腰のあたりが。
運転実習もあったから、まだ、股が開いたような
ヘンな感覚が残っている(笑)。
普段、股を開く事ってないから。
横になって思う
「深町さんは、それで幸せなんだろうか?」
それは、自分への問いかけでもあったりする。
「自らの幸せって、なんだろう?」
そう思っているうちに、眠りが・・・。
階下では、友里絵と由香が
楽しそうにお布団を敷きながら。
「修学旅行みたいだねー。」
「うんうん。あたしたちって泊まり勤務ないしね。」
その辺りは有馬課長の配慮で、若い未婚ガイドに泊まり勤務は
させなかった。
不祥事があったら大変だし、なによりガイドの人生にも関わる。
そういう事件も、業界では幾つかあったのだ。
不幸なガイドが生まれるのは、有馬にとっても辛い事だから。
有馬は、そういう人間だった。
九州男児である。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
タビスルムスメ
深町珠
青春
乗務員の手記を元にした、楽しい作品です。
現在、九州の旅をしています。現地取材を元にしている、ドキュメントふうのところもあります。
旅先で、いろんな人と出会います。
職業柄、鉄道乗務員ともお友達になります。
出会って、別れます。旅ですね。
日生愛紗:21歳。飫肥出身。バスガイド=>運転士。
石川菜由:21歳。鹿児島出身。元バスガイド。
青島由香:20歳。神奈川出身。バスガイド。
藤野友里恵:20歳。神奈川出身。バスガイド。
日光真由美:19歳。人吉在住。国鉄人吉車掌区、車掌補。
荻恵:21歳。熊本在住。国鉄熊本車掌区、車掌。
坂倉真由美:19歳。熊本在住。国鉄熊本車掌区、車掌補。
三芳らら:15歳。立野在住。熊本高校の学生、猫が好き。
鈴木朋恵:19歳。熊本在住。国鉄熊本車掌区、車掌補。
板倉裕子:20歳。熊本在住。国鉄熊本車掌区、車掌。
日高パトリシアかずみ:18歳。大分在住。国鉄大分車掌区、客室乗務員。
坂倉奈緒美:16歳。熊本在住。熊本高校の学生、三芳ららの友達・坂倉真由美の妹。
橋本理沙:25歳。大分在住。国鉄大分機関区、機関士。
三井洋子:21歳。大分在住。国鉄大分車掌区。車掌。
松井文子:18歳。大分在住。国鉄大分車掌区。客室乗務員。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる