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深町珠

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ニューラルネットワーク

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この日のナーヴの記憶は、こんな感じ。
ヒトの記憶を模した newral network systemである。
昔からあるものである。いろいろな呼ばれ方をされていて。
genetic argorhythmなどとも言われていた。

/tmp/event/cooking.tamako.like
time  event
1810    1
/tmp/event/cooking.tamako.fear
time  event
1812    1

/tmp/event/cooking.kanna.like
time  event
1821    1

のようになっており
cookingについて類推すると
上記の時刻と数値、珠子と神流の感情が各々得られ
ステータスに後、転記される。
そのeventがどこで起きたのか、空間の座標などが
例えばcookingと言う単語を想うと、ナーヴは連想できる訳である。
この日の夜の出来事を。

料理が得意な珠子の事、その理由。
珠子と神流の共通の友人、詩織の作った料理から
スパゲティを作った。

それは、ナーヴの薦めだった。

などなど。




人間の記憶は、かなり時刻などは曖昧であるが
これはAIなので、正確である・・・・・。





「珠ちゃん、お風呂入る?」と、神流。

「うん、ありがと。沸して来るね。どこ?」と、珠子。

ナーヴは「はい。お風呂場は廊下に出て、玄関の反対側、突き当たりです。
もう入れると思います。」

神流は「古いからね。家、昔のお風呂なんです。直したくなります。
でも温泉です」と。

珠子は「温泉。いいなぁ。」


ナーヴは「この辺りは温泉、湧くんです。黒いお湯ですね。」


珠子は「黒いお湯って初めて。旅行ってほとんど行かないから。」と。


神流は「そうですね。私も。修学旅行くらいです。
じゃ、珠ちゃんどうぞ。お先に。」


珠子は「一緒に入らない?」と。

そういえば、高校の頃
詩織が珠乃家に来たとき、近所の銭湯に行ったっけ。なんて
珠子は思い出して。

「神流ちゃんと一緒って、修学旅行以来かなぁ」と。

神流は「そうでしたっけ。そうかもしれません。」と。

こちらの /event記憶は曖昧。

コンピュータのように、ネットワーク接続が出来ないから
/eventは各々差異がある。

それが先入観であったり。思い過ごしであったり。

人間はそんなふうに面白い生き物である。


勿論、ナーヴの
/user/status/model.my.likeにも
書き込まれてはいるが、外には出ないデータである。


廊下は結構古いので、あちこち二スが剥がれたりして
ちょっと、歩くと軋んだりするけれど
それがまた、珠子にとっては珠乃家を思わせて
懐かしい雰囲気で、好ましかった。
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