汽車旅つれづれはなし

深町珠

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12列車"はくつる"の東北路... 2002/8

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<その14> 12列車"はくつる"の東北路...




機関車の前には、青いヘッドマーク、銀色の浮き文字、鶴の意匠...
はくつる、HAKUTSURU....
帰路は臨時82号の運転日ではないので、客車列車「はくつる」を選んだ。
この列車も東北新幹線八戸延伸で、消滅?との可能性もあり
僕はどちらかというと「ゆうづる」
利用が多かったが、消滅時には乗り収めができなかったので、「はくつる」が
消えない内に乗車しておこう、との思いもある。
ひとしきり写真を取ったり、ヴィデオに記録し、そろそろ車内に入ろうか、と
後方、B寝台車、9号車までまた、てくてくと歩く。
10号車、前方のデッキに昇り、車内に入る。
冷房が丁度心地好い温度。

http://users.hoops.ne.jp/c62_/view/tr16-1.jpg

車内では車掌が出発アナウンスを行っていた。
寝台券を確認し、指定の9番下、へと向かう。
今夜の宿はオハネ25形。とはいえ、きれいに整備されている。
新しいじゅうたんが通路に敷かれ、寝具、カーテンなども新しい。

http://users.hoops.ne.jp/c62_/view/tr16-2.jpg

これは、いい車両にあたったな。
後は、同席の旅人が妙な人でければ良い、のだが
大抵、東北特急で寝台に乗車する人、というのは割と物静かな人が多くて
好印象だったが...などと思いながら廊下を歩き自席に到着。

向かい席を見ると高校生っぽい女の子が一人
携帯電話でメールを打っていて、こちらをちら、と見たので「こんばんは」と
僕は一応挨拶をすると、彼女は携帯を下ろし、「こんばんは」と
にっこりと笑った。

東北人らしい愛敬のある顔立ちにすこし安堵し、また、僕のような他人にも警戒を
抱くこと無くにこやかに言葉を交わす、というあたりが青森だな
と少しなごんだが、反対に行く先が心配にもなる。
少々、ひとりでは危険なのではないか、と。同郷人として僕はそう思い
行く先を尋ねてみる、とまたまた素直に「上野までです」と言うので、
「ひとりで?」と返すと、
「はい、八戸で友達が乗ってきます。東京に知りあいがいて....。」


と、開放的に話してしまうので、ますます大丈夫かな、と気になってくる(笑)。
最近の高校生は大胆なものだな、と思い、東京は初めてなのか、と聞くと
なんどか行っているが、寝台車は乗ったことないので、友達と相談してこの
「はくつる」に乗ってみようと思った、との返事。

いやはや、なんとも...
あっけらかんと話すので、まあ、最近は治安が良いのか女の子が大胆なのか、
それにしても親がよく許したな、と思ったが、それを言うといかにもおぢさんっぽいので
止めておく(笑)。
日本も危険なようで平和なのだろうか。

車掌が検札に回ってくる、僕は、周遊きっぷのかえり券とゾーン券
特急・寝台券を出し、車掌は昔のような雰囲気で、紙の座席表にチェックを入れていた。
昔はわら半紙だったけど、今は白い紙になっただけで雰囲気はおんなじ。
ちょっと、懐かしい。
今が21世紀、という事を忘れてしまうように何も変わっていない。
寝台の雰囲気も、車窓の駅も、車掌の仕事も。
ただ、時間だけが流れているのだが...




発車アナウンス。


本日は、JR東日本の御利用ありがとうございます...
この列車は、寝台特急はくつる号、上野行きです....
まもなく発車いたします、お見送りの方はホーム..

と、いつもの案内放送があり...

21時05分。

オハネ25の折り戸は
空気を解放し、ばたん、と閉じた。


ガクン、とEF81は引き出す。
強いトルクで、「はくつる」は上野に向けて。


ゆっくりとホームが後ろへ流れて行く。
レール・ジョイントの音が、次第に早くなってゆくのを聞きながら
僕は、もうちょっとゆっくりすればよかったかな、などと
旅の終わりが近づいて、すこし寂しくなってきた。


「これ、掛けふとんですか?」


廊下側の車窓を眺めていたぼんやりしていた僕に
8番下の彼女はそう尋ねるので、見ると
毛布と、シーツを指しているので
片方はシーツだ、と教えた。

「ありがとうございます。」と、ゆっくりと微笑む表情にも
時間に追われていない子供の頃、のようなゆとりが感じられる。




12列車「はくつる」は、素晴らしいスピードで駅を次々と通過してゆく。
次の停車駅は野辺地、21時38分。
およそ45kmの距離を30分だから、おおむね90km/h。
構内制限などもあるからたぶん、制限一杯だろうと思える速度だが
激しい横揺れ、突き上げの類はあまり感じられない。
路盤が良いのか整備が行き届いているのか。
いずれにしても乗り心地は良いようだ。


http://users.hoops.ne.jp/c62_/view/tr16-3.jpg


弁当を食べ終わり、そろそろ横になろうか、と思う頃に野辺地に到着。
東北の朝は早く、夜もまた早い。
ちら、とカーテンの隙間からホームを見ると、すでに深夜の雰囲気。
貨物列車が留置され、構内の白色灯がやや寒く見える。

ほんの少しの休息、という感覚で客車のブレーキが緩められ、ついで機関車は引き出しの
トルクを起動した。
通常、発車時は先に客車のブレーキを緩め、機関車の単体ブレーキのみで止めておくそうで、
その為か、よく停車時に客車がゆらゆら、と前後に移動している事を経験する。
といってもほんの少し、連結器のバネくらいの移動だからたいしたことはないが、
いつも、その瞬間、客車に乗っているのだな、と実感する。

野辺地を定刻に出発。
12列車「はくつる」は盛岡まで客扱い、後は運転停車のみで宇都宮までが翌朝。
そこでおはよう放送となるが、5時頃と、ちょっと早すぎる。まだ眠りたい、と思って
まどろんでいると上野についてしまい、慌てた記憶がある。
「はくつる」上野到着の30分程後に「あけぼの」が入線するために、上野駅には
20分程しか停車しない...なので、荷物が多いとかなり慌ててしまうこともある。
「あけぼの」と「はくつる」の到着ホームは違うが、なにか都合があるのだろう。
尾久へ引き上げる線路が、平面交差で到着線を横断しているのも関係しているかもしれない。

列車は依然すばらしい速度、多分制限一杯の高速で進行している。
揺れもすくなく、静かで乗り心地も良い。583系のような重厚なものではなく、
乗り慣れた軽快な客車列車の乗り味だが、これもまた良いものだ、と思う。
対面の女の子は、カーテンを引かずにのんびりと寝台に脚を投げ出して、
ナイトウェア、という雰囲気のゆったりとして服装でくつろいでいる。
周囲を意識せずにリラックスできる、というのはとても良い事だ、と思うが
反面、もうすこし用心した方が良いようにも思えた....が、
それを注意するのも妙な話しだし、
ま、上野に着くまではこちらが気を配ってあげる事にしよう...
と、思う。

いつか、幼い頃に乗った十和田、八甲田、などの車中で、少年の僕を周囲の乗客が
それとなく気遣ってくれたように。
時は流れ、車両も変わったが、この列車は東北夜行なのだから。

列車は三沢に停車。22時ちょうど。この区間はおよそ30kmを20分で、60km/hか。
割と規模の大きな駅だが、今夜の乗客は数名。
ぱらぱら、と5号車あたりに乗り込むのは、ちょっとお年を召された方...
地味な服装で、手荷物をたくさん。
ああ、地元の方なのだな、と思う。
ブルートレインに乗る事が特別な贅沢でなくなった時代、日本は豊かになったのだ、
と感じているののかもしれない。
すでに、寝台特急ですら時代遅れのサービスだ、とされて、現代では個室寝台や
飛行機、新幹線などの移動手段を好む方が多くなっているのであるから..

