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合衆国
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首都が近づくと、少し、車内の様子に落ち着きが無くなる。
品位に欠けるような会話や、騒々しく手を叩いて笑ったりする人々。
人の気持など考えない振る舞い。
珠子は、少し驚く。
神流は「最初は私も驚いたけれど、こちらはこういう感じみたいですね。
外国風と言うのでしょうか。日本ではないみたいですね。」
事実、見た目にも日本の人ではないような人も居るが
見た目日本人でも、子供っぽく騒ぐ人なども居る。
そうかと思うと、見た目、外国人でもスティディな人も居るーーー。
「ここは合衆国ですね。」と、神流。
「あの、古都の町が少し平和過ぎるのでしょう。不思議に思います。
あのアーケードの人たちは、仲が良くて。」
珠子は、もう帰りたくなった (笑)。
「でも、この町で神流ちゃんは暮してるんだね。」
神流は「暮してると言っても、ほとんど会社と家を往復するだけで。
それも深夜とか早朝。どこでも同じです」と。にこにこ。
研究に勤しむ人はそんなもので
環境がなんであれ、研究のことしか眼中にないから、なんとも思わない。
それは、いい事。
「神流ちゃんは偉いなぁ。ずっと、研究一筋で」
珠子は、明るく笑顔で。
「珠ちゃんだって、お菓子一筋でしょう。」と、神流はにこにこ。
珠子はそっか、と微笑み返して。
同じ頃、珠乃家では
珠子の父と祖父が、落ち着いた様子で。
のんびりと、お茶を飲んでいたりする。
お店も、日曜の夕方になるとそれほど人は来ない。
珠子の父が「嫁に出したような気持ですね。」
珠子の祖父は「ん。まあ、珠子も頑張りすぎだからね。
寧ろ、店の事なんて放っておいてくれる方がいいのだけれどね。」
それは本音で、体を壊されたり、疲れさせたりしたくないのだけれども
珠子が好んでしているのだから、どうしようもない。
珠子の意思、つまり空想がそれを珠子に行わせている。
迷惑な事もあったろう。店の経営や、商品のことに
子供の視点であれこれ言われても、鬱陶しい事もある。
それで、珠子の父はよく癇癪を起こしたりした事もあった。
誰も悪くはないのだが。
それは、愛されたいと言う気持である。
珠子がそうなので、妹は、少しいじけてしまう事もある。
妹なりに、親孝行して愛されたいと思っても
お姉ちゃんの気持を考えると、すこし控えてしまう。
それで、表面的にはお手伝いを嫌っているような感じを装っていたが
本当は、優しい子である。
珠子の気持を考えて、早くに家を出たので
「神隠し」からは自然に逃れる事になったーーーー。
「あのまま、向こうに住んでくれてもいいのだが。」と、珠子の父。
本音で言うと、父とてまだ50歳代であるから
お店を自分ひとりで切り盛りしたい気持もある。
珠子の提案とか、発想とか。
時として疎ましい事もある。そういうものである。
親子の情とは別だ。
品位に欠けるような会話や、騒々しく手を叩いて笑ったりする人々。
人の気持など考えない振る舞い。
珠子は、少し驚く。
神流は「最初は私も驚いたけれど、こちらはこういう感じみたいですね。
外国風と言うのでしょうか。日本ではないみたいですね。」
事実、見た目にも日本の人ではないような人も居るが
見た目日本人でも、子供っぽく騒ぐ人なども居る。
そうかと思うと、見た目、外国人でもスティディな人も居るーーー。
「ここは合衆国ですね。」と、神流。
「あの、古都の町が少し平和過ぎるのでしょう。不思議に思います。
あのアーケードの人たちは、仲が良くて。」
珠子は、もう帰りたくなった (笑)。
「でも、この町で神流ちゃんは暮してるんだね。」
神流は「暮してると言っても、ほとんど会社と家を往復するだけで。
それも深夜とか早朝。どこでも同じです」と。にこにこ。
研究に勤しむ人はそんなもので
環境がなんであれ、研究のことしか眼中にないから、なんとも思わない。
それは、いい事。
「神流ちゃんは偉いなぁ。ずっと、研究一筋で」
珠子は、明るく笑顔で。
「珠ちゃんだって、お菓子一筋でしょう。」と、神流はにこにこ。
珠子はそっか、と微笑み返して。
同じ頃、珠乃家では
珠子の父と祖父が、落ち着いた様子で。
のんびりと、お茶を飲んでいたりする。
お店も、日曜の夕方になるとそれほど人は来ない。
珠子の父が「嫁に出したような気持ですね。」
珠子の祖父は「ん。まあ、珠子も頑張りすぎだからね。
寧ろ、店の事なんて放っておいてくれる方がいいのだけれどね。」
それは本音で、体を壊されたり、疲れさせたりしたくないのだけれども
珠子が好んでしているのだから、どうしようもない。
珠子の意思、つまり空想がそれを珠子に行わせている。
迷惑な事もあったろう。店の経営や、商品のことに
子供の視点であれこれ言われても、鬱陶しい事もある。
それで、珠子の父はよく癇癪を起こしたりした事もあった。
誰も悪くはないのだが。
それは、愛されたいと言う気持である。
珠子がそうなので、妹は、少しいじけてしまう事もある。
妹なりに、親孝行して愛されたいと思っても
お姉ちゃんの気持を考えると、すこし控えてしまう。
それで、表面的にはお手伝いを嫌っているような感じを装っていたが
本当は、優しい子である。
珠子の気持を考えて、早くに家を出たので
「神隠し」からは自然に逃れる事になったーーーー。
「あのまま、向こうに住んでくれてもいいのだが。」と、珠子の父。
本音で言うと、父とてまだ50歳代であるから
お店を自分ひとりで切り盛りしたい気持もある。
珠子の提案とか、発想とか。
時として疎ましい事もある。そういうものである。
親子の情とは別だ。
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