1 / 187
日本食堂
しおりを挟む
東京駅、21時。
輝彦は、旅行雑誌の取材で
これから九州に向かう。
いつものようなお気楽さで、車で向かおうかと
思ったが、生憎。
貸したところ、出先で貰い事故。
それに、九州までクルマでは遠すぎる。
たまには鉄道の旅もいいかと
寝台特急サンライズ瀬戸で出発する事にしたが
出発は22時。
その前に、リニューアルの東京駅を見物してから
ノースコートの日本食堂で洋食でも、と
早めに東京駅に。
生憎、日本食堂は人気で混んでいたが
隅のほうに、一人で掛けている
地味だが、上品な女性に
輝彦は気を惹かれ、つい「あの、よろしいでしょうか」(笑)
俯いていた女性は、はた、と顔を上げて。
30歳くらいだろうか、優しげな感じ、だが
少し緊張の面持ちの表情が、輝彦に
どこか、印象を埋め付ける。
はい、と
静かに頷く女性の勧めで
輝彦は、相席をする事になり
フランス料理のフルコース、と行きたかったが
予約なしではダメ(笑)で
ビーフシチュウにする事にした。
内心、安堵していた。
シチュウですら1800円もするので
貧乏フリーライターとしては、内心ドキドキものだった。
だが、女性の手前、フルコースを注文して
見栄を張りたい、でも、店の都合で果たせず
上手い具合に見栄も張れた(笑)。
持ち前の軽妙さで、輝彦はこの女性と打ち解ける。
名は、勝又真智子さんと言い
先日までOLだったが、今は悠々だとか言う。
輝彦が、これからサンライズ瀬戸で九州へ、と言うと
偶然ですね、わたしも。と言う真智子に
輝彦は、ちょっとときめきを覚えた。
でも、ふとした仕草に憂いを感じ
違和感を禁じ得ない、輝彦であった。
寝台特急サンライズ瀬戸は、オール個室寝台で
Aクラスルームは、ひと車両に6室。
もちろん、輝彦はそれを確保していたし
真智子は、上品な面持ちに相応しい家庭なのか
同じクラスルームを予約していた。
偶然とはいえ、とても不思議な出会いの二人である。
輝彦は、旅行雑誌の取材で
これから九州に向かう。
いつものようなお気楽さで、車で向かおうかと
思ったが、生憎。
貸したところ、出先で貰い事故。
それに、九州までクルマでは遠すぎる。
たまには鉄道の旅もいいかと
寝台特急サンライズ瀬戸で出発する事にしたが
出発は22時。
その前に、リニューアルの東京駅を見物してから
ノースコートの日本食堂で洋食でも、と
早めに東京駅に。
生憎、日本食堂は人気で混んでいたが
隅のほうに、一人で掛けている
地味だが、上品な女性に
輝彦は気を惹かれ、つい「あの、よろしいでしょうか」(笑)
俯いていた女性は、はた、と顔を上げて。
30歳くらいだろうか、優しげな感じ、だが
少し緊張の面持ちの表情が、輝彦に
どこか、印象を埋め付ける。
はい、と
静かに頷く女性の勧めで
輝彦は、相席をする事になり
フランス料理のフルコース、と行きたかったが
予約なしではダメ(笑)で
ビーフシチュウにする事にした。
内心、安堵していた。
シチュウですら1800円もするので
貧乏フリーライターとしては、内心ドキドキものだった。
だが、女性の手前、フルコースを注文して
見栄を張りたい、でも、店の都合で果たせず
上手い具合に見栄も張れた(笑)。
持ち前の軽妙さで、輝彦はこの女性と打ち解ける。
名は、勝又真智子さんと言い
先日までOLだったが、今は悠々だとか言う。
輝彦が、これからサンライズ瀬戸で九州へ、と言うと
偶然ですね、わたしも。と言う真智子に
輝彦は、ちょっとときめきを覚えた。
でも、ふとした仕草に憂いを感じ
違和感を禁じ得ない、輝彦であった。
寝台特急サンライズ瀬戸は、オール個室寝台で
Aクラスルームは、ひと車両に6室。
もちろん、輝彦はそれを確保していたし
真智子は、上品な面持ちに相応しい家庭なのか
同じクラスルームを予約していた。
偶然とはいえ、とても不思議な出会いの二人である。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
就職面接の感ドコロ!?
フルーツパフェ
大衆娯楽
今や十年前とは真逆の、売り手市場の就職活動。
学生達は賃金と休暇を貪欲に追い求め、いつ送られてくるかわからない採用辞退メールに怯えながら、それでも優秀な人材を発掘しようとしていた。
その業務ストレスのせいだろうか。
ある面接官は、女子学生達のリクルートスーツに興奮する性癖を備え、仕事のストレスから面接の現場を愉しむことに決めたのだった。
ピエロの嘲笑が消えない
葉羽
ミステリー
天才高校生・神藤葉羽は、幼馴染の望月彩由美から奇妙な相談を受ける。彼女の叔母が入院している精神科診療所「クロウ・ハウス」で、不可解な現象が続いているというのだ。患者たちは一様に「ピエロを見た」と怯え、精神を病んでいく。葉羽は、彩由美と共に診療所を訪れ、調査を開始する。だが、そこは常識では計り知れない恐怖が支配する場所だった。患者たちの証言、院長の怪しい行動、そして診療所に隠された秘密。葉羽は持ち前の推理力で謎に挑むが、見えない敵は彼の想像を遥かに超える狡猾さで迫ってくる。ピエロの正体は何なのか? 診療所で何が行われているのか? そして、葉羽は愛する彩由美を守り抜き、この悪夢を終わらせることができるのか? 深層心理に潜む恐怖を暴き出す、戦慄の本格推理ホラー。
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる