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深町珠

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ナーヴ

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そんな時、ナーヴの記憶システムの、ステータス・珠子には
ナイーヴのお話に喜んだ、と記録される。

/users/status/female/tamako.like

date      event 
2020       1

このイベントを統計する事で、数値化される。

この、femaleに入っているデータを統計すると、femaleのステータスが判るし
それらの.likeの統計で、好みも判る。

更にそのステータスに
/age
/country
/job
などを関連付けると、詳細なかたちで学習される。

人間の類推システムと同じAIである。古来から概念があったのだが
コンピュータが安価になったので、実用になった。


それを、趣味で (笑)神流は作っていると言う訳である。

もちろんロボットなので、生命がないから
排他性がない。
パートナーロボット、なんていう目的には最適である。


「かわいいね。」と。珠子が言っても

ナーヴは、主語がなく、自分に向けて言っていないのが
画像から認識できるので 「これは、神流への言葉」として

/status/tamakoには書き込まない。


「かわいいでしょう。なんとなくね。」と、神流はナーヴを撫でた。



珠子と神流が、玄関に居たので
ナーヴは「どうぞ、奥へ」と。

神流は「そうだね、ありがと」と言うと
ナーヴは「どういたしまして。」と。


ゆっくり歩いて、廊下の右手にある座敷に行った。


環境から記憶を作り、それが受け答えの元になる。


それは、人間とて同じであるーーーー。





同じ頃、珠乃家のある町内では
お祭りの相談。

偶々、アーケードで出会ったので。
仲の良いご近所さんたち、特に、会合と言う訳でもない。

「珠ちゃんがいないと、いまひとつだねぇ。」と、揚げ物屋さんのおばちゃん。


「まあ、でも、ね、お客さんも楽しみにしてくれてるし。」とはお豆腐屋さん。
気のいい中年男性である。
「まあ、僕が見とくから。おみこしは。」と、


「珠ちゃんの隠れファンも多かったからね。商店街に来るお客さん。」とおばちゃん。


「そうね。珠ちゃんほんとにいい子だもの。」とはお花屋さん。


お店がつながっているし、お客さんの入りは
お祭りの時は多い。


それがご飯のもとになるのだから、結構共同体である。



それは、実感として「見える」からだけれども
実際は、詩織のような給料を貰っている人も同じである。

研究費から、詩織の給料が得られるが
その研究費は、社会が払っている。

得られたお金で食べ物を買えるのも
誰かが作ってくれているから、だし
食べ物は、生き物であるから

社会に対して、迷惑をかけてはいけないのだけれど
実感しにくい。


天災でもあった時でないと。


珠乃家のある商店街などは、それが目の前で見えるので
お客さんを大切にするし、仕事を大切にする。


普段の暮らしでも、優しい気持で居るから

例えば、高校2年になった時
珠子は、なんとなく気になって詩織と友達になったりする。

みんな、お友達。そういう気持。

いいものである。



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