関東電力殺人事件

深町珠

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恋愛

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輝彦の優しさを、恋愛と捉えてしまった
少女は、恋愛に墜ちてしまったらしい。

それまでの少女の人生で、出会った事のないタイプ
だったのかもしれないし

それは、恋愛に憧れる少女らしい感情だったのかもしれない。


それで、自分を汚れてしまっている、と考え
輝彦にそれを告白したのだった。

もし、そうだとすると
それも少女らしい潔さである。

駆け引きになれた女なら、過去を隠して
初々しさを演出するだろう。


そういう事をせず、正直に過去を告げる少女を
輝彦は、愛おしいと思った。

それは、しかし恋愛ではなく
寵愛の類であると、輝彦自身は思っていた。

だが、それは本心を、分別が抑止していたのだ。


サンライズ瀬戸のシャワー室で、熱い湯を浴びながら
輝彦は回想を続ける。

ある早朝、冬の日だったが
友里恵と輝彦は、ふたりで店番をしていた。

まだ深夜と呼べるような、真っ暗な町並みの中の
コンビニ。

誰も客は来ない。

店からは見えないキッチンで輝彦が掃除をしていると
友里恵は、風邪ひいたかな、と
輝彦を見上げた。

いつも、誰もいない時は
ぴったりと寄り添うので、時折
他のJKたちからは誤解を受けていた。

愛し合っているカップルだと。

そうかもしれなかったのだが。




友里恵が熱っぽい瞳でそういうので
輝彦は、子供にそうするように
友里恵の額に手を当てた。

微熱があるようだ。

少し、友里恵は体を硬直させた。
案外、遊び慣れていないのかもしれない。


薬を、と輝彦が言おうとすると
そのまま、友里恵は輝彦の懐に飛び込んできた。

鈍い衝撃がある程の勢いが、少女らしい無鉄砲さを
思わせる。

陶然としていたが、優しく抱いてあげると
友里恵は、和らいだ。

痩せぎすに思えた体は、案外に女らしく柔らかだった。

愛おしい、と
胸の中の小鳥のような彼女を抱くと
意外な事に、輝彦の本能は反応した。

それに友里恵は気づいたが
拒む事もなく、そのままふたりは抱き合っていた。




シャワーを浴びながら、回想すると
輝彦の男根は反応してしまった(笑)。

愛故の事、である。

愛おしい者を愛したいと言う人間の性、である。
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