関東電力殺人事件

小倉

小倉は、どことなく川崎に似た
喧噪と、労働者の似合う町である。


どこか、カフェで休憩しようかと思ったが
小倉駅一階のドトール、いつも利用するそこも
行列が出来ている始末だった。

駅で買った、来年のカレンダーを折らないようにと
気にしながら、出入り口付近のミスタードーナッツの
喫煙コーナーに空席を見つけ、アイスコーヒーを注文。

喫煙コーナーは硝子仕切だが、遊び人風の若者たちが
徒党を組んでいる。

どことなく、EXILE風なのが示し合わせたようで面白いが
与太者っぽい雰囲気が好まれるのだろう。

いつの時代もそうだ。
若いうちは自由を好み、年老いてくると
若者の活力を羨ましく思う。

そして、若い頃に発散しなかった者ほど
若者の活力を妬むようになり、支配しようと企む。


例えば、その手段に政治を使うなら不正である。



などと回想しつつ珈琲を楽しんでいると
若者たちのグループの前に、３０男が立つ。
元締めふう、と言うのか、夜の仕事の人のような
やつれた風貌の目つきの悪い男を見、彼らは静まった。



顔。

生活や、心根が出るものだと思う。

丁度、インターネットを見ていて
勝俣会長の顔写真が目に止まった。

以前もそう思ったが、悪党と言う印象は受けない。
年齢なりの存在感はあるが。

清水も、悪党と言うよりは
使用人、それなりの謀はするが、と言う感じである。


悪党、と言うと小沢や古賀のような
いかにもそれらしい顔を想像するが(笑)


その写真の掲載記事は「関東電力幹部任意聴取をしていた」


と言うものだった。

その結果、原発事故での過失傷害立件は困難、との
決定が既にあった、との後日報である。



今更何を、と思ったが
そうすると、事件当夜
それを彼らが知っていれば
その件は自殺の動機にはならなかった事になる。



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