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赤ちゃんほしーい
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由香は「赤ちゃんほしーいって
あの頃言ってたよね、友梨絵、たまちゃんに」
愛紗は、ちょっと驚く「そんな仲だったん?」と、故郷言葉が出て。
「お、いいねぇ。のどかで」と、友梨絵。
由香は「いやいや、そうじゃなくて。
早く結婚して、赤ちゃんほしーいって
そう言ってたの」
愛紗は「そっか。ほしいのはまあ」と
思うけど。まだ無理なのかなー。とか。
旦那さんが居て、安定した暮らしがあって。
でないと。
赤ちゃんだって可哀相だよね。
バスガイドも、だけど
ドライバーなんて更に。
だいたい、こんな暮らしで赤ちゃんなんて
作れない。
と、それを考えたら恥ずかしくなった。
友梨絵は「何赤くなってんの?」
愛紗は「なんでもない」
と、俯いてかぶりを振った。
「でもさ、生き物だもん。それで普通だよってたまちゃんが」と、友梨絵。
愛紗は「そうなの?」
由香は「うん、あたしもね、ゆかとあそんで下さいよーって、迫ったんだけど。はいはい、って。でも、時間が無くていけなかった。どこにも」
友梨絵は「まあ、あたしたちの優しいおじちゃんと言うか。今までいなかったタイプね、たまちゃん」
愛紗は「なんとなく、天使さんって言うか、生き物じゃないみたい」
友梨絵は「そーいう感じ、あるよね。怖くないって言うのか、安心出来るのか。
側に居ると」
由香は「日本が変なのよ。家族って雄雌一対。」
友梨絵は「雄雌って」と、笑った。
由香は「それって税金取る為にそうしたんだって、お父さんが言ってた。」
友梨絵「へー。ま、お父さんひとりじゃ
大変でしょ。すり減って
愛紗「何が??」
由香「うまっか棒ーーーー」
みんな、ぎゃはは、と、笑った。
何それ、って。
煩いJKと変わんない(笑)。
友梨絵は、笑いながら「でも、たまちゃんはハーレムがほしいって感じでもなくて。なんか緩いって言うか。縛っちゃだめって思ったの」
由香「だから、運転手の出戻り女が迫っても
なんとも思わなかった。結構苛々したんじゃない?美人だと。それで事故起こした」
由香は、あの恵美の事を言っているらしい。
友梨絵は「まー、あたしたちが居るのに、あんなのに手を出すとも思えないけど。こっちの方が全然若くて魅力的」と。
愛紗は、にこにこ。「そうだね。あの人って
動物っぽくないもの。お説教しない神父さんと言うか、にこにこしてる校長先生と言うか」
友梨絵は「マンガに出てくる優しいお父さん」
由香は「あー、それ近いかも」
愛紗「でも生きてるんだよね」
友梨絵「なら、あっちもするだろうけど」
由香「やめなさいよ。愛紗が居るんだし」
愛紗「あっちって?」
由香「ほら、赤木みたいなの」
愛紗は、思い出してちょっと
恥ずかしくなった。
動物みたいに、女の子を見る男って
なんか怖くて
高校も女子校だったし、近くの高校に
自転車で通ってた。
田舎でのんびりしてたから。
あんな変な人は見たことが無かった。
みんな知ってる人で、出会うとにこにこして
ご挨拶。
そんな、海辺で、山が近くて。
町まで、鉄道で1時間。
そんな所だった。
愛紗は「なんか、帰りたくなっちゃった」
友梨絵は「どこに?」
愛紗「ふるさと」
由香「いいかもね。お休み貰えば?有給使ってないんでしょ、ずっと。3年だから20日くらいあるよ」
友梨絵は「そう。いい所に生まれ育ってさー。幸せなのに、なんでこんな所に出てきたのか
不思議に思ってた。あたし」
愛紗も「それはー」自分でもよく解らない。
幸せって、そんなものかもしれない。
友梨絵「でも、そこに居てもたまちゃんは
自然ね。」
愛紗「いそうだよね。なんか、畑とか耕してる所に」
友梨絵「なんか、妖怪みたい」
愛紗「そうでもないけど。ほら、トトロとか」
由香「あー、そうかもね。友梨絵、ドラえもんが好きだったじゃない。ちっちゃいころ」
友梨絵「そーいうせいかなー」
由香「そうだよきっと。ドラえもんに家族って変な感じだし」
愛紗は思う。田舎って結構家族は緩くて。
隣近所が全部親戚だったりするし、親戚になったり。
だから、安心だったのもあるし
どこの家の子でも、一緒にご飯食べさせたり
そんな感じだったから、あんまり
気にしてなかった。
なーんとなく聞いた話だと、大昔は
もっと緩くて、戸籍なんてなかったから
誰の子供か、とか言わないから
みんな、一緒に育った。
全部で家族、みたいな感じだったとか。
そういう感じに、深町の雰囲気が
