関東電力殺人事件

深町珠

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夕刻の岡山駅を、滑るように走り出す
マリンライナー。
グリーン席は空席があるので、走り出してから
上ってくる不審なサラリーマンふうも多い。

グリーン料金は、車内に入るだけで必要なのであるが
知ってか知らずか(笑)。

おそらく、自由席にあぶれた通勤客などだろう。
身なりもきちんとした背広を着ているが
どことなく顔つきに傲慢な雰囲気があるので
たぶん、グリーン料金未払いだろうと
見ていると、タイミング良く女性車掌登場。

その男、素知らぬ振りで階下に降りる(笑)

階下も指定席である(笑)


さっきのタブレットPC男は、女性車掌の顔を見ても
平然と席をふたつ占領している。

年輩者にこういう人が多いのは、単に鈍感なだけで
別に威張っている訳でもない(笑)。

年を取った男は、生理学的に見ても
男と言うよりはオバーサンに近づくのである。

それは、相対的に女性ホルモンの支配度が高まる為で
ただ、女性ではないので(笑)

厚かましい男になるだけ、である(笑)。


男が、男らしい必然は
守るべき社会、家族があるからであると
生物社会学の言葉ではそう言える。

愛すべき何か。

それがあれば、男足りうるのであるが。


家族でもいい、社会でもいい。
趣味でもいい。

何かを愛する人は、何かを守る人だし
社会を守る人になる。

他の社会も尊重する。



走り出した列車の中で、携帯ラジオを取り出して
イヤホーンを当ててみる。

瀬戸内海沿岸の放送が聞けるだろうか。

そのラジオは、ソニーのICF-TR40である。

ソニー、と言うラジオから始まった会社が
40周年を記念して発売した物だ。

そう、愛すべくは物、でもいいのである。


ダイヤルを回していると、臨時ニュース。
北朝鮮の核実権。

例の極右元知事「シナはシナと呼んでいい」発言。

グアムで日本人通り魔被害。


愛のない人達は、誰かを攻撃する。

それは、愛されなかった幼い記憶、それへの反感であると
精神分析学では、そう定義される。


幼稚な記憶で、構ってほしいと
自己顕示を繰り返す。


愚かしい事だと、それを追認すれば
病気は直るのだ。


無意識下の不快感、それを記憶として
認識すれば収まるので

半分眠らせた状態で、医師が記憶を呼んだりする方法や
麻酔薬などで、記憶を引き出したりもする。

意識操作も出来るので、これをカルト宗教が利用したり。


そこまでしなくとも、争いを起こさせないようには
出来ないものかとも思う輝彦である。


中国人をシナ人と、わざわざ相手が嫌がる呼び方で
呼ばなくてもいいし
愛があれば、相手を攻撃したりはしない。

核実験もしない。

通り魔にもならない。


愛されなかった可哀想な心が、悪魔になるのだろうか。




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