関東電力殺人事件

深町珠

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歴史・民族・科学

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「民族紛争なんて、聞こえはいいが」・・・と、輝彦は思う。

単に、排他性の理由にしているだけだ。

子供のイジメと変わらないじゃないか、とも。


輝彦が子供の頃もそうで、公立小学校に行くと
悪い子がイジメるから、と
輝彦も兄も、私立に通っていた。

それが普通だと思っていたから、イジメなんてものが
世の中にあるという事も知らなかった。
ニュースで見る程度で「どうして大人は黙っているのだろう」と
子供心に思ったものだった。


逸脱したい気持がある子が、イジメを行う。
集団で、異端の者を作って排他性を発揮するのである。

「利権と同じだなぁ」と、輝彦は思う。



その根底が、民族、骨格だとする仮説に沿うと・・・・。

勝又=丸顔、がっちり型=土着の縄文人型。

志水=面長、細い目、やせ型=弥生人。君臨した渡来人の王家に似ているタイプ。


「仮に、これが「民族」の意思だとすれば・・・・。」


志水=>法外要求=>勝又 (なぜ?)


・・・・大陸サイドの要求だとすると、筋が通る。


極右の都知事が、国境紛争で左派政権を攻撃したのも・・・。
実は、大陸側の意志だとすると筋が通る。


「そして、紛争が起きた辺りで、原発事故が起こる。」

タイミングが良すぎるのである。



地震は予知できなくとも・・・。予備電力が失われるような
脆弱なインフラ整備をしたのは・・・当時の右派政権であったし

耐用年数を超えた原発の稼動を継続したのも、その政権である。

何故か、左派政権に変わった時に大地震が起きた。

それも、あまりにタイムリーである。


電力のトップ2人が、替え玉を使って国外逃亡したのも。
ハナシが整いすぎている。




ふと、気づく。「勝又の妻はどうしたのだろう?」


志水の妻は既に他界している。



指宿であった時、聞いた電話番号にコールしてみると・・・。


予想通り、解約済みだった。



「どこに消えたのだろう・・・。」



もし、国外なら・・・・。
国家賠償訴訟が不成立(刑事責任不問、なので)が確定するまでの
時間稼ぎの可能性もある。


政権が右派に戻れば、司法も・・・あてにはならない。



暗殺されたとされる電力トップ2人は、実はどこかに潜伏しているのではないか?

そんな風にも輝彦は思った。



「そこに、勝又の妻が行くとは思えないが・・・・。」

輝彦が会った人が、「本物」の勝又の妻かどうかは
今となってはわからない。

偽者が撹乱目的で、とも考えられるのだ。



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