そんな風景を収めながら、12列車は淡々と車輪を進める。
列車にもし記憶があるとすれば、彼にとってはこの一瞬が日常なのだから。


http://users.hoops.ne.jp/c62_/view/tr16-4.jpg

灯りのほとんどない車窓を眺めていると八戸に到着。22時18分。
この区間はおよそ20kmを20分。
デッキ付近で話し声がし、こちらに近づいてきた。
対面、8番下の女の子の友達らしい。
小さく声をひそめながら彼女たちはそれでも楽しげに微笑みを交わしながら。
ひとりは8番上に収まった。

すぐに静かになったので、すこし安心する。
とかくグループ客はにぎやかなもので、やや閉口する事があるが
夜行、開放寝台という状況に配慮している彼女たち、
大胆なようで案外繊細なものだな、と感心する。
都市生活者と違い、匿名性を意識して振る舞う事が少ないのだろう。

....まあ、開放B寝台で酒盛りしたりするのはだいたい中年が多いのだけど(笑)。
イベント列車でもないこの12列車「はくつる」、今日は割と日常的だ。

他の車両をすこし歩いてみると、割と乗車率は良いようだ。
盆の時期だからとも思えるが、下段はほとんど売れている。


特に大きなできごともなく、三戸到着。この区間は20kmを15分ほどだから、60km/hかな。
ひと気のない、がらん、としたホームには月明かりがぼんやりと降り注いでいる。

この駅だったか、ドア扱いをさせてもらった事がある。

車掌だった叔父の、特別サービス。
あやふやな記憶だと24系「ゆうづる」だったと思う.が、最後尾の車両の車掌室から前方を見、
確認指差をしてドアスイッチ、上下にボタンが出ているそれを押した、
すると、空気が抜ける音がして、車両側面の赤いドア開ランプが消え、ドアが一度に閉じる..
ああ、こういう仕事なのだ、僕もいつかはここに立つのだ、と子供心にそう思っていた事、など
を思い出しふと懐かしくなるドア扱いの思い出、だった。
暗いホームに並ぶドア・ランプ、夜行列車の減光した窓灯り...
ムード満点だが、明るい駅ではこんな風情はあまり感じる事はできない。
都会では屋根のないホームを探す方が難しいくらいだろう。

ふたたび定刻で12列車は発車する。
EF66牽引の東海道ブルートレイン、たとえば「富士」あたりよりもスムーズに起動し
あまり衝動を感じないのはEF81の特性なのか、それとも機関士の配慮か...
聞くところによると交流機の方が起動はなめらかだ、とも言われているようであるが。
インヴァーター制御機になれば、より滑らかな起動になるのだろう、などと考え、
ふと気付くが、その頃まで客車列車が残っているかどうか...?
少々寂しくなる。
EF81置換の交流機がすでにJR貨物では新造されたと聞くが、そのうちに
寝台特急の牽引をJR貨物に委託する事になるのかもしれないな、などと思ったりもする。


二戸到着は22時47分、手元の時計ではやや早着気味に見える。
距離はおよそ20kmといったところ。
もう岩手県だが、ここは山深いところ..
以前、途中下車したことがあるが、閑静な場所。
すこし歩くと川があったり、そこの川原がほとんど渓谷のような場所であったり。
駅前はそれなりに開けていたりもして、ややちぐはぐな印象もある。
余談だが、このあたりでそばを頼むと、大抵は鶏肉の出汁である。
関東から旅すると不思議な味に思えるが、腰の強い、黒っぽいそばの味に似合う。
聞けば、この鶏だしは日本三大地鶏のひとつ、比内鶏の一種交配、(F1種というそうだ)
の出汁である、という。
純粋種は天然記念物であるため、このような食用種が品種改良によって生まれた、という。
そのようなそばが、ごく普通に食されている食文化豊かな二戸、である。
駅前に2軒ほどあるそば店のどちらでも同じような出汁であったから
これはこの土地の伝統なのだろう。

車窓から駅前を眺めたが、途中下車してあるいた数年前とそれほど雰囲気は変わっていない。



感慨にひたる間もなく、車輪はまたレールの継ぎ目を衝動として伝え始めた。



すでにJR東日本は東海道筋のブルートレインの行方、について検討を始めた、と聞く。
電車化、廃止縮小などの考慮に入れ、ということのようだが、来る民営化に対応し
本州三社が協力してゆければさらに良い結果になるであろう。
半公共事業体、のようなお役所的感覚では、どうしても縄張り、などの非合理的な発想に
偏りやすくなるが、営利団体であれば利益、顧客サービス、などの点で目的が一致しやすくなる
だろう、と思う。
たとえば深夜バス的な座席夜行、飛行機のファーストクラス的な寝台など、ならば
電車寝台、583系のような昼夜運用列車を走らせる事も可能だろう、と思う。
安価に楽に旅ができれば、深夜帯の線路容量を利用して新たな需要ともなりうる...
だが東北本線はすでに盛岡以北が分割、JRから経営分離される事は決定されている...
もともとがつじつまあわせのような整備新幹線法のため、だが、完全に民意に沿うもので
ない事もまた、事実である....