近いのかもしれない。
そう思うと、なーんとなく
帰ろうかな、なんて
愛紗も思った。
あの頃言ってたよね、友梨絵、たまちゃんに」
愛紗は、ちょっと驚く「そんな仲だったん?」と、故郷言葉が出て。
「お、いいねぇ。のどかで」と、友梨絵。
由香は「いやいや、そうじゃなくて。
早く結婚して、赤ちゃんほしーいって
そう言ってたの」
愛紗は「そっか。ほしいのはまあ」と
思うけど。まだ無理なのかなー。とか。
旦那さんが居て、安定した暮らしがあって。
でないと。
赤ちゃんだって可哀相だよね。
バスガイドも、だけど
ドライバーなんて更に。
だいたい、こんな暮らしで赤ちゃんなんて
作れない。
と、それを考えたら恥ずかしくなった。
友梨絵は「何赤くなってんの?」
愛紗は「なんでもない」
と、俯いてかぶりを振った。
「でもさ、生き物だもん。それで普通だよってたまちゃんが」と、友梨絵。
愛紗は「そうなの?」
由香は「うん、あたしもね、ゆかとあそんで下さいよーって、迫ったんだけど。はいはい、って。でも、時間が無くていけなかった。どこにも」
友梨絵は「まあ、あたしたちの優しいおじちゃんと言うか。今までいなかったタイプね、たまちゃん」
愛紗は「なんとなく、天使さんって言うか、生き物じゃないみたい」
友梨絵は「そーいう感じ、あるよね。怖くないって言うのか、安心出来るのか。
側に居ると」
由香は「日本が変なのよ。家族って雄雌一対。」
友梨絵は「雄雌って」と、笑った。
由香は「それって税金取る為にそうしたんだって、お父さんが言ってた。」
友梨絵「へー。ま、お父さんひとりじゃ
大変でしょ。すり減って
愛紗「何が??」
由香「うまっか棒ーーーー」
みんな、ぎゃはは、と、笑った。
何それ、って。
煩いJKと変わんない(笑)。
友梨絵は、笑いながら「でも、たまちゃんはハーレムがほしいって感じでもなくて。なんか緩いって言うか。縛っちゃだめって思ったの」
由香「だから、運転手の出戻り女が迫っても
なんとも思わなかった。結構苛々したんじゃない?美人だと。それで事故起こした」
由香は、あの恵美の事を言っているらしい。
友梨絵は「まー、あたしたちが居るのに、あんなのに手を出すとも思えないけど。こっちの方が全然若くて魅力的」と。
愛紗は、にこにこ。「そうだね。あの人って
動物っぽくないもの。お説教しない神父さんと言うか、にこにこしてる校長先生と言うか」
友梨絵は「マンガに出てくる優しいお父さん」
由香は「あー、それ近いかも」
愛紗「でも生きてるんだよね」
友梨絵「なら、あっちもするだろうけど」
由香「やめなさいよ。愛紗が居るんだし」
愛紗「あっちって?」
由香「ほら、赤木みたいなの」
愛紗は、思い出してちょっと
恥ずかしくなった。
動物みたいに、女の子を見る男って
なんか怖くて
高校も女子校だったし、近くの高校に
自転車で通ってた。
田舎でのんびりしてたから。
あんな変な人は見たことが無かった。
みんな知ってる人で、出会うとにこにこして
ご挨拶。
そんな、海辺で、山が近くて。
町まで、鉄道で1時間。
そんな所だった。
愛紗は「なんか、帰りたくなっちゃった」
友梨絵は「どこに?」
愛紗「ふるさと」
由香「いいかもね。お休み貰えば?有給使ってないんでしょ、ずっと。3年だから20日くらいあるよ」
友梨絵は「そう。いい所に生まれ育ってさー。幸せなのに、なんでこんな所に出てきたのか
不思議に思ってた。あたし」
愛紗も「それはー」自分でもよく解らない。
幸せって、そんなものかもしれない。
友梨絵「でも、そこに居てもたまちゃんは
自然ね。」
愛紗「いそうだよね。なんか、畑とか耕してる所に」
友梨絵「なんか、妖怪みたい」
愛紗「そうでもないけど。ほら、トトロとか」
由香「あー、そうかもね。友梨絵、ドラえもんが好きだったじゃない。ちっちゃいころ」
友梨絵「そーいうせいかなー」
由香「そうだよきっと。ドラえもんに家族って変な感じだし」
愛紗は思う。田舎って結構家族は緩くて。
隣近所が全部親戚だったりするし、親戚になったり。
だから、安心だったのもあるし
どこの家の子でも、一緒にご飯食べさせたり
そんな感じだったから、あんまり
気にしてなかった。
なーんとなく聞いた話だと、大昔は
もっと緩くて、戸籍なんてなかったから
誰の子供か、とか言わないから
みんな、一緒に育った。
全部で家族、みたいな感じだったとか。
そういう感じに、深町の雰囲気が
近いのかもしれない。
そう思うと、なーんとなく
帰ろうかな、なんて
愛紗も思った。
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