関東電力殺人事件

深町珠

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暇な人間たち

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友里恵は、労働組合サーバーにある文書を
全数検索して、三浦玲子に関する文書、事件に関する時系列で
近い、あの部署に関係するものを探した。

「あるある、でてくる・・・」と、友里恵。



仕事をしている人のそばで、大きな音を立てたり。
仕事のふりして雑談して、考えている人の邪魔したり。
上司の邪魔も、こんな事でしていたようだ。

その証拠が残っている。



その部署だけではなく・・・・そういう、年少者いじめの事例は
全社に一杯。

隠れて悪い事をするスリルに、脳が麻痺している。
刺激=攻撃なのだ。

自分が、攻撃されたら怖い。そういうスリルも勿論ある。


「呆れた連中だな」と、輝彦は一言。


・・・・そうして、日本の経済をダメにしようとする・・大陸の扇動だと言う
推定も可能だが。

アメリカに敗戦してから、安全保障条約が締結されたあたりから
「働いてはダメ」と言う風潮があって。

1970年辺りに多かった。

大学を封鎖したり。デモをしたり。

そういうムーブメントの名残、とも考えられる。

テロで原発を爆発させる事も・・・できなくはない。




由香は「原発利権って、大義名分みたいね。ただ、いじめを正当化する。
そういうのは許せない。」と。


・・・・つまり。


「原発」は、レッテルに過ぎなくて。
推進派|反対派

も、それを理由に相手を攻撃しているだけ、と言うこと?

そう考えると事件の「動機」が解ってくる。



死した幹部OLも、その父も、ただの生贄、と言う事になるから。


「それなら、実行犯を捕まえる事に意味はあるな」と、思う。




橋本が、にこやかに「どうぞ」と・・・・
紅茶を持ってきた。


プチケーキ。
モンブラン。
ティラミス。
ミルフィーユ。
いちごのショート。


輝彦は「ああ、ありがとう」


理沙はにっこり。


友里恵は「大学っていいなー、なんか」

理沙は「入ればいいですね」


由香「ムリムリ」と、笑う。



理沙は「そんなことないです。わたしも、そんなに勉強ができるほうではなかったけど。
趣味で」


友里恵は「趣味って、なんかいいですね」


理沙はにっこり「入学できなくても、研究員とか、支援員とか。
研究室で仕事して、ホントの職員になる人もいるわ」


友里恵は「なんか、いいこと聞いた」


理沙はにこにこ。


由香は「テルちゃんと、どこでお知り合いになったんですか?」



輝彦は「テルちゃん」と、笑った。


理沙も笑って「友達の友達なの。由香さんと、テルちゃんは?」



友里恵が「バイト先で知り合って。ライターさんは暇らしくて」


理沙は笑う「ハハハ。らしいわね。いつも暇そうだけど」


輝彦は「きょうはそうでもないけど」


和やかに、お茶の時間。


すこし、お日さまは傾いてきた・・・。









つまり・・・・強要・共謀・傷害致死で立件は可能である。
社内文書と言えども、記録が残っている。


実行犯は、その社員たち複数だろう。


大義名分をなんと言おうと、私人間効力の禁止、と言って

ひとりひとりの人間相互に、力関係を持ってはいけないのだ。
個別法では民法や、労働法にもある。

例えば派遣社員に、三浦のような経理の人間が
「逆らうな」と言うだけで脅迫に当たるし(刑法)
立ち塞がる行為もつきまとい行為(軽犯罪法)に抵触する。


由香のカンフーは、正当防衛なのだ。



そして、そのような・・・・「予算を通さない」と言う嫌がらせも

脅迫・強要行為になるし


「監視しているぞ」と言う姿勢  (私に逆らうな・・・云々の言動から)は

軽犯罪法違反である。



それで立件すれば、会社としては懲戒解雇だろう。


「ただ、反省はしないだろうから・・・有罪判決になっても
悪いことをするだろうな」と、輝彦は思う。


脳が、攻撃の刺激に慣れてしまった人と言うのは・・・・脳を直すより
他ない。


同じ刺激でも、理沙のように研究をしたり。
そうでなくても仕事をしたり。
趣味を懸命にしたり。

好きなこと、に没頭するのも刺激なのだから・・・

「そっちを選べばいいのになあ」と、輝彦は思った。




ただ、こういう悪事をしても解雇されないと言うのは
明らかに違法である(業務専任義務違反)。

電力は、公共事業なので・・・寡占的体質が
その悪事を幇助してしまっている訳だ。

原発が爆発しても、対策費は電気料金に上乗せできる、と言う
奇妙な構造が原因であり



後に、自由化になる原因のひとつが、この辺りにある。
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