関東電力殺人事件

深町珠

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中学理科

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福島原発事故の本質は、安全軽視の姿勢が根元であるのは
最早疑念の起きようの無い事実である。

中学理科が理解できれば、原子力、核エネルギーの
制御が不能になった行方は、自ずと知れる所だが

それが起こった時の備えをしなかった、と言うだけの
事である。だが、重大な事だ。

それで利益を得ていた者たちは、当然に
賠償を行うべきなのだが...誰も、そうしたと言う話を聞かない。

そうした不条理さに、皆諦めの気持ちを持っている。

それは正しい事だ。

正邪とはなにか?と問われても
正しいと言える。

だが、邪な方が優位に立ってしまっているのだ。


日本と言う国の、統治システムの機能不全である。









新幹線は、岡山に向かって300km/hの高速で進んでいる。

喧噪の中で。


ほんの少し前なら、周囲に気遣う事なく騒ぐのは
子供のする事だったが

中高年程騒がしいのが近年である(笑)。
つまり、政治腐敗と根元が同じで
利己的なのである。

利己。

忌避される存在であり、そうされる事は
正しい事だ、と
輝彦は思いつつ、インターネットのニュースサイトを
閲覧していると

利己が動機の事件は多い。

体育会系の高校で、教師が体罰。
生徒が自殺。

柔道家、オリンピック・メダリストが強姦。

皆、利己が動機である。

根元は皆、同じであるが

些細な利益の為に、正邪を見失ってどうする、と
思うが


輝彦にも覚えがある。


組織にいると、全体主義的に服従させられる事が
あるのはこの国特有の不気味なところ、である。

だから、フリーになったのだが。




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小倉から岡山まで、2時間弱であるが
以前なら、寝台特急の個室で寝ながら移動していたあたりである。

早いとはいえ、座っているだけで
他人のおしゃべりのノイズの中に居るのは
旅として高級とは言えない、と思う。

自動車の旅でも、やはり自己抑制のできん
ドライバーの迷惑運転が、旅の質を下げる事もある。


そんな理由から、長距離移動は飛行機で
短時間に済ますのが流行ではある。


しかし、移動を楽しむ旅、それも優雅である。

早く、便利な旅もいいが、それは
喩えで言うならおいしいインスタント・珈琲のようなものだと輝彦は思う。

豆を煎って挽き、布袋で濾す。

そういう時間と、香りを楽しむのも味わいである。


コストを掛けても、深い愉悦に浸る。

そういう楽しみ方があっていい、と思う。


旅に、その手段がない事は淋しい事である。


新幹線で言えば、個室もあるが
一部の列車だし、二人以上でないと利用しづらい。


そんな理由で、岡山から高松へ渡り
寝台特急で東京に向かう。



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