関東電力殺人事件

深町珠

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女難の相

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ふと、思いだし
名古屋刑事に電話すると、彼は
そのまま東京に向かって、志水事件、勝又事件を
少し調べてくる、と言った。

何の利益にもならない事、である。
むしろ、上司にとって有り難くない部下であると
思われるだけ損である。


しかし、調べても報告する義務は無い。
何せ休暇なのだ(笑)。


「真智子さん、現れましたよ。お姉さんも読みは同じ
真知子さん、と言うのだそうです」と輝彦。

「ああ、ああ。そうだってね。深見さんのとこに行くだろうと思ってたよ」とは名古屋刑事。

なぜですか?と輝彦が尋ねると....


「あんた、女難の相だもの」と、名古屋刑事は笑った。

輝彦も、なんとなくおかしくなって笑った。


ふたりの笑い声は、それぞれの夜空へ。



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女難と言われれば、いつもそうかもしれない。
女などと言う者は、元々逞しく出来ているのに
男はそれを守護したいなどと大それた幻想を抱くから
女難になるのだと輝彦は思う。

真知子も、真智子も。その母も。

それぞれに活路を見いだしている。

対する男どもは本当に情けない(笑)

勝又にせよ、志水にせよ

女に依存するかのように執着して、結果として
無様に捨てられている。

濡れ落ち葉、などと比喩されるように
社会から見捨てられたような男と言うのは
本当に哀れな物である。

それは、自己顕示などと言うものに拘るからであり
個々に楽しみ、生きる喜びを見出せば
何も、誰かと比較せずとも良い人生を歩めるのである。


例えば、名古屋刑事は
捜査をする事が楽しみで、真実を求めて生きている。

出世や、富、名誉などまるで気にしていないが
生き様として羨ましい程潔い。
男はかくあるべしだと輝彦も思うのである。


それが男の仕事であり、金銭の為に
真実を歪めるようなものは仕事ではない。

原発利権もそうだ、嘘と誤魔化しで塗り固められている。

それは金の為であるし、その利権を振り回していた
保守党政権。

責任も取らずに、再び国政を司ろうとするなど

厚顔無恥も甚だしいと思うのが自然だろうと思う。




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