関東電力殺人事件

高松

岡山を出てから、５０分。
そろそろ高松に着く。

例のタブレット男は、そそくさと
降りる支度をし始め、階下へと。

慌ただしい男である(笑)。

グリーン席の空席を、車掌の目を盗んで
占領するような者であるから

いつも様子を伺って、得をしようというのだろう。

損得、つまり相対的価値に終始し
絶対的な徳、をはなから捨てている訳である(笑)
永遠に男にはなれないのであろう。

ご苦労な事だ(笑)。


それで、隠れて悪い事をする事を好む。

そういえば、と光彦は
１０年程前に、少女売春組織のルポを書いていた
ライターが殺された事件を回想した。

偶然、誘拐事件を捜査したら
大規模な組織が発見され、しかし
何故か捜査が中断された。

世間からも、報道からも封印された事件は
実は富裕層の男たちが顧客であったため
隠蔽されたとの噂、それを追っていたライターが
消された。

今、光彦の追っている事件に共通点がある。

死。

考えても見なかったが、そういう可能性もある訳だ。
現に、動機不明で真知子は死している。


それと、もうひとつの共通点。


男の醜い欲望が事件の根元だ、と言う事だ。
良い年をして小児愛。

薄気味悪いと思うが、そういう需要が
犯罪を呼ぶ。


小児愛。心の歪みがそれを好ませると
精神分析学では定義されているが
幼い頃に、母親が暴力的であった、などの理由で
大人の女性を畏怖する傾向、転換して
小児愛、時として同性愛に至ったりもする。

根本的には反感を持っている為、小児に加虐的であったりもする。


そういった異常性愛の持ち主が
富裕層に多いのは奇妙な傾向である。