関東電力殺人事件

元アナウンサー

それが普通なのではないか。
そういう者を渇望する人は、無意識下に
劣等感があるとする
精神分析学的所見を紐解くまでもなく。



手元の携帯電話、何気なくニュースが表示されていた。

有名な保守党政治家の孫嫁、元アナウンサーが
自動車事故で人を殺めた。と。

被害者は轢死したとの痛ましい事故だが
ネットではこの女性を糾弾する声が高まっていた。

故意で起こした訳でもあるまいと思って
ニュースコメントを見ていると

どうやら、コメンテーターたちは
政治家の一族なので特別扱いされていると
訴えているらしい。



真偽の程は定かでないが、そういう被害的な発想をするのも
まあ、分からないでもない。


輝彦たちが追っている事件も、そういう政治の歪みが
絡んでいるのだ。

原発事故、電力会社女性幹部殺害事件。


どちらも、政治的に歪められて
未だ真相は謎のままだ。


騒がれている事故は、偶々発覚しただけであるが
自爆テロだとの言説もあり

どことなく頷ける輝彦である。

相手が大きすぎる事件。絶望して
特攻するのはいかにも日本的であるかもしれない。

しかし、輝彦は思う。諦めたら負けだと。

sent from W-ZERO3
特急ソニックは、別府に到着。
すると、件の女子高校生は、トイレから出て
電車を降り、ホームを駆けていった。

車掌も追いかけるでもなく。

おおらかな土地柄である。それ故に
不正が起こるのかもしれない。

ひと駅特急に乗車する為に特急料金を払うとも
思えないが、不正だと言う証拠もない。

自動改札だから、特急料金を求められる事もない。


子供は、スリルを好むものだ。
それは、行動力の証しでもあり、社会とのかかわり合いを
試してもいる。

本当は、叱られたい、逆らいたい。
そうした欲望があるのだろう。


きちんと規範を示すべき大人がいないと
子供は、基準を知らずに大人になってしまう。


相対的に優位な立場なら、劣位の者の権利を奪ったり。


いつしか、そういう大人が増えたので
子供も狡く立ち回るのだろう。

環境からそれを学ぶのである。
環境になければ、悪を覚える事もない。

満ち足りて幸せなら、わざわざ悪い事をして
不幸な気持ちになる事などないのである。