まもなく、という印象で一戸に到着。6kmしか離れていない。
およそ5分ほどの旅。
このあたりの鉄路も、そのうちに東北本線ではなくなってしまう....
そう思うと、ふとさびしさを感じる。

自動車に交通の主役が移行したためだ、とは言うが、

CO2排出量の削減のため、バス、航空機などの長距離便は鉄道に移行させた方がよい
のではないか、などと考えたりもする。
航空機の自重を浮上させるために排出するCO2などかなりのものであろうと予測できるが。
また、浮上させるが故に高速を維持しなくてはならないのであるから、その高速維持にも
またCO2が余分に排出される筈だろう、と思える。

それほど急ぎでない旅客なら、国内便は新幹線か、夜行列車でよいのではないだろうか。
また、夜行バスも多数運行されているが、排出ガスは規制対象になってはいないし、
旅客がバスを利用するのも、安いというだけの事だろう。
ならば、夜行バス程度の運賃で座席夜行列車を走らせれば、発電所で一括して
排出ガス対策もでき、夜間電力の効率的利用にもなる。
電車を走らせれば回生電力の回収も可能だ...
などと考えて見るとやはり発想の転換、利益よりも環境負荷を考える、産業構造の変化、
などが必要なのだろう、と思える。




すでに車内は眠りについている方も多いようだ。
この列車の運転士は衝動抑止が巧く、眠りを妨げられることもないであろう。
一戸-盛岡間はおよそ70km 、 おおむね一時間の旅。
運転士もひと休み、というところだろう。
聞くところによれば、客車列車、寝台特急のブレーキ扱いは衝動抑止が難しいそうだ。
今夜の「はくつる」ではまったくそれを感じられない。


列車は盛岡駅にほぼ定刻到着。
すでに深夜、新幹線の最終列車も発車したあと、とあって
薄暗いホームが蛍光灯に照らされて涼しげだ。

http://users.hoops.ne.jp/c62_/view/tr16-5.jpg


普段だと東京方面への旅客、新幹線の最終に乗れなかった人、などが
何人かホームに見られるが、この日は盆の時期とあって見当たらず。
デッキにたってホームを見ても無人だった。

束の間の休息、といった風情でEF81のブロアーの音がホームに響いている。
駅周辺もひっそり、と。風すら睡っているように動かない...


デッキに空気の抜ける音がし、ドアはばたり、と閉じる。
ひと気のないホームがゆっくり、と流れ始める.....

東北新幹線の高架橋を左手にみながら12列車は暗い鉄路を、二条のヘッド・ライトで
二本のひかりの道、と輝かせながら進む。
ゆっくりと構内を進み、ガーター橋を渡ると、軽く衝動を発してぐい、と
ブルー・トレイン「はくつる」は速度を上げはじめる...

B寝台の下段に寝転んで、そのレール・ジョイントの音を聞いていると
これまでの旅路の事を思い出す。

113系のモーター音。
池上の街並み。
上野、駅前の喧騒。
583系、はくつる81号。
奥羽本線701系の加速。
弘前の風景...
八甲田の山。高原のさわやかな風...


ディテールの、ひとつひとつが旅、そのものだ。
そして、こうしているひとときもいつか思い出になって旅のひとコマとなり
記憶に刻まれてゆく----

すでに減光されている車内では、あちこちから心地好さげな寝息が聞こえている。
対面の女の子たちも静かに寝入っているようだ。


次の停車駅は宇都宮。
運転停車はあるが、次はどこだったか....
などと考えている間にも12列車はフル・スピードで上野に向かっている。
レール・ジョイントの響きがアップテンポのドラム、エイト・ビートのように響いている....
 


-------|以下、次回に続きます..|-------
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