関東電力殺人事件

深町珠

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アイドル

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「証拠は揃ったね」と、由香。

輝彦も頷く。


推測では・・・このような人権侵害は日常的だったようだ。

勝又・志水殺人とは無関係なようだが、ハズミで
幹部OLが死んでしまった(?)ため、処理に困った。

国に、誤魔化して貰った。


それが、脅しのネタになっていた可能性も否めない。

事実を、三浦は知っているからである。


その後・・・勝又は社長になる。


この件は、隠蔽されないと都合が悪い。

社長だった勝又は会長に退く。
志水が社長に就任・・・しかし、原子力部署にそのまま、三浦が残り・・・。
実権を握っている。

用心棒を雇ったりしている。






「あとは、警察が再捜査すれば真相はわかるだろうね」と、輝彦は言った。



由香は「なんか、腹立つんだよね、ああいう女」と、三浦玲子の事を、そう形容した。


友里恵は「会社勤めって、やだなー。」
と、笑って。

「でも、こんなことも警察はわかんなかったの?」と。

輝彦は笑顔で「それはそうだよ。潜入捜査って禁止されているし・・・
もしかすると、真相を知っていて
国策への配慮で」


それは十分有り得る話だ。
政治が介入してくると、正義<利害 になる事も多い。




理沙は「お役に立てたかしら」と、にっこり。
研究者にしては珍しく、メガネを掛けていないので・・・。

友里恵は「目、いいんですか?」


理沙は「そう。悪くなんないねー。なぜか。あんまり勉強しないのもあるけど」

由香は「勉強しなくて、なれるんですか?教授って」


理沙「ハズミよね。これって。なりたい人はなれない事も多いのに。
別になりたくなくても、なっちゃうこともあるの。」


友里恵は「アイドルみたい」


理沙は笑って「ハハ。バンドはしてたけど。ドラム叩いて。きもちいーよ」

と、口調が砕けた。


由香は「いま、おいくつですか?」


理沙「35。だから・・・友里恵ちゃんたちのお母さんの妹くらい、かな」


友里恵「おばちゃん」

理沙「あー、おばちゃんって言われるとなんか・・・・」


友里恵「スミマセン」


みんな、笑った。



由香は「じゃ、テルちゃんと同じくらい」


理沙「そうね。ちょっとお姉さんかな」


友里恵は「あー、でも大学生ってなってみたいなー」



理沙は「なろうとすれば、テはあるわよ。」


由香「ホント?ですか?」


理沙「うん、例えば・・・・通信制の大学ね。あれはほとんど入れるから。
それに入って、途中で編入試験受けたり。」



友里恵「なーるほど・・・あったまいー」



理沙は「アイドルとかで大学中退とか、こういうお話が多いみたいね。
大学にいるとよく聞くけど」



輝彦は思う。

アイドル・・・・か。









輝彦のライター仲間の話しだが、人気の女性アイドル歌手の
飛び降り自殺を追っていたライターは
サウナ風呂の中で不審死した。

何かを掴んだところ、だと言う。

噂では、その女性アイドル歌手は
無垢であったが、憧れの男性スターに
誘われるままに翻弄されて。

その件を知っている為、自殺を装って口封じ・・・と言う事らしい。

飛び降りたビルの屋上へ登り方を、その女性アイドル歌手は
知らなかったと言うのである。

その上、屋上は、人が普段登れる構造になっていなかった。

そのように、隠し事を通そうとして・・・・人を殺すことは、割とあるようだから


この件は、偶々、そういう裏社会で秘密裏に行われる事が
表沙汰になってしまった事・・・らしい。





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