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司法の正義
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その後、輝彦は再び兄に電話をした。
今度は家に居たそうで、母に気づかれないように
するのに難儀した。
また、すぐに帰ってらっしゃい、と言うに
決まっているので(笑)
とはいえ、今回は取材である。
事件の方は、巻き込まれただけである。
兄に、歯形か骨格の照合は出来ないか、と聞くと
出来ない事はないが、断定する程の証拠にはならない、と言われた。
もちろん、法廷ではないのでそれで良いと言うと
その程度ならできるだろう、との返答だった。
それを知ってどうするんだ、と聞かれたので
ただ、知りたいだけですと答えた。
そう言っても、兄も真意は理解している。
そうでなければ、協力などする訳もない。
官僚組織にいるからこそ、歪みを是正したいと
切に願うであろう。
輝彦も記憶にあるが、回りの様子伺い、根回しなどの
日本独特のおかしな行動は、みな
正しくない行動を全員でしているからである。
ミンナがしているから、しなくてはならない。
そんなおかしな法律はない。
そういう正しい事を言うと、排除されるのは
ミンナが悪い事をしているからである。
だから、事実隠蔽に関わらない怖れのある者は
集団に入れない。
子供のいじめはそれの模倣である。
簡単に言うと、動物レベルの排他性であり
何ら人間的な知性の欠片もない行動である。
それで輝彦はフリーの道を選んだ。
自分はそういう社会に向いていないと思ったからだ。
あの、真智子が恋人に選んだ彼もフリー。
真智子は、おそらく
父親が組織の泥沼に拘泥しもがいているのを見
自然と、自由に憧れたので
優しげな年上の彼に惹かれたのではないだろうか。
そこで、やや疑問なのは
その彼は、恋人が死んだと言うのに
さほど悲嘆しているようにも見えなかった所だが
元々、真智子がアプローチしていったと言う事なので
断る理由もないので付き合っていた、そういう愛なのかもしれなかったから
そう考えれば良いのかも知れなかった。
或いは。
真智子事件自体が、身代わり殺人で
本物は、志水の欲望を逃れるために
別の場所に居る。
そう考える事も出来る。
だとすると、彼女は。
彼のそばに居るのかもしれない。
志水の死を知って、安堵しているのではないか?
何しろ輝彦自身、関東電力会長令嬢の真智子、と言う
人物と
あの夜、東京駅で出逢った彼女が
同一人物か否かも知らないのだ。
今度は家に居たそうで、母に気づかれないように
するのに難儀した。
また、すぐに帰ってらっしゃい、と言うに
決まっているので(笑)
とはいえ、今回は取材である。
事件の方は、巻き込まれただけである。
兄に、歯形か骨格の照合は出来ないか、と聞くと
出来ない事はないが、断定する程の証拠にはならない、と言われた。
もちろん、法廷ではないのでそれで良いと言うと
その程度ならできるだろう、との返答だった。
それを知ってどうするんだ、と聞かれたので
ただ、知りたいだけですと答えた。
そう言っても、兄も真意は理解している。
そうでなければ、協力などする訳もない。
官僚組織にいるからこそ、歪みを是正したいと
切に願うであろう。
輝彦も記憶にあるが、回りの様子伺い、根回しなどの
日本独特のおかしな行動は、みな
正しくない行動を全員でしているからである。
ミンナがしているから、しなくてはならない。
そんなおかしな法律はない。
そういう正しい事を言うと、排除されるのは
ミンナが悪い事をしているからである。
だから、事実隠蔽に関わらない怖れのある者は
集団に入れない。
子供のいじめはそれの模倣である。
簡単に言うと、動物レベルの排他性であり
何ら人間的な知性の欠片もない行動である。
それで輝彦はフリーの道を選んだ。
自分はそういう社会に向いていないと思ったからだ。
あの、真智子が恋人に選んだ彼もフリー。
真智子は、おそらく
父親が組織の泥沼に拘泥しもがいているのを見
自然と、自由に憧れたので
優しげな年上の彼に惹かれたのではないだろうか。
そこで、やや疑問なのは
その彼は、恋人が死んだと言うのに
さほど悲嘆しているようにも見えなかった所だが
元々、真智子がアプローチしていったと言う事なので
断る理由もないので付き合っていた、そういう愛なのかもしれなかったから
そう考えれば良いのかも知れなかった。
或いは。
真智子事件自体が、身代わり殺人で
本物は、志水の欲望を逃れるために
別の場所に居る。
そう考える事も出来る。
だとすると、彼女は。
彼のそばに居るのかもしれない。
志水の死を知って、安堵しているのではないか?
何しろ輝彦自身、関東電力会長令嬢の真智子、と言う
人物と
あの夜、東京駅で出逢った彼女が
同一人物か否かも知らないのだ。
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