関東電力殺人事件

真犯人

輝彦が、家の近所を歩いていると
ご近所さんが、こんにちは、と・・・

にこやかに。


そういうところを見ていると、友里絵の兄が
自治会のメンバーに苛められる、なんてのは
別世界みたいに見える。


「でも・・・・。ふと、連想する」
原発事故が起こる前は、あまりそういう事は聞かなかった。

原発事故を契機に、日本のあちこちで
原発のようなところで働かなければいけない人々ーー昔で言う、被差別者のような
人々ーーーが

日本の各地に散らばり、それから、割と増えたような気がする。


日本は、法的に
国民相互は力関係を持てないようになっている。

自力救済の禁止、などがその個別法だ。


大前提として、憲法にもある。


そういう、平和的な・・・法の下に
被差別者たちは手厚く保護されていた。


そのひとつが、原発等での仕事の斡旋である。



つまり、電力はそういうところにも配慮した公共事業だった。


しかし、その恩恵の中にいても
悪い事をしたがる人は居る。


被差別者の多くは、大陸から連れて来られた人だからである。
大東亜戦争の時。

その戦争を起こしたのは・・・・よく言われるように

大陸を追われた大陸の民族であったのだから
復讐、の意味もあったのだろう。



「なぜ、争うのだろう？」

と、輝彦は思う。




その、電力のトップ２人が変死し、令嬢も。

その、暗躍する影の力が・・・・真犯人かもしれない。



なるほど、警察も逃げ腰になるワケだと
輝彦は思った。


オウム事件もそうだったが。うやむやのまま
実行犯だけが処刑された。


そして今回。

外国に「逃亡」したとされるが・・・。その電力トップふたり。


真実だろうか、とも思う。