関東電力殺人事件

男たちの歪んだ欲望

でも、友里恵も由加も、クラスメートたちも
みんな、男たちの歪んだ欲望の捌け口として
攻撃の対象にされていると思うと
同様に可哀想だとは思う。

輝彦には理解し難い年老いた男の行動。

例えば、Ｆと言う保守党の幹部だった男は
良識のあるような雰囲気だったが

早大のレイプサークル事件、スーパーフリーと呼ばれた
それ、の時に

若い女が刺激的な服装をするのもいけない、などと
不見識な事を言っていたのを思い出す。

その後、自分の孫が
そんな女と結婚する訳であるが(笑)。

そしてその女は、後に物議を醸す訳であるから

やはり、文化は継承されるのだ。悪い文化も。



サンライズ・エクスプレスは、瀬戸大橋を渡り
岡山駅に向かっている。
輝彦は、シャワー室の隣で
ヘア・ドライヤーを使いながら、鏡に映る自分を
なんとなく眺めていた。

友里恵は、僕の事を「自由でいい」って言っていたっけ。


それは、生き方の違いだ。
フリーな立場に居ると、安定はない。
代わりに、立場を気にしないでいいだけの事だ。


でも、友里恵を含め
女は、やはり土着して行く。
子供を宿す性なので、そういう事になる。
それは文化だ。だから家族を守らないといけないのは
男のしきたりである。


しかし、保守党幹部のＦの発言のように
女が扇情的な格好をしたら、レイプのリスクを考えろ、とは
立法府に居る人間の言葉ではない。


それでは、男はサル以下である(笑)。

そういう事を政治家にして言わしめるこの社会。

それこそ、仮想敵である。



追記的に、輝彦と友里恵には事件が起きた。

バイト先のコンビニに、派遣されていた本部の５０男、土屋が

友里恵をセクハラした、とか
由加が怒っていて輝彦はそれを知った。